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それから急いでいたのでよく覚えていない。
とりあえず殴られて倒れた篠原を助け起こして、外部生には貼り付けた笑顔で謝って…それから…篠原を連れて立ち去った…
そして現在、生徒会室。
「っ痛…」
消毒液の付いた綿で外部生に殴られた頬を撫でれば篠原は顔をしかめて言う。
「いてぇ、もう少し優しくしろ夕張!」
怒鳴られたって構うものかと私は更に綿を押し付けるようにした。
上がる悲鳴に、鼻を鳴らしながらやっと綿を篠原から離せば本人は安心した表情。
私は仕上げとばかりにガーゼを押し当て、テープで貼り付ける
「終わりです」
テープを鋏で切り言えば篠原が恨めしい目で睨む。
見慣れた顔で睨まれても怖くない。
「てめぇ、何か恨みでもあんのか?まさか…夢を」
「夢?」
「ああ、外部生の名前だ、雪村夢(ゆきむらゆめ)…好きになったりしてねぇだろうな?」
私は痛む胸を誤魔化すように溜め息した
「私が好きになるわけないでしょう」
私はあなたが好きなんだから。
思わず自傷気味た笑みを浮かべてしまう。
それに気付いた篠原が眉を寄せながら顔を覗き込んでくる。
慌てて何時もの笑みを浮かべた。
「…それより、雪村さんには関わらない方がよろしいのでは?」
生徒会長のあなたは人気がある。
だからあなたに惚れられたら外部生は確実に親衛隊から制裁を受けることになるだろうし…
それに、篠原…を殴った。
篠原は悪いことをした。
それはわかるが、こんなに…力一杯殴ることないと思う。
口で言うか、押すか、くらいが妥当ではないか?と
「うるせぇよ。何がなんだろうと夢から離れねぇ」
「…そう」
篠原…私をみて。
私を好きになってよ…。
そんなこと言えるわけなくて、口から出たのは
「手当てくらいは、またしてあげますよ」
そんな言葉だった
篠原は嫌そうに顔を歪めた
とりあえず殴られて倒れた篠原を助け起こして、外部生には貼り付けた笑顔で謝って…それから…篠原を連れて立ち去った…
そして現在、生徒会室。
「っ痛…」
消毒液の付いた綿で外部生に殴られた頬を撫でれば篠原は顔をしかめて言う。
「いてぇ、もう少し優しくしろ夕張!」
怒鳴られたって構うものかと私は更に綿を押し付けるようにした。
上がる悲鳴に、鼻を鳴らしながらやっと綿を篠原から離せば本人は安心した表情。
私は仕上げとばかりにガーゼを押し当て、テープで貼り付ける
「終わりです」
テープを鋏で切り言えば篠原が恨めしい目で睨む。
見慣れた顔で睨まれても怖くない。
「てめぇ、何か恨みでもあんのか?まさか…夢を」
「夢?」
「ああ、外部生の名前だ、雪村夢(ゆきむらゆめ)…好きになったりしてねぇだろうな?」
私は痛む胸を誤魔化すように溜め息した
「私が好きになるわけないでしょう」
私はあなたが好きなんだから。
思わず自傷気味た笑みを浮かべてしまう。
それに気付いた篠原が眉を寄せながら顔を覗き込んでくる。
慌てて何時もの笑みを浮かべた。
「…それより、雪村さんには関わらない方がよろしいのでは?」
生徒会長のあなたは人気がある。
だからあなたに惚れられたら外部生は確実に親衛隊から制裁を受けることになるだろうし…
それに、篠原…を殴った。
篠原は悪いことをした。
それはわかるが、こんなに…力一杯殴ることないと思う。
口で言うか、押すか、くらいが妥当ではないか?と
「うるせぇよ。何がなんだろうと夢から離れねぇ」
「…そう」
篠原…私をみて。
私を好きになってよ…。
そんなこと言えるわけなくて、口から出たのは
「手当てくらいは、またしてあげますよ」
そんな言葉だった
篠原は嫌そうに顔を歪めた
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