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第一章
童話の世界の悪役に転生しちゃった!?
しおりを挟む「ありゃ?」
謎迷が目を開けるとそこは知らない天井だった。
謎迷はむくりと寝台から起き上がる。
「!? モーガン様!」
幼い声が聞こえた。
謎迷が声のした方へ振り向くと、金髪でめちゃくちゃ髪の長い幼子がトタトタと自分に向かって駆け寄ってくる。
謎迷は首を傾げた
「はて、ここはどこだ?お前は誰だ?」
謎迷はまだ覚め切れていない、ぼんやりとした頭でそう聞いた。
謎迷の言葉に幼子は顔を青ざめ、目に涙をため、必死になって叫んだ。
「モーガン様!?私です、ラプンツェルです!」
「ラプンツェルだと!?」
「はい!ラプンツェルです、モーガン様!」
謎迷の問いに幼いは背筋をピンと伸ばして答える。
はて、この自分にはラプンツェルという名前の知り合いはいただろうか。
いや、いなかったはずだ。
だってそんな印象的な名前をしていたら、謎迷が覚えていないはずがない。
そう思いながら、、謎迷はラプンツェルをまじまじと見つめた。
ラプンツェルの容姿はは謎迷の知っている童話のラプンツェルの容姿と一致していた。
ラプンツェルが動くたびにキラキラと輝く金髪でめっちゃくちゃ長い髪の毛、それにまつ毛と瞳の色まできらっきらの金色だ。
あと、まつげがめちゃ長げぇ!
マッチ棒三本ぐらいは乗せられるかもしれん。
謎迷が寝台から降りようとすると、
パッサー
謎迷の髪の毛が謎迷の視界を邪魔した
「ンげぇ!」
謎迷の髪の毛は見事に緑に染まっていた。
いやいや、なんで?
謎迷の髪の毛はこげ茶色のはずだよね!?
黒に近い焦げ茶色!!!!
自分、髪染めたっけ?
染めてないよね?
謎迷は髪の毛をさわさわと触ってみたり、くるくると自分の指に巻き付けたりしてみた。
なんか、髪質もいつもと違う!
いつもよりツルツルしてる気がする・・・
「⁉」
謎迷は胸に違和感を感じて、自分の胸元を凝視した
「うわぁお。」
普段の謎迷より、大幅に大きかった。
謎迷は思った
これは自分ではなくて、もはや他人なのではないかと
謎迷は自分で、自分だが自分でないような体を、ペタペタぺたぺたと隅々まで触りまくる
「・・・・・・・・・・・・・・。」
その様子をラプンツェル無言で見ていた。
自分で自分の体を触っている感覚と、自分の体を触られている感覚はしっかりあった。
やはり、この体は正真正銘謎迷の体のようだ
――モーガン様!――
――モーガン様!?私です、ラプンツェルです!――
…………ラプンツェルは最初から謎迷のことを『モーガン様』と、呼んでいた
…………だが、自分はモーガンではない。
…………しかしこの体は正真正銘わたしだ
…………ラプンツェル、童話、、、
…………………………………………………………転生?
嫌な予感がし、謎迷は寝台から飛び降り窓の外を見た。
謎迷の予感は的中した。
ここは高い高い塔の上だった。
そして、謎迷の後ろにはラプンツェルと名乗る金髪の幼子がいて、自分、謎迷のことをモーガン様と呼んでいる、、、
もしかして、もしかしなくても自分はあの有名な童話の世界に転生したのでは!?
なんてこった!
ラプンツェルと一緒に塔の上にいる時点で、あのラプンツェルをさらって塔の上に閉じ込める悪役に転生したって事じゃんか!
よりによって悪役に
それに!
なんか、覚えてないけど、最後にこのキャラ殺されてた気がする!
もし、このままストーリーが進めば、数年後にきっと自分はdie!?
嫌だ!死にたくない!何とかしないと!
応援ありがとうございます!
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