6 / 27
第二章
悩める乙女
しおりを挟む今日、蓮花君は学校を休んだ。
「どうしたの?紫苑ちゃん、なんだか元気がないような…」
万里ちゃんが、心配そうに紫苑に聞いた。
「・・・・・・・・・・今日、蓮花君、学校に来なかったね。」
「そーだね。風邪でも引いたんじゃない?」
「紫苑ちゃんってさ、最近、ずっと黒川君にべったりだったよね。」
「違うよ、みのるちゃん。黒川君のほうが紫苑ちゃんにべたっりだったじゃない!」
いつでも元気活発な長城 万里ちゃん、ちょっとクールな春風 みのるちゃん、陰でモテる可愛い系の、静川 カルマちゃん。三人とも、紫苑の大切な女友達だ。
「あ、あのさ、これは私の友達の話なんだけど…、友達、仲の良かった男の子に『好きです。付き合ってください』って、言われたんだって・・・・・そのあと、その子とちょっと気まずくなっちゃったみたい・・・あと、友達はまだ、その告白をしてくれた男の子に返事をしていなくて・・・・・・・友達は、どうすればよいのだとと思う?」
紫苑がそう言うと、万里ちゃんが
「なるほどー。紫苑ちゃんは仲の良かった男の子に告白をされて、気まずいと・・・・」
「え、万里ちゃん!紫苑の話じゃないよ!紫苑の友達の話!」
「ええー本当かなあ?『これは私の友達の話なんだけど…』って、台詞から始まるってことは、たいてい自分の話なんだよ―!」
「白状しなさい。誰に告白されたの?仲の良い友達って言ったらやっぱり幼馴染のカエアン君?」
「ええ!みのるちゃんまで・・・・」
紫苑は、がっくりとうなだれた。
紫苑はみのるちゃんと万里ちゃんの質問攻めを軽く流した。
「それで、万里ちゃんはどう思う?」
「うーん、とりあえずは友達から始めてみたら?」
「!!その手があったか!」
「みのるちゃんはどう思う?」
「私も万里ちゃんの意見に賛成かな。」
「そっかあ。カルマちゃんは?」
「今、お弁当食べてる。忙しい。」
「あ。はい。」
こうして、紫苑は三人(二人)から、無事にアドバイスをもらうことができた。
「おはようございます!紫苑さん!」
「おはよう。蓮花君。」
今日は月曜日。
先週の金曜日は、蓮花君が学校を休んだので、紫苑は少し心配をしていたけれど、今日、笑顔で学校に来た蓮花を見て、紫苑はホッとした。
「蓮花君、先週お弁当ありがとう。親子丼、とってもおいしかった!あ、重箱はちゃんと洗ったから大丈夫だよ!」
「それはよかったです。」
蓮花は紫苑から、空になった重箱を受け取り、ほほ笑んだ。
先週、あんなことがあったからか、なんだか紫苑はそわそわしてしまう。
それは、相手も同じようで、もじもじとして、自分の手をいじいじしている。
「あ、あの!紫苑さん!」
蓮花は意を決したような顔で紫苑のことを見つめた。
「なあに?」
「こ、これを!紫苑さんに似合うと思って・・・・・・」
「わあ!かわいいシュシュ!蓮花君、ありがとう。」
「い、いいえ。」
蓮花からもらったシュシュは黒色で、小さなリボンがついていた。
紫苑はさっそく自分のツインテールにそのシュシュを結んだ。
「どう?似合う?」
「はい!とってもお似合いです!」
蓮花君はなんだか誇らしそうに嬉しそうに答えた。
うれしい!
男の子からのプレゼントはカエアン以外に初めてもらった。
紫苑に思いを告げてくれた人からのプレゼントだ。紫苑は少し、不思議な気持ちになった。
「紫苑さんは、どのような男の人がタイプなのですか?」
「え?」
「どのような男の人と、将来、添い遂げたいと思えるのですか?」
蓮花君が、紫苑のことをまっすぐ見つめて、静かに聞いた。
なんか、紫苑、すごいことを聞かれている気がする・・・・・。
うーん。将来、添い遂げたい人って、結婚したい人ってことでいいんだよね?
「え~と、年下で・・・・・・・。」
「年下、ですか・・・・。紫苑さんの誕生日は何月ですか?」
「五月だよ。」
「・・・・・・・・俺も、五月生まれです。五月、何日に産まれたのですか?」
「五月二十九日だよ。」
「ギリギリ・・・・ですね。俺は、五月三十日生まれなので年下です!」
・・・・・・・・・・・・・・・そこまで、年下であることを執着しているわけじゃないんだけどね。
「それで、ほかには?」
「ええと、肌が白くて、清潔で、優しくて、料理が上手で、スタイルよくて、やっぱりイケメンがいいかなあー。」
紫苑は思いつく限り、もし、結婚をするなら、どんな男性がいいかを述べた。
それを聞いて、蓮花は目を輝かして、
「それって!もし、思い違いでなければ、大体、俺に、当てはまっていませんか!?」
「え、」
「その条件の中で、ちょっと不安なのは、紫苑さんにとって、俺の顔はイケメンかどうかってことですが、、、もし、そうでなければ、紫苑さん好みに整形をします。」
「整形⁉蓮花君、せっかく綺麗な顔してるのに、もったいないよ!?もっと自分を大事にしなよ。」
蓮花君の口から、『整形』、なんてたいそうな言葉が出てきたので、紫苑はびっくりした。
蓮花君は紫苑から見ても、だれがどう見てもイケメンだ。そのせいで、紫苑は、蓮花君と話すとき、怖気づいてドキドキしていることを彼は知らないのだろうか。
イケメンが、イケメンだと自覚してないのは、なんだかこわい・・・。
「え、俺の顔が綺麗・・・・?」
「うん。蓮花君はとってもきれいだよ。蓮花君は、気づいてないかもだけど…。まるで、お人形みたいにきれいだよ。」
「あ、ありがとうございます!///照れ」
蓮花君は、顔を真っ赤にしてうつむいた。
「えっと、あの!紫苑さん!明日も、腕によりをかけて、お弁当を作ってきますね!」
「うん!蓮花君の料理、とってもおいしいんだもの!楽しみ!・・・・・・・・・・・・・・・・・・でも、さすがにあの量になると、食費が結構かかるよね。」
「はい。でも、いつものことなので、紫苑さんが気にすることはないですよ?料理は俺の趣味ですし、作った料理を食べてくれるのはとても嬉しいです。」
「でも・・「だいじょうぶです。」」
紫苑が、材料費ぐらいは払うと言おうとする前に蓮花の声にさえぎられてしまった。
紫苑がまだ、納得できないでいると、
「そんなに、気になるなら、食費を払わなくてよいので、俺の恋人になってください。」
「え、でも、それとこれとでは話が別・・・・」
「一か月だけのお試しでいいですから・・・・・・」
「え、ちょっ、お友達から始めよう?」
「わかりました。恋人という名のお友達でいいです。」
「だから!なんで恋人になる必要があるの!」
「俺の心の平穏のためです。」
蓮花君は、ときどき真顔で、突拍子のないこという。
そのたび、紫苑は、頭を抱えることになる。
「恋人になっても俺は、紫苑さんにこれ以上の関係を望みません。まったく望んでいないといえばうそになりますが・・・・紫苑さんの嫌がることはしません。お弁当を作る人、食べる人、それだけで、満足できます。本当に、恋人という名の友達でいいんです。紫苑さんにとっても、悪い話ではないはずです。ね?俺の恋人になってください!」
こんなに必死になって、紫苑にとっても、良い条件でお願いしてくるのだ。
顔も、良いし・・・・・・・
「………うん。」
断れるはずがなかった…。
紫苑は、蓮花君とお付き合いを始めることになりました(恋人という名の友達)。
0
あなたにおすすめの小説
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
虐げられた私、ずっと一緒にいた精霊たちの王に愛される〜私が愛し子だなんて知りませんでした〜
ボタニカルseven
恋愛
「今までお世話になりました」
あぁ、これでやっとこの人たちから解放されるんだ。
「セレス様、行きましょう」
「ありがとう、リリ」
私はセレス・バートレイ。四歳の頃に母親がなくなり父がしばらく家を留守にしたかと思えば愛人とその子供を連れてきた。私はそれから今までその愛人と子供に虐げられてきた。心が折れそうになった時だってあったが、いつも隣で見守ってきてくれた精霊たちが支えてくれた。
ある日精霊たちはいった。
「あの方が迎えに来る」
カクヨム/なろう様でも連載させていただいております
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
前世の記憶しかない元侯爵令嬢は、訳あり大公殿下のお気に入り。(注:期間限定)
miy
恋愛
(※長編なため、少しネタバレを含みます)
ある日目覚めたら、そこは見たことも聞いたこともない…異国でした。
ここは、どうやら転生後の人生。
私は大貴族の令嬢レティシア17歳…らしいのですが…全く記憶にございません。
有り難いことに言葉は理解できるし、読み書きも問題なし。
でも、見知らぬ世界で貴族生活?いやいや…私は平凡な日本人のようですよ?…無理です。
“前世の記憶”として目覚めた私は、現世の“レティシアの身体”で…静かな庶民生活を始める。
そんな私の前に、一人の貴族男性が現れた。
ちょっと?訳ありな彼が、私を…自分の『唯一の女性』であると誤解してしまったことから、庶民生活が一変してしまう。
高い身分の彼に関わってしまった私は、元いた国を飛び出して魔法の国で暮らすことになるのです。
大公殿下、大魔術師、聖女や神獣…等など…いろんな人との出会いを経て『レティシア』が自分らしく生きていく。
という、少々…長いお話です。
鈍感なレティシアが、大公殿下からの熱い眼差しに気付くのはいつなのでしょうか…?
※安定のご都合主義、独自の世界観です。お許し下さい。
※ストーリーの進度は遅めかと思われます。
※現在、不定期にて公開中です。よろしくお願い致します。
公開予定日を最新話に記載しておりますが、長期休載の場合はこちらでもお知らせをさせて頂きます。
※ド素人の書いた3作目です。まだまだ優しい目で見て頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。
※初公開から2年が過ぎました。少しでも良い作品に、読みやすく…と、時間があれば順次手直し(改稿)をしていく予定でおります。(現在、146話辺りまで手直し作業中)
※章の区切りを変更致しました。(9/22更新)
犬の散歩中に異世界召喚されました
おばあ
ファンタジー
そろそろ定年後とか終活とか考えなきゃいけないというくらいの歳になって飼い犬と一緒に異世界とやらへ飛ばされました。
何勝手なことをしてくれてんだいと腹が立ちましたので好き勝手やらせてもらいます。
カミサマの許可はもらいました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる