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41 中島生活をギュッと話してみた
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「ちわ~っ」
「おっ?たけっ!」
「おわっと、サト先生。お久です」
サト先生の圧スゲェな。
思わず仰け反ってしまったわ。
「たけ~……久々過ぎるぞぉ……」
「いや、色々あったんですよ。色々」
そう言えば、何だかんだとサト先生に会わず、2ヶ月位たったんじゃないか?
自分の来る時間と日時がズレた事と、サト先生の仕事の関係でスレ違いが頻発してたもんなぁ。
「たけにず~っと聞きたかったんだよっ!! 中島ってダレっ?」
「あっ……」
そうそう。
サト先生、中島について説明してなかったわ。
スッパリ忘れてた。
「おう。そう言えば聞きそびれてたな。俺もたまに思い出しつつ、忘れてた」
「マスター、それほぼ忘れてたって事じゃないですか……」
「……だな」
だよ?
あっ、お通しといつもの来た。
ありがとう、マスター。
「まぁ、長いようで短い話しですからねぇ」
「たのむ。聞かせてくれ。中島が気になって、気になって睡眠時間が10分は減ったんだ」
「……大して減ってないじゃないですか」
「10分はデカいぞ?ちなみに目覚めはスッキリだが」
「別に聞かなくても平気な部類ですよね?」
「たけ~」
「まぁ、話しますよ……中島と出逢ったのはそう、空が青く澄み渡り、雲との距離が遠くなり始めた頃……」
「いらない情報は省いて欲しいんだが……」
「いや、短い話しなんで、少し足そうかと」
「余計なのはいいからさぁ」
「え~……まぁ秋の味覚祭りに妹呼んだんですがね?その時連れて来たのが中島ですよ」
「ほ~……えっ?終わり?」
「サト先生、欲しがるなぁ~」
とりあえずビールを飲んで一息。
「妹から、中島も連れてくって言われて会ったんですが、もうビックリでしたよ」
「ビックリって、美人?イケメン?」
おぉう……
サト先生、グイグイカウンター席つめてきたな。
圧が凄いから、あんま近寄らないで欲しいんだが。
「あ~……どうですかね?自分、あんまり青虫好きじゃないんで、わからないです」
「はっ?」
「えっ?なんです?」
「いや、中島の話し……」
「えっ?はい。青虫」
「はぁ?! 青虫?! 中島は青虫なのかっ?!」
「立派な青虫でしたねぇ……あんな可愛い格好した妹が、虫ケースぶら下げて登場するなんて……」
「たけの妹、大学生だよなっ?!」
「昔から青虫大好きっ子ですね」
「たけの妹、色々と濃いな……」
まぁ存在は濃いな。
兄ちゃん、今回振り回されっぱなしだったから。
「しかも急に1週間位、京都行くからって預けて行っちゃったんですよ」
「えっ?預かってたのか?」
「はい……青虫に餌をやってくれって。手に乗せて、口元まで葉っぱ近付けて与えろって」
「おいおいおいおい」
「やってませんけどね?」
「中島……人かと思ってたわ……」
「一応、生き物なんで大変でしたよ?」
本当に大変だったんだから。
事件多過ぎたんだから。
「でも青虫なんて、葉っぱ与えて置けば大丈夫なんだろ?」
「フッ……サト先生。甘いですよ……」
「なんだよ?手に乗っけてないんだろ?」
サト先生……とんだ甘ちゃんだな……
中島が中島である真髄は、そこじゃないんだよ。
「預かって3日目に急に動かなくなったんですよ……」
「え~……死んじゃった?」
「4日の朝に、全足こっちに向けて横たわってたんですよ……真っ直ぐに伸びたまま……」
「そこで死んだのか?」
「いえ、その日の夜……全足上に向けた仰向けの姿勢で……」
「仰向けって、ご丁寧に……死んだのか?」
「振り返るたびにアクロバティックな体勢になり始めて……」
「えっ?何っ?流れがわかんないんだけどっ?!」
「翌日見ると中島、2匹に分裂してました」
「「はぁっ?!」」
あっ、マスターも聞いてたんだったわ。
「えっ?青虫は分裂しないだろうっ?!」
「そうだぞ、たけっ!肝心な所がおかしいぞっ?!」
「確かに。青虫は分裂なんかしないですよ。ちゃんと卵から生まれるからねぇ」
「なんで分裂なんてしたんだよ……まさかチギレて……(ゾォ~)」
「いや、脱皮してたんです」
「はぁ?! 青虫脱皮するの?!」
「知らんかったわ……」
「自分も衝撃でしたよ。まさか脱皮なんて、ご丁寧に脱け殻が横にあるんですもん、ねぇ?」
「確かに。パッと見2匹いたら焦るな……」
「いきなり2匹になってたらビビるわ……」
「ちなみに中島、顔が2個ついてた状態でしたよ?」
「どんな状況……って脱け殻のカケラか」
「そうそう。何の知識も無しに預かって脱皮とか。凄く大変でしたねぇ」
「いや……お疲れ……」
本当に疲れたよ。
心配事テンコモリで。
ビールを1口。
「んで、脱皮前の異常行動が怖かったんで、妹に電話してたんですがね。行方不明になってたんですよねぇ……」
「はぁっ?!」
「何サラッとっ……そっちのが事件だろっ?!」
「まぁ、充電器忘れてた事がわかったんですがね?まぁ~慌てた慌てた」
「ビビらせんなよ……」
「いや、すいません。その後も怪奇現象とか押込み強盗未遂とかあって、大変だったもんで」
「聞き逃せないキーワードが多過ぎるぞっ?!」
「まぁまぁ、そんな感じでしたねぇ」
お通し行っとくか。
「ちょったけっ?! 何、話し終えた風なのっ?!気になるワードあるよねっ?!あるよねっ?!」
ビールを1口。
大事な事だから2回言ったよ?みたいな?
ビールをもう1口。
「くつろいでるっ?!」
「たけ、俺も気になるんだが?」
「え~?仕方ないなぁ~」
キツツキ襲撃事件と多分野ねずみ侵入作戦を語ったよ。
「ビックリしたわ……」
「たけ家、自然が豊かだな……」
「ですよねぇ……その辺りに本格的に妹と連絡取れなくて消息不明になりましたし……」
「もう騙されないぞっ?!」
「だな」
ビールをグッと飲み干す。
「妹が最期に寄越したメールが『山越えしてるから、いつ帰れるかわかんない☆』でした……あっマスター、おかわり」
「はぁっ?! えっ、はぁっ?!」
「ちょっと妹、ぶっ飛んでるぞ?ホイ、おかわり」
「自分もぶっ飛んでましたよ。心配と不安で職場に休み交渉する位……大変でした……」
あっ……何か涙でそう……
ビール飲も。
「んで、妹ちゃん結局どうだったの?」
「あっ、結局、ヒッチハイクしたバイクで愉快なおじさん方と野営しながら東京について、飛行機で帰って来ましたよ」
「1番凄い所がサラッと語られたぞっ?!ちょっマスター?!」
マスターが固まってた。
お通し美味しい。
今日は肉じゃがかぁ……
ウマウマ。
ビール、ビール……
はぁ~……幸せぇ~
「ちょっ、たけっ?! 何くつろいでんのっ?!」
「いや~思い出したら大変な気苦労したなぁ~って。自分、お疲れ~って」
固まってたマスターが動き出した……って目頭抑えてるよ。
「たけ……今日のツマミ、2回無料な……」
「……ありがとうマスター」
「おいおい……たけのビール2本分、俺につけといてよ……はぁ~。お疲れさん」
「ありがとう、サト先生……」
なんか、おひねり貰った気分だな~……
「おっ?たけっ!」
「おわっと、サト先生。お久です」
サト先生の圧スゲェな。
思わず仰け反ってしまったわ。
「たけ~……久々過ぎるぞぉ……」
「いや、色々あったんですよ。色々」
そう言えば、何だかんだとサト先生に会わず、2ヶ月位たったんじゃないか?
自分の来る時間と日時がズレた事と、サト先生の仕事の関係でスレ違いが頻発してたもんなぁ。
「たけにず~っと聞きたかったんだよっ!! 中島ってダレっ?」
「あっ……」
そうそう。
サト先生、中島について説明してなかったわ。
スッパリ忘れてた。
「おう。そう言えば聞きそびれてたな。俺もたまに思い出しつつ、忘れてた」
「マスター、それほぼ忘れてたって事じゃないですか……」
「……だな」
だよ?
あっ、お通しといつもの来た。
ありがとう、マスター。
「まぁ、長いようで短い話しですからねぇ」
「たのむ。聞かせてくれ。中島が気になって、気になって睡眠時間が10分は減ったんだ」
「……大して減ってないじゃないですか」
「10分はデカいぞ?ちなみに目覚めはスッキリだが」
「別に聞かなくても平気な部類ですよね?」
「たけ~」
「まぁ、話しますよ……中島と出逢ったのはそう、空が青く澄み渡り、雲との距離が遠くなり始めた頃……」
「いらない情報は省いて欲しいんだが……」
「いや、短い話しなんで、少し足そうかと」
「余計なのはいいからさぁ」
「え~……まぁ秋の味覚祭りに妹呼んだんですがね?その時連れて来たのが中島ですよ」
「ほ~……えっ?終わり?」
「サト先生、欲しがるなぁ~」
とりあえずビールを飲んで一息。
「妹から、中島も連れてくって言われて会ったんですが、もうビックリでしたよ」
「ビックリって、美人?イケメン?」
おぉう……
サト先生、グイグイカウンター席つめてきたな。
圧が凄いから、あんま近寄らないで欲しいんだが。
「あ~……どうですかね?自分、あんまり青虫好きじゃないんで、わからないです」
「はっ?」
「えっ?なんです?」
「いや、中島の話し……」
「えっ?はい。青虫」
「はぁ?! 青虫?! 中島は青虫なのかっ?!」
「立派な青虫でしたねぇ……あんな可愛い格好した妹が、虫ケースぶら下げて登場するなんて……」
「たけの妹、大学生だよなっ?!」
「昔から青虫大好きっ子ですね」
「たけの妹、色々と濃いな……」
まぁ存在は濃いな。
兄ちゃん、今回振り回されっぱなしだったから。
「しかも急に1週間位、京都行くからって預けて行っちゃったんですよ」
「えっ?預かってたのか?」
「はい……青虫に餌をやってくれって。手に乗せて、口元まで葉っぱ近付けて与えろって」
「おいおいおいおい」
「やってませんけどね?」
「中島……人かと思ってたわ……」
「一応、生き物なんで大変でしたよ?」
本当に大変だったんだから。
事件多過ぎたんだから。
「でも青虫なんて、葉っぱ与えて置けば大丈夫なんだろ?」
「フッ……サト先生。甘いですよ……」
「なんだよ?手に乗っけてないんだろ?」
サト先生……とんだ甘ちゃんだな……
中島が中島である真髄は、そこじゃないんだよ。
「預かって3日目に急に動かなくなったんですよ……」
「え~……死んじゃった?」
「4日の朝に、全足こっちに向けて横たわってたんですよ……真っ直ぐに伸びたまま……」
「そこで死んだのか?」
「いえ、その日の夜……全足上に向けた仰向けの姿勢で……」
「仰向けって、ご丁寧に……死んだのか?」
「振り返るたびにアクロバティックな体勢になり始めて……」
「えっ?何っ?流れがわかんないんだけどっ?!」
「翌日見ると中島、2匹に分裂してました」
「「はぁっ?!」」
あっ、マスターも聞いてたんだったわ。
「えっ?青虫は分裂しないだろうっ?!」
「そうだぞ、たけっ!肝心な所がおかしいぞっ?!」
「確かに。青虫は分裂なんかしないですよ。ちゃんと卵から生まれるからねぇ」
「なんで分裂なんてしたんだよ……まさかチギレて……(ゾォ~)」
「いや、脱皮してたんです」
「はぁ?! 青虫脱皮するの?!」
「知らんかったわ……」
「自分も衝撃でしたよ。まさか脱皮なんて、ご丁寧に脱け殻が横にあるんですもん、ねぇ?」
「確かに。パッと見2匹いたら焦るな……」
「いきなり2匹になってたらビビるわ……」
「ちなみに中島、顔が2個ついてた状態でしたよ?」
「どんな状況……って脱け殻のカケラか」
「そうそう。何の知識も無しに預かって脱皮とか。凄く大変でしたねぇ」
「いや……お疲れ……」
本当に疲れたよ。
心配事テンコモリで。
ビールを1口。
「んで、脱皮前の異常行動が怖かったんで、妹に電話してたんですがね。行方不明になってたんですよねぇ……」
「はぁっ?!」
「何サラッとっ……そっちのが事件だろっ?!」
「まぁ、充電器忘れてた事がわかったんですがね?まぁ~慌てた慌てた」
「ビビらせんなよ……」
「いや、すいません。その後も怪奇現象とか押込み強盗未遂とかあって、大変だったもんで」
「聞き逃せないキーワードが多過ぎるぞっ?!」
「まぁまぁ、そんな感じでしたねぇ」
お通し行っとくか。
「ちょったけっ?! 何、話し終えた風なのっ?!気になるワードあるよねっ?!あるよねっ?!」
ビールを1口。
大事な事だから2回言ったよ?みたいな?
ビールをもう1口。
「くつろいでるっ?!」
「たけ、俺も気になるんだが?」
「え~?仕方ないなぁ~」
キツツキ襲撃事件と多分野ねずみ侵入作戦を語ったよ。
「ビックリしたわ……」
「たけ家、自然が豊かだな……」
「ですよねぇ……その辺りに本格的に妹と連絡取れなくて消息不明になりましたし……」
「もう騙されないぞっ?!」
「だな」
ビールをグッと飲み干す。
「妹が最期に寄越したメールが『山越えしてるから、いつ帰れるかわかんない☆』でした……あっマスター、おかわり」
「はぁっ?! えっ、はぁっ?!」
「ちょっと妹、ぶっ飛んでるぞ?ホイ、おかわり」
「自分もぶっ飛んでましたよ。心配と不安で職場に休み交渉する位……大変でした……」
あっ……何か涙でそう……
ビール飲も。
「んで、妹ちゃん結局どうだったの?」
「あっ、結局、ヒッチハイクしたバイクで愉快なおじさん方と野営しながら東京について、飛行機で帰って来ましたよ」
「1番凄い所がサラッと語られたぞっ?!ちょっマスター?!」
マスターが固まってた。
お通し美味しい。
今日は肉じゃがかぁ……
ウマウマ。
ビール、ビール……
はぁ~……幸せぇ~
「ちょっ、たけっ?! 何くつろいでんのっ?!」
「いや~思い出したら大変な気苦労したなぁ~って。自分、お疲れ~って」
固まってたマスターが動き出した……って目頭抑えてるよ。
「たけ……今日のツマミ、2回無料な……」
「……ありがとうマスター」
「おいおい……たけのビール2本分、俺につけといてよ……はぁ~。お疲れさん」
「ありがとう、サト先生……」
なんか、おひねり貰った気分だな~……
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