中島と暮らした10日間

だんご

文字の大きさ
47 / 53

47 朝市

しおりを挟む
 朝。
 ゴソゴソと言う音で目覚めた。
 咲ちゃんがコッソリ活動中だ。
 朝風呂の準備だよなぁ……と思ってたら、お茶請けとお茶を堪能していた。
 朝から元気な胃袋をお持ちのようだ。

 「咲ちゃん、おはよう」

 「おはようぅ。たけさんもお茶淹れようか?」

 「ん。大丈夫」

 「冷たいの出そうか?」

 「お願いします」

 「ホイ、お茶」

 「ありがとう」

 冷蔵庫から取って貰ったよ。
 冷え冷えで目が覚める。

 「朝市に行く?それとも風呂にする?」

 「外出た後にお風呂を希望します」

 「だよねぇ~……」

 いくらアツアツ状態が続く湯でも、冬の外気に勝ち続ける事は難しいよね。
 昨日購入した帽子達もしっかり装備して出発だ。

 「うわっ……結構積もってるなっ」

 除雪されていない部分は20cm程の雪があった。
 地味に歩き辛い。

 「お風呂で聞いたんだけどね?今年、結構雪が多いらしいよ?」

 「あっ……そうなんだ」

 確かに。
 こっちの方、あんまり『雪が積もって大変』って聞かないもんね。
 山が密集している辺りが豪雪地帯だし。
 ……あっ、豪雪で思い出した。
 豪○うどん食べたい。
 あれって、蝦夷富士の麓で食べれたよね?
 美味しいんだよな……
 白く透き通った麺が、まるで雪のようだと評判なんだよねぇ。
 小麦のうどんじゃ、あそこまでならんしなぁ。
 もっちりガッツリとして、腹持ちよかったよなぁ……

 飛んでた。
 別の食べ物の事を考えてしまった。
 ……てか、咲ちゃんは普通にコミュ力高いな。
 お風呂で情報拾ってくるって、凄くない?
 
 「なんかね、地元の人と旭川から来た人とね、しばらく盛り上がっちゃってねぇ」

 いや、凄いよね?
 盛り上がっちゃったの?

 「旭川の老舗洋食店、教えて貰ったんだぁ。トンカツが美味しいって」

 「情報収集力が凄いね……」

 「今度は旭川方面も行こう?」

 「だね。色々情報仕入れとかないとね」

 「ね」

 ……最近ちょっと新しくなった動物園の話が出てないけども?
 えっ?
 あれ?
 興味ない感じなのかな?
 食べれないから?

 「たけさん!市場見えて来たよ!」

 「えっ?あっ?うん?」

 「何食べようかぁ~……」

 食べれるか食べれないかで、動物園が切り離されてそうな気がする。
 いや、多分行くと思うけども。
 あとさ、もう少しオホーツク海方面に向かえば、マイナス42℃が体験できる美術館があるから……夏に行きたい所だね。
 その場所場所でご当地ソフトかアイスもあるらしいし。
 このまま、心のメモ帳に記しておくか。

 「さてさて……朝市に来たはいいものの……」

 「朝市の魅力は丼物なんだよねぇ……」

 そうなのよ。
 丼がメインターゲットなのよ。

 「……明日の朝バイキングでイクラ盛り放題予定しているからね……」

 そうなのよ。
 イクラ丼の魅力が半減しちゃうのよ。

 「かと言って、活イカはちょっと……」

 そうなのよ。
 活イカはちょっと怖いのよ。
 ……2人共に動くヤツは食べれないビビりさんなのよ。
 活イカが丼になったヤツ、怖くて食べれないのよ。

 「イカソーメンも食べちゃったし……」

 「ここのイカ刺しも食べて行かない?」

 「そっか。食べ比べってヤツね?」

 「そうそう。食べ比べ。イクラだけ取っとく感じでさ?」

 「そうしようか」

 かと言ってイカ釣りは……
 さっき釣りしてた人の横で見学したんだけどね?
 フレンドリーファイアっていうの?
 なんか、イカから水鉄砲食らったんだよね?
 釣ってた人と自分に、水鉄砲……フレンドリーウォーター……
 イカの本気にドキリとしたわ。
 ……墨じゃなくて良かったけども。
 
 なんで食べるのは、動かないイカを希望します。
 怖いし。
 活け造り怖い。
 怖いけど美味しい所は食べたい……
 これは困難な問題に直面しているってヤツだよ。

 「あっ、ここ普通のイカソーメン食べれるみたい」

 「ホントだねぇ。この海鮮丼とイカソーメンにしようか?」

 「賛成!」



 朝市でお腹を満たし、温泉に入って、昼は焼き鳥弁当。
 普通のお店で売っててビックリだ。
 そういや、地元のお店でも同じ感じで出してたね。
 親戚のお見舞いに行った所の向かいの店でやってた。

 普通の商店に焼き鳥焼くヤツがあるんだよね。
 アツアツご飯に焼き鳥。
 美味しい。
 咲ちゃんはタレ。
 自分は塩。

 タレはご飯が進む事、間違い無しだ。
 塩はどうか。
 興味津々で頼んでみた。

 結果は問題なく旨い。
 焼き鳥でご飯を食べるのは変わらないんだけども。
 この塩。
 塩の食感を感じながら食べるご飯もたまらない。
 焼き鳥の香りがついたご飯に、塩がアクセントになって、これが美味しい。
 これってご飯が美味しいって事なんだろうか?
 ただ塩コショウだけで旨いと感じるのは、思い入れが強すぎたから?
 旅先だから何でも旨く感じるのだろうか?
 不思議だ。
 不思議に旨い。

 「夜は昨日の所だねぇ~」

 今昼を食べてるのに、夕食の話。
 咲ちゃんの胃は宇宙らしい。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

あべこべな世界

廣瀬純七
ファンタジー
男女の立場が入れ替わったあべこべな世界で想像を越える不思議な日常を体験した健太の話

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

処理中です...