38 / 65
38 確認大事
しおりを挟む
薬草採取を始めて5日目の朝。
思い返せば色々なイベントが盛り沢山だ。
スライムに驚き、キナコに出会って。
抱っこ紐作りにビルの茹でダコを挟んでの『死の揺り籠』でボーナスステージ……
濃いな。
濃厚な5日間だ。
けどな。
その内キナコと過ごせたのは、3日だ。
まだ、たったの3日しか過ごせてないのだ。
今日を終えてようやく4日になるんだ。
あぁ……キナコ。
キナコとの素晴らしき生活……
こんな脳内になっているのにも理由がある。
広場で昼食を買おうとしてたら、
「よう!ソブル!帰ったぞ!」
ちょっとした疲れを見せながらも、爽やかに片手を上げるリックがいた。
タバサも無事の様で何よりだ。
だが、リックが帰ったならば、キナコとのウハウハ2人暮らしが終了という事。
もしかしたら、猫が難しいって理由で家も出なければならない。
色々、終了のお知らせなのだ。
「無事でなによりだ……」
「何故に残念そうか、聞きたい所だ」
タバサが頷きながら話し出す。
「綺麗な家も今日までだったってことだろ?」
「半分な……」
「……半分以上を占めているようだが」
「これ以上の発言は控えさせていただこう」
タバサに嘘は通じないからな。
その他の事で残念なのを見抜かれちゃ困るんだ。
「リック達が来たなら、今日は戻るか……確認したい事があるし、な」
「うん?何だ?」
「いや……そのな?家主に断らず、だな……」
「おいおい。何だ?まさか、女でも家に上げたのかよ?」
まぁ、確かに女子です。
女の子。
「いや……まぁ……」
「なっ、なんだとっ?! 見損なったぞソブル!! 」
タバサがキレた。
嫁入り前に、そんなんあったらキレるよな。
タバサに嘘は通じない。
が。
真実を誤魔化しながら話すのも難しい。
「まっ、待ってくれっ!違うんだ!人間じゃなくてだなっ……猫を拾っちまってな?可愛くて、な」
抱っこ紐から、前世猫のキナコをソッと出す。
「なっ?! えっ?! 女って?! 」
「女の子、なんだ……」
「はぁ~……紛らわしい……」
タバサの怒りが霧散して、呆れた顔で見て来た。
「もう離したくないんだ。もし、リック達が苦手で暮らすのが無理ってんなら、すぐ出て行こうって思ってたんだよ……」
リックとタバサが顔を見合わせ、呆れた顔になったかと思ったら、急に吹き出して笑い始めた。
「ったく、深刻な顔して、猫ってよぉ?」
「まったくだ!もっと酷い事を想像してたぞ?」
「だよなぁ……ぶふっ、猫って……」
「ぶふっ……いや、悪いね。何か、コッソリ飼ってたのがバレた子供みたいだな」
「ぶはっ!それだっ!俺もそう思った所だっ!」
散々笑われる俺。
子供の様なオッサンです。
「そんなに笑うなよ……俺は真剣だったんだぞ?」
「「ぶはっ?! 」」
駄目だ。
完全に笑いのツボを押してしまった。
リックなんか膝をついて笑い続けてるぞ?
俺、今回かなり真剣だったんだが?
くそっ。
もう、存分に笑え!ったく……
治まってきたか?
「……飼っても、かまわないか?」
「ぶふっ……ああ……かまわな、かまわ、ぶはっ!」
「ひっ……酷いぞっ……ソブル!治まり、かけて、たのにぃ!」
リックとタバサがそれぞれ答えて、それぞれ撃沈していった。
俺、確認取っただけだぞ?
何もしてないぞ?
今回は真剣に、ふざけず確認したんだぞ?
まさか、普段の行いが悪かったからか?
『※その認識でOKです』
……悪かったかぁ。
思い返せば色々なイベントが盛り沢山だ。
スライムに驚き、キナコに出会って。
抱っこ紐作りにビルの茹でダコを挟んでの『死の揺り籠』でボーナスステージ……
濃いな。
濃厚な5日間だ。
けどな。
その内キナコと過ごせたのは、3日だ。
まだ、たったの3日しか過ごせてないのだ。
今日を終えてようやく4日になるんだ。
あぁ……キナコ。
キナコとの素晴らしき生活……
こんな脳内になっているのにも理由がある。
広場で昼食を買おうとしてたら、
「よう!ソブル!帰ったぞ!」
ちょっとした疲れを見せながらも、爽やかに片手を上げるリックがいた。
タバサも無事の様で何よりだ。
だが、リックが帰ったならば、キナコとのウハウハ2人暮らしが終了という事。
もしかしたら、猫が難しいって理由で家も出なければならない。
色々、終了のお知らせなのだ。
「無事でなによりだ……」
「何故に残念そうか、聞きたい所だ」
タバサが頷きながら話し出す。
「綺麗な家も今日までだったってことだろ?」
「半分な……」
「……半分以上を占めているようだが」
「これ以上の発言は控えさせていただこう」
タバサに嘘は通じないからな。
その他の事で残念なのを見抜かれちゃ困るんだ。
「リック達が来たなら、今日は戻るか……確認したい事があるし、な」
「うん?何だ?」
「いや……そのな?家主に断らず、だな……」
「おいおい。何だ?まさか、女でも家に上げたのかよ?」
まぁ、確かに女子です。
女の子。
「いや……まぁ……」
「なっ、なんだとっ?! 見損なったぞソブル!! 」
タバサがキレた。
嫁入り前に、そんなんあったらキレるよな。
タバサに嘘は通じない。
が。
真実を誤魔化しながら話すのも難しい。
「まっ、待ってくれっ!違うんだ!人間じゃなくてだなっ……猫を拾っちまってな?可愛くて、な」
抱っこ紐から、前世猫のキナコをソッと出す。
「なっ?! えっ?! 女って?! 」
「女の子、なんだ……」
「はぁ~……紛らわしい……」
タバサの怒りが霧散して、呆れた顔で見て来た。
「もう離したくないんだ。もし、リック達が苦手で暮らすのが無理ってんなら、すぐ出て行こうって思ってたんだよ……」
リックとタバサが顔を見合わせ、呆れた顔になったかと思ったら、急に吹き出して笑い始めた。
「ったく、深刻な顔して、猫ってよぉ?」
「まったくだ!もっと酷い事を想像してたぞ?」
「だよなぁ……ぶふっ、猫って……」
「ぶふっ……いや、悪いね。何か、コッソリ飼ってたのがバレた子供みたいだな」
「ぶはっ!それだっ!俺もそう思った所だっ!」
散々笑われる俺。
子供の様なオッサンです。
「そんなに笑うなよ……俺は真剣だったんだぞ?」
「「ぶはっ?! 」」
駄目だ。
完全に笑いのツボを押してしまった。
リックなんか膝をついて笑い続けてるぞ?
俺、今回かなり真剣だったんだが?
くそっ。
もう、存分に笑え!ったく……
治まってきたか?
「……飼っても、かまわないか?」
「ぶふっ……ああ……かまわな、かまわ、ぶはっ!」
「ひっ……酷いぞっ……ソブル!治まり、かけて、たのにぃ!」
リックとタバサがそれぞれ答えて、それぞれ撃沈していった。
俺、確認取っただけだぞ?
何もしてないぞ?
今回は真剣に、ふざけず確認したんだぞ?
まさか、普段の行いが悪かったからか?
『※その認識でOKです』
……悪かったかぁ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる
家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。
召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。
多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。
しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。
何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。
チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活
仙道
ファンタジー
ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。
彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる