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48 テロン…
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「おう。3人共、お疲れ!」
「おう。ビル帰ったぞ。いやぁ、月追い草が大量すぎたぞ?」
「そりゃ、ご苦労だったな」
「赤いヤツがあるやらなんやらでよ?詳しくは、リックから聞いてくれ」
「……変異種か。お疲れさんだったな」
「おう。最後まで疲れたぜ……」
「ん?まあ、とりあえず査定していくからな……」
本当に最後まで疲れたんだよ。
坊っちゃんが親父さんにガツンとやられて、ボコボコにされようかと言う時にだ。
キナコが『にゃー‼』しちゃったんだよ。
『にゃーっ‼』
って。
坊っちゃんの顔に張り付いたんだよ。
多分、もうやめてぇっ‼って事だと思うんだ。
俺もタバサも慌てて、キナコを守ろうとしたし。
親父さんも、ちょっと焦ってたしな。
キナコは無傷だから良かったものの、肝が冷えたよ……
キナコは案外子供に優しいからな……
前世も甥っ子が怒られている時にはフォローに入ってたっけ。
甥っ子の母親が般若の形相で叱りつけようとした時。
『にゃーっ‼』
と、甥っ子の前に尻尾ピンピンで立ち塞がる姿が可愛いのなんの。
一瞬にして般若が取れたのを目撃したんだよ。
母親……俺の妹だな。
危うく必要以上に怒る所だったって反省してた。
『叱る』と『怒る』じゃあ、だいぶ違うからな。
ナマイキ盛りの甥っ子に怒る気持ちも見てたら良くわかるんだ。
特に母親が優しく言っても聞けなくてな。
何回も何回も続けば『コイツっ!』ってなるよな?
しかも自分の子となると、我慢ができんだろう?
他所様の子には遠慮が出るが、我が子。
同じ様な事を毎回、毎回毎回注意し続ければプチンッともなるだろうさ。
我が子が可愛いからこそ、怒りもデカい。
多分、キナコはそれを察していたんだろうな。
……全てが終わった後で、甥っ子から猫オヤツを受け取っていた事は偶然だと思いたいが。
まあ、妹もキナコに感謝してたからな。
キナコは、賢く、優しい猫なんだよ。
おかげで坊っちゃんは無事だったが、親父さんが直接稽古をつけると言う。
親父さん、怒っているようで喜んでたな。
坊っちゃんも、神妙にしてはいたが嬉しそうだった。
良かったんだろうな。
捜索に駆り出された方々には、ちゃんと謝罪しとけよ?
「んじゃ帰るかな?」
「おいおい。まだ査定してないぞ?支払いもまだだろうに……」
「いや、疲れたんだよ……ホント。リック達の飯作らにゃならんしな?どうせリック達と報酬の分け合いになるだろうからな。任せて行くよ」
「おいおいおい。そんな事言ってたら、普通は貰えねぇで終わるんだぞ?」
「普通はな?だってリック達だし。なら任せて他の事に時間を使うわ。信頼してるからな」
「面倒な事をモロモロ押し付けていく気もあり。と」
「その理由も追加で。まぁ、食費も預かってるからな。仕事みたいなもんだよ」
「まあ、お前がいいならな。多分大丈夫だろうし」
「おう。じゃあな、ビル」
「おう」
モロモロ。
ギルドへの報告も、ビルへの説明も、査定待ちも、金額の山分けも。
信頼している仲間に任せて、俺は家に帰る。
今日は、買い物もせず、広場にも寄らず……
ただ、まっすぐに帰る。
食費は預かってるが、使いきっていない食材もあるからな。
1度きれいに使いきってから次に買い物した方が、忘れ去った冷蔵庫の奥底品みたいな物が発生しなくて済むだろうな。
俺の家では基本使い切り週間を作っていたから有り得なかったが、実家では化石化したような食材を掘り起こした記憶があるからな……
疲れていると、いつでも起こる現象の1つだ。
【アイテムボックス】がそんな風になったら悲しいだろ?
忘れない内に、定期的にを習慣にしとくんだ。
キナコを懐に感じながら、テロンテロンと歩く。
此処一番を発揮したキナコもグッスリだ。
俺の此処一番は、モロモロの素早い回収力か?
モロモロ(坊っちゃん含む)の方は偶然だな。
ラッキーの値が高いんだろうかな。
いや、仮神の加護とやらで、ほんのり冗談みたいな回避力が付いていそうな気もしないではないが。
……ありそうで怖いな。
面白いからとかなんとか……
そうやって俺のアタフタ加減を嗤うんだろ?
ホント想像つくけど勘弁して欲しいわ……
テロンテロン……
……なんか、無償にチャーハンが食いたい。
パンじゃなく、腹にガツンって溜まる物。
ラーメンでもいいな。
ガツンとした……ラーメンでもいいんだが……
無理だしな……
テロンテロン……
チャーハン。
よし、チャーハン。
そばの実チャーハンにするのがいいな。
レタスも入れるか。
テロンテロン……
カボチャとサモンのシチューも旨そうだな?
いいじゃねぇか?
普通の御家庭では贅沢だぞ?
よし。
よ~し。
決定だ!
テロンテロン……
けども、今はゆっくり帰るさ。
疲れたからなぁ……
テロンテロンしながら帰るのも幸せよ。
キナコがいるからな……
テロンテロン……
「おう。ビル帰ったぞ。いやぁ、月追い草が大量すぎたぞ?」
「そりゃ、ご苦労だったな」
「赤いヤツがあるやらなんやらでよ?詳しくは、リックから聞いてくれ」
「……変異種か。お疲れさんだったな」
「おう。最後まで疲れたぜ……」
「ん?まあ、とりあえず査定していくからな……」
本当に最後まで疲れたんだよ。
坊っちゃんが親父さんにガツンとやられて、ボコボコにされようかと言う時にだ。
キナコが『にゃー‼』しちゃったんだよ。
『にゃーっ‼』
って。
坊っちゃんの顔に張り付いたんだよ。
多分、もうやめてぇっ‼って事だと思うんだ。
俺もタバサも慌てて、キナコを守ろうとしたし。
親父さんも、ちょっと焦ってたしな。
キナコは無傷だから良かったものの、肝が冷えたよ……
キナコは案外子供に優しいからな……
前世も甥っ子が怒られている時にはフォローに入ってたっけ。
甥っ子の母親が般若の形相で叱りつけようとした時。
『にゃーっ‼』
と、甥っ子の前に尻尾ピンピンで立ち塞がる姿が可愛いのなんの。
一瞬にして般若が取れたのを目撃したんだよ。
母親……俺の妹だな。
危うく必要以上に怒る所だったって反省してた。
『叱る』と『怒る』じゃあ、だいぶ違うからな。
ナマイキ盛りの甥っ子に怒る気持ちも見てたら良くわかるんだ。
特に母親が優しく言っても聞けなくてな。
何回も何回も続けば『コイツっ!』ってなるよな?
しかも自分の子となると、我慢ができんだろう?
他所様の子には遠慮が出るが、我が子。
同じ様な事を毎回、毎回毎回注意し続ければプチンッともなるだろうさ。
我が子が可愛いからこそ、怒りもデカい。
多分、キナコはそれを察していたんだろうな。
……全てが終わった後で、甥っ子から猫オヤツを受け取っていた事は偶然だと思いたいが。
まあ、妹もキナコに感謝してたからな。
キナコは、賢く、優しい猫なんだよ。
おかげで坊っちゃんは無事だったが、親父さんが直接稽古をつけると言う。
親父さん、怒っているようで喜んでたな。
坊っちゃんも、神妙にしてはいたが嬉しそうだった。
良かったんだろうな。
捜索に駆り出された方々には、ちゃんと謝罪しとけよ?
「んじゃ帰るかな?」
「おいおい。まだ査定してないぞ?支払いもまだだろうに……」
「いや、疲れたんだよ……ホント。リック達の飯作らにゃならんしな?どうせリック達と報酬の分け合いになるだろうからな。任せて行くよ」
「おいおいおい。そんな事言ってたら、普通は貰えねぇで終わるんだぞ?」
「普通はな?だってリック達だし。なら任せて他の事に時間を使うわ。信頼してるからな」
「面倒な事をモロモロ押し付けていく気もあり。と」
「その理由も追加で。まぁ、食費も預かってるからな。仕事みたいなもんだよ」
「まあ、お前がいいならな。多分大丈夫だろうし」
「おう。じゃあな、ビル」
「おう」
モロモロ。
ギルドへの報告も、ビルへの説明も、査定待ちも、金額の山分けも。
信頼している仲間に任せて、俺は家に帰る。
今日は、買い物もせず、広場にも寄らず……
ただ、まっすぐに帰る。
食費は預かってるが、使いきっていない食材もあるからな。
1度きれいに使いきってから次に買い物した方が、忘れ去った冷蔵庫の奥底品みたいな物が発生しなくて済むだろうな。
俺の家では基本使い切り週間を作っていたから有り得なかったが、実家では化石化したような食材を掘り起こした記憶があるからな……
疲れていると、いつでも起こる現象の1つだ。
【アイテムボックス】がそんな風になったら悲しいだろ?
忘れない内に、定期的にを習慣にしとくんだ。
キナコを懐に感じながら、テロンテロンと歩く。
此処一番を発揮したキナコもグッスリだ。
俺の此処一番は、モロモロの素早い回収力か?
モロモロ(坊っちゃん含む)の方は偶然だな。
ラッキーの値が高いんだろうかな。
いや、仮神の加護とやらで、ほんのり冗談みたいな回避力が付いていそうな気もしないではないが。
……ありそうで怖いな。
面白いからとかなんとか……
そうやって俺のアタフタ加減を嗤うんだろ?
ホント想像つくけど勘弁して欲しいわ……
テロンテロン……
……なんか、無償にチャーハンが食いたい。
パンじゃなく、腹にガツンって溜まる物。
ラーメンでもいいな。
ガツンとした……ラーメンでもいいんだが……
無理だしな……
テロンテロン……
チャーハン。
よし、チャーハン。
そばの実チャーハンにするのがいいな。
レタスも入れるか。
テロンテロン……
カボチャとサモンのシチューも旨そうだな?
いいじゃねぇか?
普通の御家庭では贅沢だぞ?
よし。
よ~し。
決定だ!
テロンテロン……
けども、今はゆっくり帰るさ。
疲れたからなぁ……
テロンテロンしながら帰るのも幸せよ。
キナコがいるからな……
テロンテロン……
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