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最高天使 降臨
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同胞の中でも一番親しかった友。学問を通して地上へ祝福をもたらす天使。必要もないのに、なぜかガラスのレンズを好んでかけ、そして今もかけている。どこか愛嬌のある顔。変わりがない。懐かしい。
「追い払った方がよろしいでしょうか?」
ネミルバが左腕に装着している十字弓型の武具をカシュンッと立てて、身構えた。右手を背中に回して矢を取ろうとする。大烏たちが、ヒッ!! と震え上がった。
「よいのだ」
わずかに背後を気にする様子を見せた存在が右手を挙げて、動きを制す。その変わらない甘い美声。その変わらない美しい所作。ラシュレスタが、あぁ・・・と瞳を潤ませた。
「ですが・・・あれは明らかに魔族の・・・」
「ネミルバ・・・それから残りの者、全員。先に行って、かの地の浄化を。彷徨える死者の魂の救済はもとより不浄が残らないよう、くれぐれも念入りに・・・いいな?」
「あ・・・はい・・・ですが・・・シャルスティーヤさまは・・・その・・・?」
どこか有無を言わせぬ力強い指示。やや戸惑った顔をしながら、ネミルバが尋ねた。
「すぐに追いつく。先に行っててくれ」
「はっ」
この場所に独り残られることに疑問と不安があっても、そもそも異議を言える存在などではない。一同が厳かに頭を下げた後、一体また一体と、翼を広げては飛び立っていく。
日のまだ昇る青空の中。それら天使たちの光が消えて一切がなくなるまで、顔を上げて見送っていた者が一度、視線を落とした。
そして、頭を上げる。静かに振り返った。
黄金の豪奢な髪をキラキラとなびかせて、穏やかな空色の瞳にこの上ない優しさを浮かべて。
その見る者を圧倒させる美しさよ。地上のいかなる芸術家たちがなんとか再現したいと夢みて、切望する美そのものがそこに立っている。
全ての肉体のパーツが黄金比率で象られ、申し分なく配置されているその姿。目、鼻、唇、眉、顔つき、体躯・・・どれをとっても比類なき美しさ。
主張しすぎず、控えめすぎず。絶妙なバランスで隆起している筋肉が、力強さだけでなく優美さをも同時に感じさせるのは、ひとえにその性を超越した美貌ゆえだろう。
いや、もはや形が・・・といった次元ではないのだ。
知性と感性と品性と、その霊力と神性さと力強さと優雅さと。頂点に立つ者だけに許された風格と。存在そのものが尊く麗しい、金色の光を放っている美の化身。
癒やしと共鳴の、最高天使シャルスティーヤ。その最愛にして、唯一無二の存在をラシュレスタが涙を流しながら見つめ続ける。
季節と時刻で様相を変える空のように、同じ青さでも色味をその都度、変化させる瞳。今は澄んだ夏空のようにきれいな水色をしている。大好きだったその瞳。その瞳が今そこにある。
(あぁ・・・・・・)
眉根を寄せた途端、鏡面の中でたたずむ美貌もまた、黄金の眉を少しひそめるようにして、ふっと笑った。
「追い払った方がよろしいでしょうか?」
ネミルバが左腕に装着している十字弓型の武具をカシュンッと立てて、身構えた。右手を背中に回して矢を取ろうとする。大烏たちが、ヒッ!! と震え上がった。
「よいのだ」
わずかに背後を気にする様子を見せた存在が右手を挙げて、動きを制す。その変わらない甘い美声。その変わらない美しい所作。ラシュレスタが、あぁ・・・と瞳を潤ませた。
「ですが・・・あれは明らかに魔族の・・・」
「ネミルバ・・・それから残りの者、全員。先に行って、かの地の浄化を。彷徨える死者の魂の救済はもとより不浄が残らないよう、くれぐれも念入りに・・・いいな?」
「あ・・・はい・・・ですが・・・シャルスティーヤさまは・・・その・・・?」
どこか有無を言わせぬ力強い指示。やや戸惑った顔をしながら、ネミルバが尋ねた。
「すぐに追いつく。先に行っててくれ」
「はっ」
この場所に独り残られることに疑問と不安があっても、そもそも異議を言える存在などではない。一同が厳かに頭を下げた後、一体また一体と、翼を広げては飛び立っていく。
日のまだ昇る青空の中。それら天使たちの光が消えて一切がなくなるまで、顔を上げて見送っていた者が一度、視線を落とした。
そして、頭を上げる。静かに振り返った。
黄金の豪奢な髪をキラキラとなびかせて、穏やかな空色の瞳にこの上ない優しさを浮かべて。
その見る者を圧倒させる美しさよ。地上のいかなる芸術家たちがなんとか再現したいと夢みて、切望する美そのものがそこに立っている。
全ての肉体のパーツが黄金比率で象られ、申し分なく配置されているその姿。目、鼻、唇、眉、顔つき、体躯・・・どれをとっても比類なき美しさ。
主張しすぎず、控えめすぎず。絶妙なバランスで隆起している筋肉が、力強さだけでなく優美さをも同時に感じさせるのは、ひとえにその性を超越した美貌ゆえだろう。
いや、もはや形が・・・といった次元ではないのだ。
知性と感性と品性と、その霊力と神性さと力強さと優雅さと。頂点に立つ者だけに許された風格と。存在そのものが尊く麗しい、金色の光を放っている美の化身。
癒やしと共鳴の、最高天使シャルスティーヤ。その最愛にして、唯一無二の存在をラシュレスタが涙を流しながら見つめ続ける。
季節と時刻で様相を変える空のように、同じ青さでも色味をその都度、変化させる瞳。今は澄んだ夏空のようにきれいな水色をしている。大好きだったその瞳。その瞳が今そこにある。
(あぁ・・・・・・)
眉根を寄せた途端、鏡面の中でたたずむ美貌もまた、黄金の眉を少しひそめるようにして、ふっと笑った。
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