上 下
56 / 157
淫欲に堕ちた妖精王子

12

しおりを挟む
 「その美貌とその身体と。価値を本当に理解して下さってるのか・・・よくよく示してもらってからでないと・・・あぁ、この際だ。事前に約束をしてもらってもいいくらいなのでは?」

 契約とはあえて使わない。だが、程度が低くても魔族なのだ。察するだろう。

 「約束を・・・ですか?」

 リリートゥがパチパチ、パチパチと長い睫毛を瞬かせた。

 「そう・・・これ以上は無理だとなった場合は、すぐにやめることを条件にするとか・・・壊されてしまっては元も子もないですからね・・・他にも、抱かせるごとに・・・例えば、褒美になにか城でも宝石でも下さいとか・・・そうだ、魔王妃・・・もいいのでは?」

 「えっ? ま、魔王妃ですか? だって、それはラシュレスタさまが・・・」

 王の求めに応じる代わりにその地位を手に入れたと、流布されている癪な噂なんてこの際、どうでもいい。にこやかにラシュレスタが告げた。

 「あぁ・・・あれは王の魔獄谷でのご静養に伴う、不在中の有事に対応するためだけのただの肩書きです。今はもうまったく関係ありません」

 「そ、そうだったのですか・・・わたくし、てっきり・・・」 

 それ以上、余計な雑音は耳にしたくない。ラシュレスタがリリートゥの唇に手を置いた。

 「リリートゥ、魔王妃はあなたの方こそ相応しいですよ」

 「やっ・・・そんな・・・わたくしなんて・・・ラシュレスタさまったら・・・」

 魔界における権力の座。そういうのが好きだろう? だから、お前が取って代われ―――想いをこめるようにして、そして愛撫を装って、爪先でその首筋を掻いた。

 「リリートゥ・・・あなたが心配でつい・・・お節介な助言をしてしまいました」

 「そ、そんな・・・わたくしをそんなにも思って下さって・・・ラシュレスタさま・・・お優しい方・・・うふふ・・・」

 瞬時に心の内で算段をつけたのだろう。計算高い色合いをその瞳に一瞬だけ垣間見せた相手が、止まっていた行為を再開させた。

 「ね、たくさんたくさん・・・今日も・・・注いで・・・その綺麗で美しい魔霊気に満ちた精を・・・欲しいの」

 リリートゥが媚びた後、躊躇なく跨いだ。紐状の下着を着けたまま。双丘の間で挟みこむようにして何度も何度も擦り付ける。硬度をしっかりと増させた上での、挿入に向けて。

 「ラシュレスタさまだけの精・・・ビリビリして・・・本当に・・・」

 瞳が爛々とした赤い情欲の焔を宿す。紐を自身でずらして、腰を浮かせた。硬くなった先端を淫らにヒクつく孔にあてる。

 「天界の属性・・・」

 赤い舌が上唇をペロリと舐めた。

 「最高ぉ・・・」

 ズプッ・・・と勢いよく沈みこませた。

 「ぁあぁんっ!!」

 のけぞりながら、ズズズーーッと最奥まで侵させる。収めきると同時に、膝を使って全身ごと上下に激しく弾ませ始めた。

 「はぁんっ!! あぁんっ!! はぁんっ!!」

 ギリギリまで出しては下ろし、擦り合わせてはまた引き上げる――まとわりつき、絡みつき、絞り取ろうとするその具合の良さ。ラシュレスタもまた、フッ、フッ、フッと息を弾ませる。

 「はぁんっ!! はぁんっ!! もっと!! もっと、してぇぇーーっ!!」

 自らの芯を扱きながら、リリートゥが半狂乱になって腰を振る。その細腰を両手で掴んだ。

 そうだ、リリートゥ・・・この身体で王を夢中にさせろ。人間界に行った者のことなんて、気にならないほどに。こうして、注いでやるのだから―――

 リリトーゥが嬌声を上げながら、びゅっ、びゅっと出す。その中に、ラシュレスタも叩きつけるようにして精を放った。

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

言いたいことは、それだけかしら?

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:25,657pt お気に入り:381

仲良しな天然双子は、王族に転生しても仲良しで最強です♪

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:887pt お気に入り:305

婚約破棄されたけど前世が伝説の魔法使いだったので楽勝です

sai
ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:2,430pt お気に入り:4,186

どういえろ

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:355pt お気に入り:3

立花家へようこそ!

ライト文芸 / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:137

【BL】死んだ俺と、吸血鬼の嫌い!

BL / 完結 24h.ポイント:35pt お気に入り:237

能力1のテイマー、加護を三つも授かっていました。

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:10,857pt お気に入り:2,217

処理中です...