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間話 とある魔族の話 5

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そして、コロシアムで試合が終わった後俺たちはコロシアムの近くのバーに行く。
「しっかし、やばかったな!あのベル様の第二形態みたいな姿、元帥めっちゃ焦ってたぜ?」
とゾレが興奮気味で言う。
「ああ、あれは反則級でしょ。四天王三人と元帥相手に余力を残して勝つとか…歴代魔王最強じゃね?」
と俺も言う。
バーに来てる他の者達もベル様の話で持ちきりだ。
「しかも、最後の技⁈サテライトだっけ?あれはやばい…」
「いくら守られているとはいえ、やばかったな…逃げ出す人何人かいたレベルだぜ?」
「俺叫んだの聞こえた?レイ、逃げろ‼︎って言ったの」
「全く。全ての音がベル様のサテライトに吸い込まれてたからかな?」
「俺、少し漏れそうになった…」
「おい」
するとバーの扉のベルが鳴る。
俺は気にもしないが、ゾレは口を大きく開けて驚いている。
「おい…レイ…扉の方見てみろ…」
「ん?…え…ええええええ⁈ベル様⁈」
そこには、ベル様、四天王の方々、マルク元帥がいたのだ。
なんで?こんな庶民的なバーに?
「ええあえつうええっと、べべ、ベル様、ほ、本日はどのような案件で?」
マスター、バグってるんだけど?大丈夫か?汗の量も半端じゃない…
「ああ、折角だし皆と親交を深める為に少し飲みに来た。」
すると魔王様がこちらに近づいてきて、俺の目の前に立つ。
鳥肌が全身に立ち、背中の鱗もガタガタと震えている。なるほど、漏れそう…
助けを求めようと、ゾレの方を見ると、気絶していた。おい…
「ああ、すまんな。極魔の力がまだ鎮まってないんだ。もうじき治ると思うので、我慢して欲しい。ええっと確か名前は…レイだっけな…」
「何故私如きの名前をお知りになっているのですか?」
声を振り絞って聞いてみる。
「ああ、所属は陸軍第二隊、レイ小隊隊長のレイだろ?もちろん、一国民として、共に国に尽くす者として覚えているに決まっているだろう?」
そこまで覚えているなんて…
「ああ、そうだ折角だしお前らと飲むとしよう。気絶しているゾレ君含めて三人でな。四天王らは自由にバーの人と親交を深め合ってくれ、23時までに玉座の間に来るようにな」
「「「「「はっ!」」」」」
ふぇぇ、俺死ぬんかな?
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