79 / 384
2 新人研修編
3-2
甲高い声を上げて、なぜか、高笑いまでし始めたエレバウトさん。
すぐさま、見張りの上司らしき人に口を塞がれ、隅に引きずられていった。
うん、上司らしき人、お疲れさま。
その後、今度は私の上司の人である、第一塔長が簡単に私を紹介してくれた。
「クロスフィア・クロエル・ドラグニール特級補佐官だ。現在、研修のため、塔長室に仮配属されている」
私は皆に向かって、ペコリと頭を下げる。
皆、揺れは止まったが、今度は固まったままだ。誰もピクリとも動かない。
「見て分かるように、クロエル補佐官は赤種だ」
皆、弾かれたように動き出す。ざわつき出す。
まぁ、赤種ってそうそう目にしないからね。どうだ、珍しいだろう。
「このことは絶対に他言しないこと。いいな」
上司の人がピシャリと言うと、皆、シーンと静まり返った。
「赤種の一番目である師匠以外で、我が国を見守る大事な存在だ。皆、心するように」
静まり返る中、フィールズ補佐官が口を開く。
「名前からも分かるように、クロエル補佐官はドラグニール第六師団長の伴侶です。
塔長室では区別のため、ドラグニール補佐官ではなく、クロエル補佐官と呼んでいます」
続いて、ナルフェブル補佐官が補足する。
「絶対に名前呼びするな。とくに男は近寄るな。第六師団長、本気でヤバい。消されるぞ」
うん? この補足、必要?
ナルフェブル補佐官を見たら、なぜか、大きく頷かれた。
意味が分からない。首を傾げる。
「あら、あなたのお相手って、第六師団長でしたのね!」
あれ? エレバウトさん、さっき、隅に引きずられていったはずでは?
いつの間にか最前列に来てるんだけど?
エレバウトさんの声は甲高い。
シーンと静まり返っている中では、余計に甲高く聞こえ、回りの人がギョッとした顔をしている。
「平凡なあなたには、ちょうどよろしいわね! 第六師団長と言えば、全師団で最も、ンゴンゴ」
いいところで、エレバウトさんの口が塞がれた。ラウが最も何?
「最も何?」
「すみません! 仕事が溜まっているので、鑑定室はこれで戻ります!」
口を塞いだのは、もちろん、エレバウトさんの上司らしき人。どうやら鑑定室の室長さんらしい。
「さぁ、皆、エレバウトを連れて帰るぞ!」
上司の人の返事も待たず、鑑定室の人たちはエレバウトさんを取り囲んで、大急ぎで帰っていった。
けっきょく、最も何なのかは答えてもらえなかった。
「エレバウトさん、ラウは私にちょうど良いって。誉めてくれたのかな」
「どうだろうな」
「ラウが聞いたら、喜びそうだな」
「そうだろうな。君も嬉しそうだな」
「嬉しそう?」
「ああ、いつもより表情が柔らかいし、ニコニコしてたぞ」
うん、言われた内容も嬉しいけど。
何より、そう言ってくれる人がいたってことが嬉しい、かな。
いろいろあったが、鑑定会議は無事に終了した。
そして、鑑定成功者に与えられるはずの塔長室勤務の権利は、なんと、私が手に入れた。
はずなのに!
この事実を知り、私以外の塔長室全員がこの世の終わりのような顔をしている。
喜んでくれないの?
「同じ職場で働ける喜びと、第六師団長が暴走する恐怖とを天秤にかけた場合、こうなるのは当然だと思います」
あー ラウは文句を言いそうだな。
「ひぃぃ。文句だけで済むものか。きっと次は第一塔が壊される。職場がなくなれば配属できないからな」
いや、そこまではしないと思うけど。
「いや、あいつならやりかねないな。第一塔が壊されたら困るから、クロエル補佐官は『権利なし』だ!」
えー
こうして私の権利は、周囲の大反対と上司の人の一声で跡形もなく消滅した。
おかしい。一番、頑張ったはずなのに。
さらにその後。
念のためと他の三枚のメダルも《鑑定眼》で視ることになった。
中まで視てみたが、こちらは何もない、ただのメダルだった。
フィールズ補佐官の推測通り、魔法陣を刻む前のもののようだ。
塔長室で私たちは考え込んでいた。
「いつ、誰が、何の目的でこんなものを作ったのか」
上司の人が問う。
「魔法陣が刻まれたのは、ここ数ヶ月以内ってところ。古いものじゃない」
私は答える。
「クロエル補佐官しか鑑定できなかったんだから、作ったのは、神級かそれに近い存在だな」
ナルフェブル補佐官が推測する。
おそらく、そうだろう。
「となると、該当するのは、赤種、魔種。あと、超級以上神級未満で、詠唱魔法技能持ち、魔導具製作技能持ち、でしょうか」
フィールズ補佐官が細かく考察を加える。
赤種には私やテラも含まれる。
「赤種が《混沌獣の召喚》なんてするの? だいたい何の目的で?」
「師匠と君はしないだろうが、他は分からない。
取り急ぎ、他にもメダルがないか捜索する必要があるな」
そうだ。メダルは四枚だけとは限らないし、完成品がないとも言えない。
「これまで四枚とも自然公園で見つかっています。
もうすぐ、氷雪祭が開かれますね。祭で人が集まるのを狙ってのものでしょうか」
氷雪祭! ラウに連れて行ってもらうんだから、無事に開催してもらわないと!
「それは可能性の一つだろう。まだ推測に過ぎないものが多すぎる」
「そうだな。これから本部との緊急会議、明日、朝一で、全師団長を集めて対策会議だ。
鑑定結果の報告と、今後について話し合ってくるから」
上司の人がそうまとめて、今日の業務は終了となった。
その日の夜は、ラウがいつも以上にくっついてきた。
どうやら、上司の人の言っていた緊急会議にラウも呼び出されていたらしい。
帰りの迎えはメモリアだったし、ラウは少し遅くにヨレヨレになって帰ってきた。
竜種は人の温もりで疲れが取れると、ラウから聞いた。
だから、ラウは、疲れているときほどくっついてくる。
まぁ、くっつくのは良いけど、力を入れ過ぎるとリアルに窒息するので、ほどほどにしてほしい。
「それで、メダル鑑定成功のご褒美は、お休みにしてもらおうと思って」
「フィア、休みたい日はあるのか?」
「ラウと氷雪祭に行きたいの。行ったことないから」
「フィアの初めてを俺と?!」
「ラウは忙しいよね」
「大丈夫だ、フィア。氷雪祭の日はちょうど休みだ」
氷雪祭で私が無茶なことをするとでも思っているんだろうか。
ラウが、嬉しそうな、でも悲しそうな、なんだか複雑な顔で私を見つめていた。
すぐさま、見張りの上司らしき人に口を塞がれ、隅に引きずられていった。
うん、上司らしき人、お疲れさま。
その後、今度は私の上司の人である、第一塔長が簡単に私を紹介してくれた。
「クロスフィア・クロエル・ドラグニール特級補佐官だ。現在、研修のため、塔長室に仮配属されている」
私は皆に向かって、ペコリと頭を下げる。
皆、揺れは止まったが、今度は固まったままだ。誰もピクリとも動かない。
「見て分かるように、クロエル補佐官は赤種だ」
皆、弾かれたように動き出す。ざわつき出す。
まぁ、赤種ってそうそう目にしないからね。どうだ、珍しいだろう。
「このことは絶対に他言しないこと。いいな」
上司の人がピシャリと言うと、皆、シーンと静まり返った。
「赤種の一番目である師匠以外で、我が国を見守る大事な存在だ。皆、心するように」
静まり返る中、フィールズ補佐官が口を開く。
「名前からも分かるように、クロエル補佐官はドラグニール第六師団長の伴侶です。
塔長室では区別のため、ドラグニール補佐官ではなく、クロエル補佐官と呼んでいます」
続いて、ナルフェブル補佐官が補足する。
「絶対に名前呼びするな。とくに男は近寄るな。第六師団長、本気でヤバい。消されるぞ」
うん? この補足、必要?
ナルフェブル補佐官を見たら、なぜか、大きく頷かれた。
意味が分からない。首を傾げる。
「あら、あなたのお相手って、第六師団長でしたのね!」
あれ? エレバウトさん、さっき、隅に引きずられていったはずでは?
いつの間にか最前列に来てるんだけど?
エレバウトさんの声は甲高い。
シーンと静まり返っている中では、余計に甲高く聞こえ、回りの人がギョッとした顔をしている。
「平凡なあなたには、ちょうどよろしいわね! 第六師団長と言えば、全師団で最も、ンゴンゴ」
いいところで、エレバウトさんの口が塞がれた。ラウが最も何?
「最も何?」
「すみません! 仕事が溜まっているので、鑑定室はこれで戻ります!」
口を塞いだのは、もちろん、エレバウトさんの上司らしき人。どうやら鑑定室の室長さんらしい。
「さぁ、皆、エレバウトを連れて帰るぞ!」
上司の人の返事も待たず、鑑定室の人たちはエレバウトさんを取り囲んで、大急ぎで帰っていった。
けっきょく、最も何なのかは答えてもらえなかった。
「エレバウトさん、ラウは私にちょうど良いって。誉めてくれたのかな」
「どうだろうな」
「ラウが聞いたら、喜びそうだな」
「そうだろうな。君も嬉しそうだな」
「嬉しそう?」
「ああ、いつもより表情が柔らかいし、ニコニコしてたぞ」
うん、言われた内容も嬉しいけど。
何より、そう言ってくれる人がいたってことが嬉しい、かな。
いろいろあったが、鑑定会議は無事に終了した。
そして、鑑定成功者に与えられるはずの塔長室勤務の権利は、なんと、私が手に入れた。
はずなのに!
この事実を知り、私以外の塔長室全員がこの世の終わりのような顔をしている。
喜んでくれないの?
「同じ職場で働ける喜びと、第六師団長が暴走する恐怖とを天秤にかけた場合、こうなるのは当然だと思います」
あー ラウは文句を言いそうだな。
「ひぃぃ。文句だけで済むものか。きっと次は第一塔が壊される。職場がなくなれば配属できないからな」
いや、そこまではしないと思うけど。
「いや、あいつならやりかねないな。第一塔が壊されたら困るから、クロエル補佐官は『権利なし』だ!」
えー
こうして私の権利は、周囲の大反対と上司の人の一声で跡形もなく消滅した。
おかしい。一番、頑張ったはずなのに。
さらにその後。
念のためと他の三枚のメダルも《鑑定眼》で視ることになった。
中まで視てみたが、こちらは何もない、ただのメダルだった。
フィールズ補佐官の推測通り、魔法陣を刻む前のもののようだ。
塔長室で私たちは考え込んでいた。
「いつ、誰が、何の目的でこんなものを作ったのか」
上司の人が問う。
「魔法陣が刻まれたのは、ここ数ヶ月以内ってところ。古いものじゃない」
私は答える。
「クロエル補佐官しか鑑定できなかったんだから、作ったのは、神級かそれに近い存在だな」
ナルフェブル補佐官が推測する。
おそらく、そうだろう。
「となると、該当するのは、赤種、魔種。あと、超級以上神級未満で、詠唱魔法技能持ち、魔導具製作技能持ち、でしょうか」
フィールズ補佐官が細かく考察を加える。
赤種には私やテラも含まれる。
「赤種が《混沌獣の召喚》なんてするの? だいたい何の目的で?」
「師匠と君はしないだろうが、他は分からない。
取り急ぎ、他にもメダルがないか捜索する必要があるな」
そうだ。メダルは四枚だけとは限らないし、完成品がないとも言えない。
「これまで四枚とも自然公園で見つかっています。
もうすぐ、氷雪祭が開かれますね。祭で人が集まるのを狙ってのものでしょうか」
氷雪祭! ラウに連れて行ってもらうんだから、無事に開催してもらわないと!
「それは可能性の一つだろう。まだ推測に過ぎないものが多すぎる」
「そうだな。これから本部との緊急会議、明日、朝一で、全師団長を集めて対策会議だ。
鑑定結果の報告と、今後について話し合ってくるから」
上司の人がそうまとめて、今日の業務は終了となった。
その日の夜は、ラウがいつも以上にくっついてきた。
どうやら、上司の人の言っていた緊急会議にラウも呼び出されていたらしい。
帰りの迎えはメモリアだったし、ラウは少し遅くにヨレヨレになって帰ってきた。
竜種は人の温もりで疲れが取れると、ラウから聞いた。
だから、ラウは、疲れているときほどくっついてくる。
まぁ、くっつくのは良いけど、力を入れ過ぎるとリアルに窒息するので、ほどほどにしてほしい。
「それで、メダル鑑定成功のご褒美は、お休みにしてもらおうと思って」
「フィア、休みたい日はあるのか?」
「ラウと氷雪祭に行きたいの。行ったことないから」
「フィアの初めてを俺と?!」
「ラウは忙しいよね」
「大丈夫だ、フィア。氷雪祭の日はちょうど休みだ」
氷雪祭で私が無茶なことをするとでも思っているんだろうか。
ラウが、嬉しそうな、でも悲しそうな、なんだか複雑な顔で私を見つめていた。
あなたにおすすめの小説
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
【完結済】隣国でひっそりと子育てしている私のことを、執着心むき出しの初恋が追いかけてきます
鳴宮野々花
恋愛
一夜の過ちだなんて思いたくない。私にとって彼とのあの夜は、人生で唯一の、最良の思い出なのだから。彼のおかげで、この子に会えた────
私、この子と生きていきますっ!!
シアーズ男爵家の末娘ティナレインは、男爵が隣国出身のメイドに手をつけてできた娘だった。ティナレインは隣国の一部の者が持つ魔力(治癒術)を微力ながら持っており、そのため男爵夫人に一層疎まれ、男爵家後継ぎの兄と、世渡り上手で気の強い姉の下で、影薄く過ごしていた。
幼いティナレインは、優しい侯爵家の子息セシルと親しくなっていくが、息子がティナレインに入れ込みすぎていることを嫌う侯爵夫人は、シアーズ男爵夫人に苦言を呈す。侯爵夫人の機嫌を損ねることが怖い義母から強く叱られ、ティナレインはセシルとの接触を禁止されてしまう。
時を経て、貴族学園で再会する二人。忘れられなかったティナへの想いが燃え上がるセシルは猛アタックするが、ティナは自分の想いを封じ込めるように、セシルを避ける。
やがてティナレインは、とある商会の成金経営者と婚約させられることとなり、学園を中退。想い合いながらも会うことすら叶わなくなった二人だが、ある夜偶然の再会を果たす。
それから数ヶ月。結婚を目前に控えたティナレインは、隣国へと逃げる決意をした。自分のお腹に宿っていることに気付いた、大切な我が子を守るために。
けれど、名を偽り可愛い我が子の子育てをしながら懸命に生きていたティナレインと、彼女を諦めきれないセシルは、ある日運命的な再会を果たし────
生まれ育った屋敷で冷遇され続けた挙げ句、最低な成金ジジイと結婚させられそうになったヒロインが、我が子を守るために全てを捨てて新しい人生を切り拓いていこうと奮闘する物語です。
※いつもの完全オリジナルファンタジー世界の物語です。全てがファンタジーです。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
【優秀賞受賞】賭けから始まった偽りの結婚~愛する旦那様を解放したのになぜか辺境まで押しかけて来て愛息子ごと溺愛されてます~【完結】
Tubling
恋愛
無事完結しました^^
読んでくださった皆様に感謝です!
この度、こちらの作品がアルファポリス第19回恋愛小説大賞にて「優秀賞」を受賞いたしました!
ありがとうございます!!<(_ _)>
ルシェンテ王国の末の王女カタリナは、姉たちから凄惨な嫌がらせをされる日々に王女とは名ばかりの惨めな生活を送っていた。
両親は自分に無関心、兄にも煙たがられ、いっそ透明人間になれたらと思う日々。
そんな中、隣国ジグマリン王国の建国祭に国賓として訪れた際、「鬼神」と恐れられている騎士公爵レブランドと出会う。
しかし鬼とは程遠い公爵の素顔に触れたカタリナは、彼に惹かれていく。
やがて想い人から縁談の話が舞い込み、夢見心地で嫁いでいったカタリナを待っていたのは悲しい現実で…?
旦那様の為に邸を去ったけれど、お腹には天使が――――
息子の為に生きよう。
そう決意して生活する私と息子のもとへ、あの人がやってくるなんて。
再会した彼には絶対に帰らないと伝えたはずなのに、2人とも連れて帰ると言ってきかないんですけど?
私が邪魔者だったはずなのに、なんだか彼の態度がおかしくて…
愛された事のない王女がただ一つの宝物(息子)を授かり、愛し愛される喜びを知るロマンスファンタジーです。
●近世ヨーロッパ風ですが空想のお話です。史実ではありませんので近世ヨーロッパはこうだというこだわりがある方はブラウザバックをお願いします。
●本編は10万字ほどで完結予定。
●最初こそシリアスですが、だんだんとほのぼのになっていきます^^
●最後はハッピーエンドです。
【完結】今さら執着されても困ります
リリー
恋愛
「これから先も、俺が愛するのは彼女だけだ。君と結婚してからも、彼女を手放す気はない」
婚約者・リアムが寝室に連れ込んでいたのは、見知らぬ美しい女だった――
アンドレセン公爵令嬢のユリアナは、「呪われた子」として忌み嫌われながらも、政略結婚によりクロシェード公爵家の嫡男・リアムと婚約し、彼の屋敷に移り住んだ。
いつか家族になれると信じて献身的に尽くすが、リアムの隣にはいつも、彼の幼馴染であり愛人のアリスがいた。
蔑まれ、無視され、愛人の引き立て役として扱われる日々。
ある舞踏会の日、衆前で辱めを受けたユリアナの中で、何かがプツリと切れる。
「わかりました。もう、愛される努力はやめにします」
ユリアナがリアムへの関心を捨て、心を閉ざしたその夜。彼女は庭園で、謎めいた美しい青年・フィンレイと出会う。
彼との出会いが、凍りついていたユリアナの人生を劇的に変えていく。
一方、急に素っ気なくなったユリアナに、リアムは焦りと歪んだ執着を抱き始める。
・全体的に暗い内容です。
・注意喚起を含む章は※を付けています。
修道院パラダイス
羊
恋愛
伯爵令嬢リディアは、修道院に向かう馬車の中で思いっきり自分をののしった。
『私の馬鹿。昨日までの私って、なんて愚かだったの』
でも、いくら後悔しても無駄なのだ。馬車は監獄の異名を持つシリカ修道院に向かって走っている。そこは一度入ったら、王族でも一年間は出られない、厳しい修道院なのだ。いくら私の父が実力者でも、その決まりを変えることは出来ない。
◇・◇・◇・・・・・・・・・・
優秀だけど突っ走りやすいリディアの、失恋から始まる物語です。重い展開があっても、あまり暗くならないので、気楽に笑いながら読んでください。
なろうでも連載しています。
完結 「愛が重い」と言われたので尽くすのを全部止めたところ
音爽(ネソウ)
恋愛
アルミロ・ルファーノ伯爵令息は身体が弱くいつも臥せっていた。財があっても自由がないと嘆く。
だが、そんな彼を幼少期から知る婚約者ニーナ・ガーナインは献身的につくした。
相思相愛で結ばれたはずが健気に尽くす彼女を疎ましく感じる相手。
どんな無茶な要望にも応えていたはずが裏切られることになる。