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9 亡魔術師の金冠編
3-8
「バルシアス様」
差し伸べられた手が優しくエンデバート卿の肩に触れる。
そしてその手は、そのままエンデバート卿の頬にそっと当てられた。
「フィリア」
見つめ合う二人。
まるで、恋愛小説の一節のような場面だった。
相変わらず、私たちの周りには大勢の人。
うん。正確に言えば、フィリアとエンデバート卿の周りに大勢の人だかりが出来ていて、私もグレイも、おまけにバルトレット卿も、その大勢の人だかりの一員となっている。
「酷いことを言われて傷ついただろう。我が国の魔術師が本当にすまない」
頬に当てられた手に自分の手を添えるエンデバート卿と、その様子をしみじみとした目で見つめるフィリア。
二人の間に何か通じ合うものが出来てもおかしくない雰囲気だ。
「いえ。誰になんと言われようと、あたしは気にしません」
フィリアがきっぱりとした口調で応じるのに対して、
「事実だからな」
と普通に突っ込みをいれるグレイ。まぁ。離れてるから二人には聞こえてないだろうけど。
何が事実かと言えば、フィリアが男であること。事実を言われてるだけなので、フィリアが酷いことを言われたと感じることはまったくない。これっぽっちもない。
事実を知らないし、事実を指摘されてるのに事実だと認めないエンデバート卿は、フィリアの言葉からフィリアのひたむきな強さを感じ取ったようだ。
「そんなあなたの強さと美しさが、私を虜にするんだ!」
エンデバート卿の癖に、歯が浮くような発言。
「俺のシアの方が強くて美しいけどな」
そして、なぜかそこに対抗するグレイ。誉められて悪い気はしないので、グレイの大きな独り言を私は放っておくことにした。
そうしている間にも、二人の会話は続いている。
「ですが、バルシアス様。事情があって、あなたとは結婚できません」
「何があなたをそんなに苦しめるんだ!」
「強いて言えば、うちのお嬢に絡んでくるそちらの魔術師殿」
フィリア、ここでメッサリーナ殿を強引に巻き込んだ。悪役として。フィリアの狙い通り、食いつくエンデバート卿。
「それはいったい、どういう意味だ?」
「あの人のせいで、お嬢の護衛が大変で。デートする時間も取れなくて」
「何?! では大変でなければ、私とデートできると!」
ずるっ。
突飛な発言にすとんと力が抜け、慌ててグレイの腕に掴まり直した。
「そこまで話が飛躍する?!」
グレイが反対の腕で、バランスの崩れた私の身体を支えてくれて、なんとか持ち直す。
「お前とデートをするとは、一言も出てないのにな。だが」
「だが?」
「上出来だ」
グレイは満足そうに言い切った。何が上出来なんだかは、よく分からないけど。
そして、エンデバート卿は、フィリアの言葉で『やる気』が出ていた。フィリアの手を離すと、エンデバート卿はメッサリーナ殿と対面する。
エンデバート卿に比べれば小柄に見えるメッサリーナ殿は、臆することなく堂々としていた。
むしろ、自分がエンデバート卿よりも上であることを、知らしめているかのようだ。
「聞いたか、メッサリーナ殿!」
「聞いていましたが。話が支離滅裂だという認識はありますか、エンデバート卿」
メッサリーナ殿は冷静にエンデバート卿を諭しにかかる。
「そもそも、その騎士は男性です。ですから、そんな騎士より、ルベラス嬢をお相手とした方が遥かによろしいのですよ」
こうやって諭して、自分の都合のいいようにエンデバート卿を操ってきたのだろう。
ところが、『やる気』になったエンデバート卿には、今まで通りが通用しない。
「そんな騎士とはなんだ。フィリアを貶めるな。それに、ルベラス嬢は婚約者がいる」
エンデバート卿からチラッと見られて、無駄に胸を張るグレイ。
「その相手を押しのけてまで、ルベラス嬢と婚姻を結ぶのは間違っている!」
エンデバート卿がメッサリーナ殿を相手に堂々と反論すると、メッサリーナ殿は目を大きく見開いた。今起きていることに驚きを隠せない様子。
今までこんな反論もしてこなかったんだろうな。
でもまぁ、驚いたのは私も同じだった。
「まともなことも言えてる」
「まともな思考もあったようだな」
グレイも少し驚いたように目を見張る。
人間、やる気になれば、どんなクズでもまともになるらしい。
「エンデバート卿。あなたは、由緒あるエンデバートの直系なのですよ。金冠の守護を受けるルベラス嬢を我が国に連れて帰るべきです」
「ルベラス嬢は、金冠の主になれなかったではないか」
「それでも、我が国に必要な婚姻なのです」
メッサリーナ殿、相当ムチャクチャなことを言っている。
エンデバート卿がムチャクチャだったのは、もしかしたらメッサリーナ殿の影響なのかも。
「さて。どう応じる?」
ざわざわする周囲。そのざわめきにかき消されてしまいそうなほど小さな声で、グレイがぼそっとつぶやいた。
「血筋だ、直系だ、それが何だと言うんだ!」
突然、エンデバート卿が叫んだ。
喉の奥から振り絞るような声で。
「エンデバート卿、金冠は我が国の」
「金冠に頼りきりである国の在り方そのものが、間違っているのではないか?!」
諭し直すメッサリーナ殿を遮って、エンデバート卿は叫び続けた。
「何を世迷い言を。いったいどうしたというのです。あなたは模範的なエンデバートだったのに」
「模範的だと? 言いなりにしていただけだろう!」
それはエンデバート卿の、すべてを絞り出したような、心の叫びだった。
「金冠は確かに素晴らしい魔導具だ。しかし、だからといって、私たちが努力しなくていい理由にはならないはずだ。
金冠の主を見つけるのに必死になるより、私たちの手で、努力で、国を守ることこそ必要なことではないか? 私はそう思う」
まともなことを、冷静な口調で淡々と話すエンデバート卿。
メッサリーナ殿の顔色が明らかに悪くなった。何か言い返そうとして口を開いたが、言葉にならず、黙り込む。
メッサリーナ殿だって分かっているのだろう。エンデバート卿の言い分が間違ってはいないことを。
それでも、新リテラ王国としては、金冠を諦められないのだ。
エンデバート卿はメッサリーナ殿が黙り込んだのを確認してから、フィリアを振り返り、そっとフィリアの手を取る。
「その努力をする私のそばにフィリアがいてくれれば、これ以上、幸せなことはない。私とともに新リテラ王国を守ってくれないだろうか」
紛れもなく、フィリアへの求婚だった。
が。
フィリアは…………男性なのだけど。
エンデバート卿の心からの真剣な求婚だと、フィリアも感じたようだ。だからこそ、フィリアも困っている。
そろそろ事態の収拾をしないと。
そう思ったとき、私より早く私の隣のグレイが声をかけた。私はここで、グレイの行動を止めればよかったのに。
「よし。そこまで言うなら、ロード!」
「はい、隊長!」
そうすれば、フィリアもあんなことにならなかっただろうに。
「って、隊長。なんですか、その不気味な笑みは」
グレイは冷や汗をかくフィリアに、とある命令を下したのだった。
差し伸べられた手が優しくエンデバート卿の肩に触れる。
そしてその手は、そのままエンデバート卿の頬にそっと当てられた。
「フィリア」
見つめ合う二人。
まるで、恋愛小説の一節のような場面だった。
相変わらず、私たちの周りには大勢の人。
うん。正確に言えば、フィリアとエンデバート卿の周りに大勢の人だかりが出来ていて、私もグレイも、おまけにバルトレット卿も、その大勢の人だかりの一員となっている。
「酷いことを言われて傷ついただろう。我が国の魔術師が本当にすまない」
頬に当てられた手に自分の手を添えるエンデバート卿と、その様子をしみじみとした目で見つめるフィリア。
二人の間に何か通じ合うものが出来てもおかしくない雰囲気だ。
「いえ。誰になんと言われようと、あたしは気にしません」
フィリアがきっぱりとした口調で応じるのに対して、
「事実だからな」
と普通に突っ込みをいれるグレイ。まぁ。離れてるから二人には聞こえてないだろうけど。
何が事実かと言えば、フィリアが男であること。事実を言われてるだけなので、フィリアが酷いことを言われたと感じることはまったくない。これっぽっちもない。
事実を知らないし、事実を指摘されてるのに事実だと認めないエンデバート卿は、フィリアの言葉からフィリアのひたむきな強さを感じ取ったようだ。
「そんなあなたの強さと美しさが、私を虜にするんだ!」
エンデバート卿の癖に、歯が浮くような発言。
「俺のシアの方が強くて美しいけどな」
そして、なぜかそこに対抗するグレイ。誉められて悪い気はしないので、グレイの大きな独り言を私は放っておくことにした。
そうしている間にも、二人の会話は続いている。
「ですが、バルシアス様。事情があって、あなたとは結婚できません」
「何があなたをそんなに苦しめるんだ!」
「強いて言えば、うちのお嬢に絡んでくるそちらの魔術師殿」
フィリア、ここでメッサリーナ殿を強引に巻き込んだ。悪役として。フィリアの狙い通り、食いつくエンデバート卿。
「それはいったい、どういう意味だ?」
「あの人のせいで、お嬢の護衛が大変で。デートする時間も取れなくて」
「何?! では大変でなければ、私とデートできると!」
ずるっ。
突飛な発言にすとんと力が抜け、慌ててグレイの腕に掴まり直した。
「そこまで話が飛躍する?!」
グレイが反対の腕で、バランスの崩れた私の身体を支えてくれて、なんとか持ち直す。
「お前とデートをするとは、一言も出てないのにな。だが」
「だが?」
「上出来だ」
グレイは満足そうに言い切った。何が上出来なんだかは、よく分からないけど。
そして、エンデバート卿は、フィリアの言葉で『やる気』が出ていた。フィリアの手を離すと、エンデバート卿はメッサリーナ殿と対面する。
エンデバート卿に比べれば小柄に見えるメッサリーナ殿は、臆することなく堂々としていた。
むしろ、自分がエンデバート卿よりも上であることを、知らしめているかのようだ。
「聞いたか、メッサリーナ殿!」
「聞いていましたが。話が支離滅裂だという認識はありますか、エンデバート卿」
メッサリーナ殿は冷静にエンデバート卿を諭しにかかる。
「そもそも、その騎士は男性です。ですから、そんな騎士より、ルベラス嬢をお相手とした方が遥かによろしいのですよ」
こうやって諭して、自分の都合のいいようにエンデバート卿を操ってきたのだろう。
ところが、『やる気』になったエンデバート卿には、今まで通りが通用しない。
「そんな騎士とはなんだ。フィリアを貶めるな。それに、ルベラス嬢は婚約者がいる」
エンデバート卿からチラッと見られて、無駄に胸を張るグレイ。
「その相手を押しのけてまで、ルベラス嬢と婚姻を結ぶのは間違っている!」
エンデバート卿がメッサリーナ殿を相手に堂々と反論すると、メッサリーナ殿は目を大きく見開いた。今起きていることに驚きを隠せない様子。
今までこんな反論もしてこなかったんだろうな。
でもまぁ、驚いたのは私も同じだった。
「まともなことも言えてる」
「まともな思考もあったようだな」
グレイも少し驚いたように目を見張る。
人間、やる気になれば、どんなクズでもまともになるらしい。
「エンデバート卿。あなたは、由緒あるエンデバートの直系なのですよ。金冠の守護を受けるルベラス嬢を我が国に連れて帰るべきです」
「ルベラス嬢は、金冠の主になれなかったではないか」
「それでも、我が国に必要な婚姻なのです」
メッサリーナ殿、相当ムチャクチャなことを言っている。
エンデバート卿がムチャクチャだったのは、もしかしたらメッサリーナ殿の影響なのかも。
「さて。どう応じる?」
ざわざわする周囲。そのざわめきにかき消されてしまいそうなほど小さな声で、グレイがぼそっとつぶやいた。
「血筋だ、直系だ、それが何だと言うんだ!」
突然、エンデバート卿が叫んだ。
喉の奥から振り絞るような声で。
「エンデバート卿、金冠は我が国の」
「金冠に頼りきりである国の在り方そのものが、間違っているのではないか?!」
諭し直すメッサリーナ殿を遮って、エンデバート卿は叫び続けた。
「何を世迷い言を。いったいどうしたというのです。あなたは模範的なエンデバートだったのに」
「模範的だと? 言いなりにしていただけだろう!」
それはエンデバート卿の、すべてを絞り出したような、心の叫びだった。
「金冠は確かに素晴らしい魔導具だ。しかし、だからといって、私たちが努力しなくていい理由にはならないはずだ。
金冠の主を見つけるのに必死になるより、私たちの手で、努力で、国を守ることこそ必要なことではないか? 私はそう思う」
まともなことを、冷静な口調で淡々と話すエンデバート卿。
メッサリーナ殿の顔色が明らかに悪くなった。何か言い返そうとして口を開いたが、言葉にならず、黙り込む。
メッサリーナ殿だって分かっているのだろう。エンデバート卿の言い分が間違ってはいないことを。
それでも、新リテラ王国としては、金冠を諦められないのだ。
エンデバート卿はメッサリーナ殿が黙り込んだのを確認してから、フィリアを振り返り、そっとフィリアの手を取る。
「その努力をする私のそばにフィリアがいてくれれば、これ以上、幸せなことはない。私とともに新リテラ王国を守ってくれないだろうか」
紛れもなく、フィリアへの求婚だった。
が。
フィリアは…………男性なのだけど。
エンデバート卿の心からの真剣な求婚だと、フィリアも感じたようだ。だからこそ、フィリアも困っている。
そろそろ事態の収拾をしないと。
そう思ったとき、私より早く私の隣のグレイが声をかけた。私はここで、グレイの行動を止めればよかったのに。
「よし。そこまで言うなら、ロード!」
「はい、隊長!」
そうすれば、フィリアもあんなことにならなかっただろうに。
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