錦秋

uca

文字の大きさ
15 / 28

〈十五〉


「るい殿、痛みはないか」
「ん、んぁ、きもち、い、い」

 ぼってりと熱をもつ粘膜を勝五郎の指がゆっくりと撫でる。異物感は依然残るが指が入ったという達成感が勝る。ずぬぬ、と蜜口へ退く勝五郎の指をぎゅむぎゅむと粘膜がんだ。

「ああ、るい殿は覚えが早いな」
「勝五郎、さ、ま、……あ、あぁんっ」
「こら。俺の名を呼んではならん。癖になる」

 片眉をあげ勝五郎がたしなめた。
 ちゅ。
 包皮が戻りかけていた淫芽を唇で吸う。

「あっ、んぁああっ」
「目を閉じて。そうだ。思い浮かべてみよ。――こうしてるい殿を愛でるのは俺ではない。貴人――」
「やっ、厭、勝五郎、さま……!」

 指と唇の動きが止まる。快楽が募る途中で放り出され、るいは腰をくねらせた。潤みをたたえた粘膜が呑み込んだ勝五郎の指をきゅう、と締めつける。

「あ、ん、……やめないで、勝五郎さ、ま、……んっ、ください、ませ、ああっ、きもち、い、……、んぅ、しょうご、ろ、さま……」

 ふたたび淫芽が唇に包まれ、指がぷちゅちゅ、と粘膜を撫ではじめた。

「しょうご、ろう、さま、――ああ、んっ、しょうごろ、う、さま、あぁ、んっ、あ、ああああっ」

 ぞくぞくじゅわじゅわと胎の奥で快楽が弾け泡立つ。がくがくと腰を震わせ、るいはのぼりつめた。


 喘ぐるいを腹の上に載せ、勝五郎は右腕で抱きしめた。びくりびくりと震える腰をなだめるように撫でる。

――信じられない。指が、入った。

 絶頂の余韻にひたりながら、るいは勝五郎の胸もとに頬を寄せた。

「んぅ、ん……」

 快感をやり過ごそうと身をくねらせるうちに、るいの腰の下で肉棒が大きくふくらんできた。

「んっ、あん、気持ち、いい。ふぁ、は、はい、っちゃう……」
「駄目だ、う、っ……るいど、の」
「あっ、ふぁっ、う、駄目……」

 肉棒が濡れる蜜口を撫でる。駄目だと言い合いながら、離れられない。互いに腰を押し付け合い、秘所を擦りつけ合い、貪った。
 くちゅ。くちゅちゅ。
 快感に反応して腰が跳ねるのか、しどけなく濡れる秘唇で肉棒を食むことで快楽がもたらされるのか、分からなくなってきた。

「る、るい殿、るい、――は、離れ、――う、うぁっ」

 口と裏腹に、大きな右手がるいの腰を強く掴む。秘所から外れ、突き刺すように腹に押しつけられた熱い塊がのたうち暴れる。

――御たねが…………。

 るいは恍惚とさびしさとを噛みしめた。
 ぬる、るる、る。
 勝五郎の肉棒は暴れながらぬめりを吐き出している。ぬめりは子だねとして活きることなく熱を失っていく。

「あ、うっ、あ……」

 切なく眉を顰めきつく目を閉じる勝五郎の腰がゆるりと円を描いた。力を失いつつある肉棒が未練がましく、自身のおさまるはずだった蜜の壺を探ろうとのたうつのをやり過ごそうとしている。

――どうして私たちは、思うさま睦み合えないのか。

 詮無い願いを振り払うようにるいはぐりり、と腰を押しつけた。熱の褪めはじめたぬめりがぬちぬちとふたりの寝間着を、肌を汚している。勝五郎が息を荒らげまぶたを開けた。涙の膜が張った焦点の合いきらない目は情欲の名残に曇っている。

――きっと、私もそうだ。

 るいは喘ぎを飲み込んだ。欲望に打ちって水際で持ちこたえたというのに自分たちはまるで負けてしまったかのよう。

「る、い、るい殿、す――」

 続きは何だったろう。「汚してすまない」だったのかもしれない。違ったかもしれない。謝らせたりしない。謝らせるものか。るいはことばの続きごと勝五郎の唇を貪った。
感想 0

あなたにおすすめの小説

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

完全なる飼育

浅野浩二
恋愛
完全なる飼育です。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。