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誘拐事件
19 誘拐
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部屋入った6人はアイリーンを上座に各々が席に着く。アリサとオルバは気が付かなかったが、エリックは防音の結界を張る。
「それでは、話し合いを始めましょうか」
40分が経ち、ニードルがノックする音が聞こえる。いつの間にか、制限時間になってしまっていたようだ。部屋を出て、皆がクラブ室中央のテーブルに着く。
別に仲が悪い訳では無いだろう。アイリーンは確かにとても位が高いお方、それ故畏まってしまうのは仕方の無いことだ。だが、オルバとアリサの様子がおかしい。先ほどは緊張していて縮こまっていたが、今は落ち込んでいる。
(何かトラブルでもあったか? いや、にしては不自然な程一体感があるし………)
「ええ、無事に話し合いは終わりました」
「それではお聞かせ願えますか?」
今アイリーンは無事にと答えた。どうやらそこに意味がありそうだ。ニードルは探りを入れようと6人を見渡すと、異変に気付く。エリックとファーゼンが狼狽え始める。
ニードルはどうもと頭を軽く下げながら、渡していた擬似依頼表を受け取る。
(さては何も話し合っていませんでしたね。全く、このクラブに入る気は無いのでしょうか。
ん? ………擬似依頼表は2つも渡した覚えはありませんが……)
(やべぇよ、何も考えて無いよ。どうするだよ)
(俺が知るかよ。第一何で時間が足りなくなるって予測できなかったんだよ?)
エリックとファーゼンが目で会話している。睨み合いながら……。
(はぁ。この子達は腹ゲイは得意じゃ無さそうですね。まぁ~ そう言う所も面白いのですがね)
「私が代表して答えましょう。
まずは準備物についてですが、ニードル、貴方はこのメンバーとおっしゃいました。つまり今回のパーティーは私が含まれることになるます」
ニードルが苦虫を潰したような顔をする。緊張の余り頭から抜けていた。公爵家のような大貴族であれば、アイテムボックスのような高価なマジックアイテムを所有していることに。故に、今回の依頼では道具の選別をする必要が無くなっていまう。
「ーーーーー。以上が、この依頼で気を付けなければならない事です」
「さすがはアイリーン様です。完敗しました。それではこれをお受け取り下さい」
そう言ってニードルは一つの羊皮紙を取り出した。
「ニードル様、お気持ちは嬉しいのですがそれを受け取るわけには参りません。ですので『お待ち下さい。』……」
ニードルが手をの平を突き出す。確かにこれは賄賂と見なされてもしまうかもしれない。だが、
「これは問題を完全回答された方への報酬です。何の問題もありません。そしてこの羊皮紙は、」
ゴクリッ。誰が立てた音だろう。恐らくこの仮パーティーの6人だ。
「1回限りの無料依頼申込用紙です」
なるほど、この男はできる。将来の活躍が期待されそうだ。これはアイリーンの感想だった。
「ということであれば有難く頂くとしましょうか。」
それではそろそろ、とあいさつをこの場を後にする。冒険者クラブを後にして、校舎から出ると日が傾いていた。もうすぐ暗黒に包まれる。それが、これから何か良くないことが起こることを、暗示しているようだった。
校舎を出た6人は3手に別れてそれぞれに帰っていった。アイリーンとリンネルは貴族寮へ。エリック、ファーゼン、オルバは男子寮に。アリサは1人女子寮へ。
帰り道、エリック達は今日の出来事を話題に盛り上がっていた。その様子を影から見張る者がいるのを知ってか知らずか。
「やっぱり冒険者クラブは楽しそうだったな~。私、オルバ、エリック、ファーゼン。この4人でパーティーを組めば、Sランクも夢じゃない気がする!」
アリサは独り言を呟きながら、楽しそうに帰途へつく。まさか、返事が返ってくるとは思うはずも無く。
「残念ながらその夢は叶いそうにありませんがね!」
「ん! んんんっ! ん………」
カクッ。ハンカチを口元に押し付けられ、反抗という反抗も出来ずに意識を失ってしまった。
「それでは、話し合いを始めましょうか」
40分が経ち、ニードルがノックする音が聞こえる。いつの間にか、制限時間になってしまっていたようだ。部屋を出て、皆がクラブ室中央のテーブルに着く。
別に仲が悪い訳では無いだろう。アイリーンは確かにとても位が高いお方、それ故畏まってしまうのは仕方の無いことだ。だが、オルバとアリサの様子がおかしい。先ほどは緊張していて縮こまっていたが、今は落ち込んでいる。
(何かトラブルでもあったか? いや、にしては不自然な程一体感があるし………)
「ええ、無事に話し合いは終わりました」
「それではお聞かせ願えますか?」
今アイリーンは無事にと答えた。どうやらそこに意味がありそうだ。ニードルは探りを入れようと6人を見渡すと、異変に気付く。エリックとファーゼンが狼狽え始める。
ニードルはどうもと頭を軽く下げながら、渡していた擬似依頼表を受け取る。
(さては何も話し合っていませんでしたね。全く、このクラブに入る気は無いのでしょうか。
ん? ………擬似依頼表は2つも渡した覚えはありませんが……)
(やべぇよ、何も考えて無いよ。どうするだよ)
(俺が知るかよ。第一何で時間が足りなくなるって予測できなかったんだよ?)
エリックとファーゼンが目で会話している。睨み合いながら……。
(はぁ。この子達は腹ゲイは得意じゃ無さそうですね。まぁ~ そう言う所も面白いのですがね)
「私が代表して答えましょう。
まずは準備物についてですが、ニードル、貴方はこのメンバーとおっしゃいました。つまり今回のパーティーは私が含まれることになるます」
ニードルが苦虫を潰したような顔をする。緊張の余り頭から抜けていた。公爵家のような大貴族であれば、アイテムボックスのような高価なマジックアイテムを所有していることに。故に、今回の依頼では道具の選別をする必要が無くなっていまう。
「ーーーーー。以上が、この依頼で気を付けなければならない事です」
「さすがはアイリーン様です。完敗しました。それではこれをお受け取り下さい」
そう言ってニードルは一つの羊皮紙を取り出した。
「ニードル様、お気持ちは嬉しいのですがそれを受け取るわけには参りません。ですので『お待ち下さい。』……」
ニードルが手をの平を突き出す。確かにこれは賄賂と見なされてもしまうかもしれない。だが、
「これは問題を完全回答された方への報酬です。何の問題もありません。そしてこの羊皮紙は、」
ゴクリッ。誰が立てた音だろう。恐らくこの仮パーティーの6人だ。
「1回限りの無料依頼申込用紙です」
なるほど、この男はできる。将来の活躍が期待されそうだ。これはアイリーンの感想だった。
「ということであれば有難く頂くとしましょうか。」
それではそろそろ、とあいさつをこの場を後にする。冒険者クラブを後にして、校舎から出ると日が傾いていた。もうすぐ暗黒に包まれる。それが、これから何か良くないことが起こることを、暗示しているようだった。
校舎を出た6人は3手に別れてそれぞれに帰っていった。アイリーンとリンネルは貴族寮へ。エリック、ファーゼン、オルバは男子寮に。アリサは1人女子寮へ。
帰り道、エリック達は今日の出来事を話題に盛り上がっていた。その様子を影から見張る者がいるのを知ってか知らずか。
「やっぱり冒険者クラブは楽しそうだったな~。私、オルバ、エリック、ファーゼン。この4人でパーティーを組めば、Sランクも夢じゃない気がする!」
アリサは独り言を呟きながら、楽しそうに帰途へつく。まさか、返事が返ってくるとは思うはずも無く。
「残念ながらその夢は叶いそうにありませんがね!」
「ん! んんんっ! ん………」
カクッ。ハンカチを口元に押し付けられ、反抗という反抗も出来ずに意識を失ってしまった。
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