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初仕事
41 波乱の自己紹介
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「いよいよ大トリが来ましたね。ニードル先輩」
「そうだな。あと、様をつけろ」
「ニードル先輩様♪」
ニードルは、プリクラで撮るようなピースをしているノリアに、制裁を下す。
ドゴッ
鈍い音がした。が、そんなことを無視して、エリックとファーゼンは2人一緒に挨拶をする。
「俺はエリックです」
「ファーゼンです。俺たちは近い将来Sランクパーティーなります」
「「よろしくお願いします」」
クラブ内がざわめいた。ニードルにいたっては頭を抱えていた。
(コイツら…… やりやがった)
Sランクになる。それは人類最強の存在になることと同義。Sランクになった者達は、学生の頃の時点で、既にAランク相当の実力を有していることが多い。故にSランク宣言は、俺はAランクの実力者。しいては、お前等より強いという、この世界における一種の挑発のようなものであった。
この発言は、歓迎モードだった先輩方も見過ごせない。だがそれは怒りではなく、生意気な後輩を懲らしめてやるか、という盛り上がりだ。皆悪党のような笑みを浮かべている。
「どうして穏便に済ませることが出来ないのかしら…………」
「このパーティーは前途多難だな……… トホホ」
だが同級生は違う。気に食わない2人に、いきなり格上宣言されたのだ。無性に腹が立つ。その様子を見てオルバとアリサは落ち込んでいた。
「ニードル様。こいつらと模擬戦をさせて下さい」
1人の男が立ち上がった。それは同じ1年のギールだ。
農民出の彼は、いつも舐められていて、その事が気に食わ無かった。ギールは別に農民出が嫌な訳でない。ただ一生懸命働いている両親がバカにされたようで、それが嫌だったのだ。両親思いのギーロは、もう二度と舐められないように力をつけた。血の滲むような努力を積んできた。そして、舐めてきた者を打ち倒してきた。だから、2人の挑発を堪えることができなかった。
「いいだろう、許可する。すぐに第三闘技場に集合だ」
「いいんですか? ニードル先輩様」
ノリアはまだふざけている。
「いいんだよ。元々新入部員の実力は見たかったしな」
ドゴッ
「集まったな。それじゃ試合を始める。だがこれは模擬戦だ、相手に重症を負わせるような攻撃や、殺傷性の高い武器を使うのも禁止だ。今日のところは刃引きされた剣を使え」
「「「「分かりました」」」」
「分かっていると思うが、反則者には俺が直々に鉄槌を下す」
この試合は、エリック & ファーゼン VS ギール & ニゴルの対決となった。
というのも、ギールが倒したいのはエリックとファーゼンの2人だ。冒険者である以上ソロより、パーティー戦の方が多い。故に2対2のタッグマッチだ。ギール側には、同じく農民出で唯一無二の親友、ニゴルがついた。もちろんニゴルも2人が気に食わなかった。
闘技場のギャラリーからは、新入部員を見定めようとする先輩方が、睨むようにしてこちらを見ている。
「それじゃ、お互い準備はいいな?」
4人が頷き、試合が始まる。
「始め!」
「そうだな。あと、様をつけろ」
「ニードル先輩様♪」
ニードルは、プリクラで撮るようなピースをしているノリアに、制裁を下す。
ドゴッ
鈍い音がした。が、そんなことを無視して、エリックとファーゼンは2人一緒に挨拶をする。
「俺はエリックです」
「ファーゼンです。俺たちは近い将来Sランクパーティーなります」
「「よろしくお願いします」」
クラブ内がざわめいた。ニードルにいたっては頭を抱えていた。
(コイツら…… やりやがった)
Sランクになる。それは人類最強の存在になることと同義。Sランクになった者達は、学生の頃の時点で、既にAランク相当の実力を有していることが多い。故にSランク宣言は、俺はAランクの実力者。しいては、お前等より強いという、この世界における一種の挑発のようなものであった。
この発言は、歓迎モードだった先輩方も見過ごせない。だがそれは怒りではなく、生意気な後輩を懲らしめてやるか、という盛り上がりだ。皆悪党のような笑みを浮かべている。
「どうして穏便に済ませることが出来ないのかしら…………」
「このパーティーは前途多難だな……… トホホ」
だが同級生は違う。気に食わない2人に、いきなり格上宣言されたのだ。無性に腹が立つ。その様子を見てオルバとアリサは落ち込んでいた。
「ニードル様。こいつらと模擬戦をさせて下さい」
1人の男が立ち上がった。それは同じ1年のギールだ。
農民出の彼は、いつも舐められていて、その事が気に食わ無かった。ギールは別に農民出が嫌な訳でない。ただ一生懸命働いている両親がバカにされたようで、それが嫌だったのだ。両親思いのギーロは、もう二度と舐められないように力をつけた。血の滲むような努力を積んできた。そして、舐めてきた者を打ち倒してきた。だから、2人の挑発を堪えることができなかった。
「いいだろう、許可する。すぐに第三闘技場に集合だ」
「いいんですか? ニードル先輩様」
ノリアはまだふざけている。
「いいんだよ。元々新入部員の実力は見たかったしな」
ドゴッ
「集まったな。それじゃ試合を始める。だがこれは模擬戦だ、相手に重症を負わせるような攻撃や、殺傷性の高い武器を使うのも禁止だ。今日のところは刃引きされた剣を使え」
「「「「分かりました」」」」
「分かっていると思うが、反則者には俺が直々に鉄槌を下す」
この試合は、エリック & ファーゼン VS ギール & ニゴルの対決となった。
というのも、ギールが倒したいのはエリックとファーゼンの2人だ。冒険者である以上ソロより、パーティー戦の方が多い。故に2対2のタッグマッチだ。ギール側には、同じく農民出で唯一無二の親友、ニゴルがついた。もちろんニゴルも2人が気に食わなかった。
闘技場のギャラリーからは、新入部員を見定めようとする先輩方が、睨むようにしてこちらを見ている。
「それじゃ、お互い準備はいいな?」
4人が頷き、試合が始まる。
「始め!」
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