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初仕事
50 クラブ結成
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「そこまで! 2人ともお疲れ様。悪くなかったわよ」
ウルザードは、エリックやファーゼンと比べるとまだまだだが、平均的に見るとそれなりに出来る方であった。故に悪くなかったという評価だ。
ウルザードは悔しくて堪らなかった。それに気付いてか知らずか、ギールは前へと出る。
「皆も見ていただろう? 俺は自分の剣には自信があった」
ギールの剣の腕は学年でも上位レベル。自信を持っていてもおかしくは無い。故に少し自慢気味に聞こえるが、皆はそれをとやかく言うことは出来ない。黙って話を聞いている。
「それでも昨日、俺とニゴルは2人でファーゼンに戦いを挑んだ」
クラスがどよめいた。
「そんな事あったの?」
「そいつは見たかったな」
「2VS1って、卑怯だろ」
感想はそれぞれだ。
「だが俺らは負けた。手も足も出なかった。2人は紛れも無く学年最強クラス。だから2人の実力も見ないで、文句を言うのはやめて欲しい」
闘技場が余計に騒がしくなる。
「やっぱり凄かったんだね、あの2人は」
「俺は最初から分かっていたけどな」
「さっきまでと言ってることが違う」
「それにしてもどこだ」
皆は辺りを見渡し、2人を探す。
クラスの英雄を探す気持ちで。皆胸が高鳴る。ギールの話が本当なら、2人は間違いなく学年でもトップクラスの力を持っていることになる。同じクラスメイトとして誇らしいのだろう。
(どうだ、俺の勇姿見たか。これで借りは返したぞ)
ギールも得意気に鼻を擦りながら、辺りを見渡した。でも2人の姿が見えない。
「あ、いた!」
誰かが指を指した方向を見ると、2人は肩を寄せあって寝ていた。
(うそーん…… 俺の勇姿は?)
ギールは闘技場に膝を付き、唖然としていた。
「おい起きろよ」
ギールに同情をしたニゴルが、2人を起こす。
「ん? はぁーよく寝た。ところで何でニゴルがここにいるんだ?」
「ふぁー。今はAクラスの実習中だぞ」
「そうだぞ、何でお前がここにいるんだ?」
(え?)
ニゴルは当然驚く。何を言っているのだと。
「「「え?」」」
ニゴルだけではない。皆エリックとファーゼンの言っていることが理解できない訳では無い。まさか、同じクラスメイトを認識していなかったとは思わなかったからだ。
実はニゴルとギールは、2人と同じAクラスであった。だが、クラスではぼっちで、誰とも話さなかった2人は、そんなことなど知るはずもない。最近こそ業間に友達と話すようになったが、それでも限られた人、空間だけなのだから。
「あちゃー、まさか知らなかったとはね………」
「まぁアリサ、それでこそ2人じゃない?」
「確かにそれもそうね」
「ギールが可愛そうね。何があったのかは知らないけど」
「多分冒険者クラブ関係だと思われますが」
イツメンの4人はこの反応である。嫌な慣れだ。
最初はギールが可愛そう、という風に非難されていた2人。だが、ギールが必死に働きかけてくれた。もちろんアリサやアイリーンたちも協力してくれた。それがきっかけとなり、エリックとファーゼンの株が上がり、秘密裏にファンクラブが出来つつあった。
ファーゼンの大人の魅力が素敵。『クールウィズ(ファーゼンと共に)』
エリックのあどけなさを守りたい。『ショターズ(エリックを守る者たち)』
が後に結成されたのだとか。当然2人は知る由もない。
2人と仲の良い、主にいつもの4人にとっては、
「え、ファーゼンがクール? ただ強がってるだけでしょ。本当は寂しがり屋なんだよ」
「エリックはあどけないと言うか、ただのバカよ。まだまだ子供だし、ガキなのよ。それに私に興味を示してくれなくて…………」(アイリーン談)
だそうだ。
それを聞いた一部の者は、
キャーBLよ!
少し? 突飛つな騒ぎになっていたようだ。
ウルザードは、エリックやファーゼンと比べるとまだまだだが、平均的に見るとそれなりに出来る方であった。故に悪くなかったという評価だ。
ウルザードは悔しくて堪らなかった。それに気付いてか知らずか、ギールは前へと出る。
「皆も見ていただろう? 俺は自分の剣には自信があった」
ギールの剣の腕は学年でも上位レベル。自信を持っていてもおかしくは無い。故に少し自慢気味に聞こえるが、皆はそれをとやかく言うことは出来ない。黙って話を聞いている。
「それでも昨日、俺とニゴルは2人でファーゼンに戦いを挑んだ」
クラスがどよめいた。
「そんな事あったの?」
「そいつは見たかったな」
「2VS1って、卑怯だろ」
感想はそれぞれだ。
「だが俺らは負けた。手も足も出なかった。2人は紛れも無く学年最強クラス。だから2人の実力も見ないで、文句を言うのはやめて欲しい」
闘技場が余計に騒がしくなる。
「やっぱり凄かったんだね、あの2人は」
「俺は最初から分かっていたけどな」
「さっきまでと言ってることが違う」
「それにしてもどこだ」
皆は辺りを見渡し、2人を探す。
クラスの英雄を探す気持ちで。皆胸が高鳴る。ギールの話が本当なら、2人は間違いなく学年でもトップクラスの力を持っていることになる。同じクラスメイトとして誇らしいのだろう。
(どうだ、俺の勇姿見たか。これで借りは返したぞ)
ギールも得意気に鼻を擦りながら、辺りを見渡した。でも2人の姿が見えない。
「あ、いた!」
誰かが指を指した方向を見ると、2人は肩を寄せあって寝ていた。
(うそーん…… 俺の勇姿は?)
ギールは闘技場に膝を付き、唖然としていた。
「おい起きろよ」
ギールに同情をしたニゴルが、2人を起こす。
「ん? はぁーよく寝た。ところで何でニゴルがここにいるんだ?」
「ふぁー。今はAクラスの実習中だぞ」
「そうだぞ、何でお前がここにいるんだ?」
(え?)
ニゴルは当然驚く。何を言っているのだと。
「「「え?」」」
ニゴルだけではない。皆エリックとファーゼンの言っていることが理解できない訳では無い。まさか、同じクラスメイトを認識していなかったとは思わなかったからだ。
実はニゴルとギールは、2人と同じAクラスであった。だが、クラスではぼっちで、誰とも話さなかった2人は、そんなことなど知るはずもない。最近こそ業間に友達と話すようになったが、それでも限られた人、空間だけなのだから。
「あちゃー、まさか知らなかったとはね………」
「まぁアリサ、それでこそ2人じゃない?」
「確かにそれもそうね」
「ギールが可愛そうね。何があったのかは知らないけど」
「多分冒険者クラブ関係だと思われますが」
イツメンの4人はこの反応である。嫌な慣れだ。
最初はギールが可愛そう、という風に非難されていた2人。だが、ギールが必死に働きかけてくれた。もちろんアリサやアイリーンたちも協力してくれた。それがきっかけとなり、エリックとファーゼンの株が上がり、秘密裏にファンクラブが出来つつあった。
ファーゼンの大人の魅力が素敵。『クールウィズ(ファーゼンと共に)』
エリックのあどけなさを守りたい。『ショターズ(エリックを守る者たち)』
が後に結成されたのだとか。当然2人は知る由もない。
2人と仲の良い、主にいつもの4人にとっては、
「え、ファーゼンがクール? ただ強がってるだけでしょ。本当は寂しがり屋なんだよ」
「エリックはあどけないと言うか、ただのバカよ。まだまだ子供だし、ガキなのよ。それに私に興味を示してくれなくて…………」(アイリーン談)
だそうだ。
それを聞いた一部の者は、
キャーBLよ!
少し? 突飛つな騒ぎになっていたようだ。
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