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第1章
11 本当の力
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ここまでか……
ミローグの手下たちのリーダー格、グローゼは諦めかけていた。いや、もはや自分の生き残れる未来など見えていない。どうすればサラマンダーと差し違える事ができるか、それぐらいしか考えることが出来なかった。さっきは状況が味方をして、戦いを優位に進めることは出来た。だか1度リセットされて、しかも相手は回復して強化までされてしまえば勝機などあるはずもない。もしこの場で、「まだ勝てる」などとほざく者がおればそれは、身の程を知らないバカか余程の戦闘狂のどちらかだ。
初めて……初めて自分の意思で戦えたのいうのに。もう手はないのか、クソォ!
この男、グローゼは元々商人の出であった。10歳の頃までは両親の事業も軌道に乗って、幸せな家庭だった。だか15際を過ぎた頃、突然不穏が訪れる。王宮お抱えの大規模商店サンニーズが利権の独占のために、同職の商人たちを潰し始めたのだ。それまで安泰だったグローゼの両親もこれにやられ、借金が膨らみ奴隷に落ちてしまった。
当然両親を取り戻そうとしたが、目標金額まであと少しという所でサンニーズに買い取られてしまう。ここで交渉を持ちかけてきたのがミローグだった。自分の配下に加わるのであれば何とかしてやってもよいと言うものだった。当然それはミローグに都合の良いものでしか無く、両親が取り戻せるはずがなかった。
結果グローゼは非合法な仕事をこなし、多くの者を不幸な目に合わせてきてしまった。
ゼローグだけではなく、ここにいる者たちのほとんどがそのような集まりだった。だからミローグの呪縛から解放された今、初めて自分の意思で戦える喜びから一転した。もはや勝ち目もなく、戦うだけの力も残されてはいない。
もうダメなのかしら。ならせめて……王家に命を授かった者としての務めを
「ミローグ止めて。貴方の狙いは私のはず、この者たちは見逃して。お願い。」
震える声で叫ぶ。誰もが見惚れるその姿はより一層輝いていた。だか、現実に色気は通用しない。
「そいつは無理な相談だ、姉上。こいつを見たからには誰1人『お前!』生きて……」
「さっきから聞いてりゃ竜の後ろでいきがりやがって。ここからは俺が相手になってやる。来いよ、トカゲ野郎!」
エルは口についた血を拭いながら立ち上がった。もちろん虚勢だ。それでも己を奮い立たせる。
使いたくは無かったんだかな……仕方ないか。ハハハ、死ぬかもしれねぇ。まぁ~そのん時は…あいつらに……会いに行くか。
「どうやら死ぬ覚悟が出来たようだな。行け、サラマンダー!」
グラァァァァ!
口先に魔力が集中して、火の巨大な玉が出来上がる。直径2mの大玉が向かい来る。大の大人でもチビってしまいそうな光景にエルは笑みをうかべていた。
これ程の緊張感はいつぶりかな……
この技を使うのは久しぶりだな。いいぜ、見せてやるよ。
「行くぜ。本当の龍の力に腰抜かすなよ!」
『解放、龍閃凱鳳門
いでよ、雷神龍ラグナロク!』
ミローグの手下たちのリーダー格、グローゼは諦めかけていた。いや、もはや自分の生き残れる未来など見えていない。どうすればサラマンダーと差し違える事ができるか、それぐらいしか考えることが出来なかった。さっきは状況が味方をして、戦いを優位に進めることは出来た。だか1度リセットされて、しかも相手は回復して強化までされてしまえば勝機などあるはずもない。もしこの場で、「まだ勝てる」などとほざく者がおればそれは、身の程を知らないバカか余程の戦闘狂のどちらかだ。
初めて……初めて自分の意思で戦えたのいうのに。もう手はないのか、クソォ!
この男、グローゼは元々商人の出であった。10歳の頃までは両親の事業も軌道に乗って、幸せな家庭だった。だか15際を過ぎた頃、突然不穏が訪れる。王宮お抱えの大規模商店サンニーズが利権の独占のために、同職の商人たちを潰し始めたのだ。それまで安泰だったグローゼの両親もこれにやられ、借金が膨らみ奴隷に落ちてしまった。
当然両親を取り戻そうとしたが、目標金額まであと少しという所でサンニーズに買い取られてしまう。ここで交渉を持ちかけてきたのがミローグだった。自分の配下に加わるのであれば何とかしてやってもよいと言うものだった。当然それはミローグに都合の良いものでしか無く、両親が取り戻せるはずがなかった。
結果グローゼは非合法な仕事をこなし、多くの者を不幸な目に合わせてきてしまった。
ゼローグだけではなく、ここにいる者たちのほとんどがそのような集まりだった。だからミローグの呪縛から解放された今、初めて自分の意思で戦える喜びから一転した。もはや勝ち目もなく、戦うだけの力も残されてはいない。
もうダメなのかしら。ならせめて……王家に命を授かった者としての務めを
「ミローグ止めて。貴方の狙いは私のはず、この者たちは見逃して。お願い。」
震える声で叫ぶ。誰もが見惚れるその姿はより一層輝いていた。だか、現実に色気は通用しない。
「そいつは無理な相談だ、姉上。こいつを見たからには誰1人『お前!』生きて……」
「さっきから聞いてりゃ竜の後ろでいきがりやがって。ここからは俺が相手になってやる。来いよ、トカゲ野郎!」
エルは口についた血を拭いながら立ち上がった。もちろん虚勢だ。それでも己を奮い立たせる。
使いたくは無かったんだかな……仕方ないか。ハハハ、死ぬかもしれねぇ。まぁ~そのん時は…あいつらに……会いに行くか。
「どうやら死ぬ覚悟が出来たようだな。行け、サラマンダー!」
グラァァァァ!
口先に魔力が集中して、火の巨大な玉が出来上がる。直径2mの大玉が向かい来る。大の大人でもチビってしまいそうな光景にエルは笑みをうかべていた。
これ程の緊張感はいつぶりかな……
この技を使うのは久しぶりだな。いいぜ、見せてやるよ。
「行くぜ。本当の龍の力に腰抜かすなよ!」
『解放、龍閃凱鳳門
いでよ、雷神龍ラグナロク!』
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