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第七章 侵攻
落ちた姫と燃える王都
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砂漠から引き返した一団が王都に着くとすかさずギルドリーダーの指示が飛ぶ!
リーダー「数名単位に分かれ各地区の負傷者を救出した後、皆、王城を目指せ!」
結城はミロリと同行し城に一番近い中央通りを進んだ。
敵の姿はここにはなかったが、街はいい様に蹂躙されており、あちらこちらから上がる炎と煙で前が良く見えない。
街の道傍には、襲われたであろう街の人々がうずくまっている。
ミロリはそれぞれ怪我の程度に合った回復魔法をかけてはいるが、いかんせん数が多すぎる。
怪我が悪化する者も少なからずいるだろう?
結城は軽症の女の人にオリエンタリアが攻めて来た時の事を聞いた。
彼女はゆっくり小さな声で話し始めた。
女性「戦闘が始まった時、オリエンタリアの兵の数は約千五百、対して騎士団は三千。」
女性「皆んな安心したわ、充分守れきれる人数だったから。
でも!王都の城塞門は簡単に突破されたの!」
女性「騎士団が内部分裂したからよ!城塞門を守っていた騎士団の一部が裏切り者探しを始めたの。」
女性「彼らは商人組合を押さえた後、王族にまで手を出そうとした為、それを阻止しようと王城を守る騎士団と交戦に」
女性「私の知っているのはここまで、守る者のいない街はこの有様よ!」
話し始めた時とは明らかに違う口調で彼女は言い放った。
この王都の惨状はオリエンタリアの所為だけでなく騎士団どうしが、争った為だ。
結城はこの時、自分の行ったことの重大さに気づいた。
日数から考えて、確かにオリエンタリアの侵攻には関係ないのかもしれない。
が!騎士団が分裂した事には結城が放った偽情報が関係していることは明らかだ。
その結果がこの有り様だ!
サーヤ姫が不幸になればいい。
ただそれだけの願いの為に多くの人々を不幸にした。
結城は改めて自分のやった事の愚かさに吐き気を覚えて座り込んだ。
ミロリは座り込んでる結城に気がつき治療の手を止め近づいて声をかける。
ミロリ「なにやってるの?、貴方にも出来ることがあるはずよ!」
結城は「あぁ」と、力なく答えるとヨロヨロと立ち上がり近くの怪我人を介抱して回る。
そこに幼い兄妹が泣きながら近づいて結城に問う。
兄「おまえは、冒険者なんだろ、つよいんだろ、だったらなんとかしてくれよ!」
妹「みんな、うごかなくなっちゃたの、
うぇ~ん」
2人に服を掴まれても何もできない自分に、結城の中で何かが変わった気がした、頭の中で感じた光の指す場所に最初はゆっくりと歩き出す。
ミロリが何かを言っているが結城の耳には届かない、歩みはやがてしっかりと、そして最後は目指すところに駆け出していた。
光が指す所は城とは違う方向の城壁の辺り、結城は何かに急かされるようにそこに向かった。
着いた場所で結城が見た光景は、騎士団や住民が劇場の観客のように見守るなか
舞台の役者のように城壁の上に立ち、光の短剣を構えるサーヤ姫と男2人、1人は修羅帝 サガ、もう1人はサガの部下と思われるが、その手にはアクアリーネの自警団の団長ウイスキーが所持していた、水の癒し剣 アクエリオスが握られている。
2人に追い詰められるサーヤ姫、結城の頭の中で、否、今度は目に見える形で光がサーヤ姫ともう一か所を照らす、その光はいままで見えた感情を表すオーラではなく、結城に何かを伝える光だった。
結城はとっさに観衆の中から飛び出し、もう一か所のひかる場所、城壁の下の地面に駆け寄った、その刹那、アクエリオスから放たれた水の刃がサガに触れたのちにサーヤ姫を襲う。
故意か、偶然かはわからないが、水の刃がサガに触れたおかげで直撃は免れる、しかし、その勢いで城壁から落ちるサーヤ姫。
住民達から悲鳴が湧き上がる、が悲鳴は歓声に変わる。
姫が落ちた先は結城の腕の中、信じられない様子で目をパチクリしているサーヤ姫は、自分を受け止めてくれたのが結城だと気づくと、この場所に結城がいることの偶然と助かったことの奇跡で、泣きながら微笑んだ。
部下のひとりに光の短剣を拾わせると、何か言いたげな部下をよそに、撤退を宣言するサガ、結城に追いついたミロリが弓矢を放つが、サガ達には当たらない。
騎士団の何人かはサガ達の後を追う、ミロリは結城の側に来るとサーヤ姫の無事を確認して、結城に質問した。
ミロリ「結城が急に目的地の城とは違う方向に駆け出すからびっくりしたけど、
どうして姫さまがここに居るってわかったの?」
結城「信じられないかも知れないけど頭の中に光が見えたんだ」
ミロリ「光って、前に結城が言っていたオーラみたいなもの?」
結城「オーラのそれとは、なんか違うような気がする、第一こんなに遠くのオーラが見えた事なんてなかった。」
結城とミロリの会話にサーヤが割って入る。
サーヤ「それは剣の導きかも知れません、私の持っていた光の短剣はブラストマイン王家に伝わる聖剣」
サーヤ「真の所持者の思いに応えて、あるべき道に導く、光の導き剣リバイダンス」
サーヤ「修羅帝はリバイダンスを奪う為にブラストマインに侵攻しました、剣は奪われてしまいましたが、これ以上住民が傷つけられる事はないでしょう。」
結城「修羅帝はなぜその剣を狙って?」
サーヤ「我が王家には聖剣と一緒に伝承が伝わっています。」
サーヤ「7聖剣を集めし者、願えば大樹、その道を開くだろう。」
サーヤ「大樹とは、世界樹ユグドラシル、7聖剣を集めし者に大樹は虹の架け橋ビブレストを出現させて招き入れ、その者のどんな願いも叶えてくれるそうです。」
サーヤ「おそらく修羅帝は自分の願いを叶える為に剣を集めているんでしょう、すでに修羅帝の手にはロストマテリアル、アクエリオス、リバイダンスの3剣があります、他に何本の剣が修羅帝にあるかわかりませんが、私は修羅帝の願いを叶えさせる訳にはいきません。」
サーヤ「私は剣を取り返しに、修羅帝を
追います、結城、貴方はついて来てくれますか?」
結城はすこし混乱した、剣を集めると願いが叶う?しかもどんな願いでも!
いままでゼロだった可能性に一条の光が指す、この世界の願いが現実世界にどう影響するかはわからないが賭けるだけの価値はある。
結城はサーヤの問いに頷く。
結城の頭の中にまた光が見える、その光はブラストマインの遥か彼方の東の国、オリエンタリアを示している。
リーダー「数名単位に分かれ各地区の負傷者を救出した後、皆、王城を目指せ!」
結城はミロリと同行し城に一番近い中央通りを進んだ。
敵の姿はここにはなかったが、街はいい様に蹂躙されており、あちらこちらから上がる炎と煙で前が良く見えない。
街の道傍には、襲われたであろう街の人々がうずくまっている。
ミロリはそれぞれ怪我の程度に合った回復魔法をかけてはいるが、いかんせん数が多すぎる。
怪我が悪化する者も少なからずいるだろう?
結城は軽症の女の人にオリエンタリアが攻めて来た時の事を聞いた。
彼女はゆっくり小さな声で話し始めた。
女性「戦闘が始まった時、オリエンタリアの兵の数は約千五百、対して騎士団は三千。」
女性「皆んな安心したわ、充分守れきれる人数だったから。
でも!王都の城塞門は簡単に突破されたの!」
女性「騎士団が内部分裂したからよ!城塞門を守っていた騎士団の一部が裏切り者探しを始めたの。」
女性「彼らは商人組合を押さえた後、王族にまで手を出そうとした為、それを阻止しようと王城を守る騎士団と交戦に」
女性「私の知っているのはここまで、守る者のいない街はこの有様よ!」
話し始めた時とは明らかに違う口調で彼女は言い放った。
この王都の惨状はオリエンタリアの所為だけでなく騎士団どうしが、争った為だ。
結城はこの時、自分の行ったことの重大さに気づいた。
日数から考えて、確かにオリエンタリアの侵攻には関係ないのかもしれない。
が!騎士団が分裂した事には結城が放った偽情報が関係していることは明らかだ。
その結果がこの有り様だ!
サーヤ姫が不幸になればいい。
ただそれだけの願いの為に多くの人々を不幸にした。
結城は改めて自分のやった事の愚かさに吐き気を覚えて座り込んだ。
ミロリは座り込んでる結城に気がつき治療の手を止め近づいて声をかける。
ミロリ「なにやってるの?、貴方にも出来ることがあるはずよ!」
結城は「あぁ」と、力なく答えるとヨロヨロと立ち上がり近くの怪我人を介抱して回る。
そこに幼い兄妹が泣きながら近づいて結城に問う。
兄「おまえは、冒険者なんだろ、つよいんだろ、だったらなんとかしてくれよ!」
妹「みんな、うごかなくなっちゃたの、
うぇ~ん」
2人に服を掴まれても何もできない自分に、結城の中で何かが変わった気がした、頭の中で感じた光の指す場所に最初はゆっくりと歩き出す。
ミロリが何かを言っているが結城の耳には届かない、歩みはやがてしっかりと、そして最後は目指すところに駆け出していた。
光が指す所は城とは違う方向の城壁の辺り、結城は何かに急かされるようにそこに向かった。
着いた場所で結城が見た光景は、騎士団や住民が劇場の観客のように見守るなか
舞台の役者のように城壁の上に立ち、光の短剣を構えるサーヤ姫と男2人、1人は修羅帝 サガ、もう1人はサガの部下と思われるが、その手にはアクアリーネの自警団の団長ウイスキーが所持していた、水の癒し剣 アクエリオスが握られている。
2人に追い詰められるサーヤ姫、結城の頭の中で、否、今度は目に見える形で光がサーヤ姫ともう一か所を照らす、その光はいままで見えた感情を表すオーラではなく、結城に何かを伝える光だった。
結城はとっさに観衆の中から飛び出し、もう一か所のひかる場所、城壁の下の地面に駆け寄った、その刹那、アクエリオスから放たれた水の刃がサガに触れたのちにサーヤ姫を襲う。
故意か、偶然かはわからないが、水の刃がサガに触れたおかげで直撃は免れる、しかし、その勢いで城壁から落ちるサーヤ姫。
住民達から悲鳴が湧き上がる、が悲鳴は歓声に変わる。
姫が落ちた先は結城の腕の中、信じられない様子で目をパチクリしているサーヤ姫は、自分を受け止めてくれたのが結城だと気づくと、この場所に結城がいることの偶然と助かったことの奇跡で、泣きながら微笑んだ。
部下のひとりに光の短剣を拾わせると、何か言いたげな部下をよそに、撤退を宣言するサガ、結城に追いついたミロリが弓矢を放つが、サガ達には当たらない。
騎士団の何人かはサガ達の後を追う、ミロリは結城の側に来るとサーヤ姫の無事を確認して、結城に質問した。
ミロリ「結城が急に目的地の城とは違う方向に駆け出すからびっくりしたけど、
どうして姫さまがここに居るってわかったの?」
結城「信じられないかも知れないけど頭の中に光が見えたんだ」
ミロリ「光って、前に結城が言っていたオーラみたいなもの?」
結城「オーラのそれとは、なんか違うような気がする、第一こんなに遠くのオーラが見えた事なんてなかった。」
結城とミロリの会話にサーヤが割って入る。
サーヤ「それは剣の導きかも知れません、私の持っていた光の短剣はブラストマイン王家に伝わる聖剣」
サーヤ「真の所持者の思いに応えて、あるべき道に導く、光の導き剣リバイダンス」
サーヤ「修羅帝はリバイダンスを奪う為にブラストマインに侵攻しました、剣は奪われてしまいましたが、これ以上住民が傷つけられる事はないでしょう。」
結城「修羅帝はなぜその剣を狙って?」
サーヤ「我が王家には聖剣と一緒に伝承が伝わっています。」
サーヤ「7聖剣を集めし者、願えば大樹、その道を開くだろう。」
サーヤ「大樹とは、世界樹ユグドラシル、7聖剣を集めし者に大樹は虹の架け橋ビブレストを出現させて招き入れ、その者のどんな願いも叶えてくれるそうです。」
サーヤ「おそらく修羅帝は自分の願いを叶える為に剣を集めているんでしょう、すでに修羅帝の手にはロストマテリアル、アクエリオス、リバイダンスの3剣があります、他に何本の剣が修羅帝にあるかわかりませんが、私は修羅帝の願いを叶えさせる訳にはいきません。」
サーヤ「私は剣を取り返しに、修羅帝を
追います、結城、貴方はついて来てくれますか?」
結城はすこし混乱した、剣を集めると願いが叶う?しかもどんな願いでも!
いままでゼロだった可能性に一条の光が指す、この世界の願いが現実世界にどう影響するかはわからないが賭けるだけの価値はある。
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