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第九章 激闘サンドミラ
その剣は導きのなかに
しおりを挟む結城達の連合軍がサンドミラに着いたのはオリエンタリアを出発してから二十日後のことだった。
サンドミラは大陸の南に位置する国で、
北には砂漠、他を砂海に覆われた陸の孤島である。
到達するには砂漠を越えるか、特殊な船で砂海を渡る必要がある。
結城達がそこで見たものは、雨の様に降り注ぐ矢の中、平然と突き進む黒き軍団!
硬い甲羅と丈夫な皮膚、天然の鎧に覆われた獣人。
タートル族だ、本来、彼等は戦いを嫌い平和を好むおとなしい民族だ。
その彼等が憎悪にも等しい怒りをあらわに突き進む、結城の目には空を覆い尽くす、どす黒いオーラが見える。
どうしてこうなったか?
遡ること2日前、連合軍の船は砂海の入口で砂海獣(サカイジュウ)の襲撃を受けた後、サンドミラ方面から来た一隻の船に遭遇する。
その船は明らかに軍船で大砲まで積んでいる、しかもこちらとの距離は近づく一方で、砂海獣との戦闘を終えたばかりの兵士達は確認をしないままに謎の船を攻撃してしまう。
しかし、その船に乗っていたのは、サンドミラの一般人の女性や子供たちだった、あとから考えれば、この危険な、砂海を移動するのだ、軍船も必要になる。
連合軍の船は全力で救助に当たるが多くの犠牲者をだしてしまう。
しかも、その遺体の何体かがサンドミラの港に流れ着いてしまうという最悪の事態になった、それを発見した彼等の怒りは相当のものだったに違いない。
こうなると、もう彼等を止めるすべは無い、どちらかが死に絶える迄、戦うしかない。
無益な戦いが続く中、結城は仲間達と、この戦いを止める糸口を探していた。
やがて戦いの勝敗がこちらに傾く、いくら丈夫なタートル族と言っても、もともと彼等は戦嫌い、戦い方に慣れていない、連合軍の急所を狙った攻撃に一方的な虐殺の様相を呈して来た。
王都の戦も止められなかった、オリエンタリアでも、このサンドミラで止められないなら俺はこの世界にいる意味はない‼︎
結城は手に持つリバイダンスに強く願う、「願いに応えてくれリバイダンス!」
その願いに応えて光の導きを示すリバイダンス。
が、剣の光が指し示す場所は避難が遅れた残ったタートル族の女性や子供達!
タートル族の兵が守る中心に居る者達、
まさか?住民を人質に攻撃をやめさせよというのか!
「リバイダンス❗️」
戸惑う結城、たが、リバイダンスの導きを信じて駆け出す結城!
結城の行動に戸惑いながらもついてくるミロリ達、結城達の動きに気がついたタートル族も子供のそばに近づけまいと、こちらに向かってくる。
結城達はタートル族を傷つけないように攻撃をかわしながら目的地に向かう、その時、結城達の進路を塞ぐ様に土の壁が迫り上がる。
土の守り剣 プロテクワンズ、タートル族に伝わる聖剣の力だ、壁の高さは約3メートル、
テムジンとサイモンが壁を壊そうと技を放つが、心に迷いがあるのか技に切れがなく破壊できない。
そこにサガが割って入る、ロストマテリアルから放たれた一閃が真っ直ぐに壁を貫いて四方に飛び散る。
一瞬、タートル族の動きが止まる、距離を離す結城達、もう子供達までは間もなくだが結城達は答えを出せないでいる。
このまま剣を持ったままでいいのか?誰もが思った時、其奴は現れた。
砂海獣!しかもいままで遭遇したどの個体よりも巨大な怪物!
リバイダンスが教え導いてくれた答えはこれか!結城達の剣を握る手に力が入る。
あれほどドス黒く染まっていた空が今は赤く染まっている、その色は憎悪の色ではなく闘志の色、いつの間にか連合軍とタートル族の戦いは収まり、協力して砂海獣に向かっていた。
それでも砂海獣の攻撃は激しさを増す、砂海獣はこちらが攻撃しようとすると砂に潜ってしまう、決定打がないまま状況は結城達に不利に傾きつつあった、その時、砂海獣の必殺の一撃が結城達を襲う。
誰もがやられると思った刹那、土の壁が結城達を守る様に迫り上がる。
タートル族の戦士 ムバイがプロテクワンズで味方してくれる、彼等にも思うところは当然あるはずだ、いままで戦っていたのだから、それでも今は子供達を助ける為に結城達に協力してくれている、
その思いに応えなければ。
結城達の攻撃が互いに連携しだすミロリのウインドアローが砂海獣を牽制し、攻撃が来ればムバイが防御して、テムジンとサイモンの技が砂海獣を砂に潜らせる、結城がオーラで場所を特定してリバイダンスで皆に知らせて、サガのロストマテリアルが決まる。
ウイスキーは結城がここにいて欲しい所に常にいる完璧なサポーターだ、流れはこちらにある。
勝利は目前だ、誰もがそう確信した瞬間、アクエリオスの上級広域魔法 メイルシュトロームが戦場全体を覆う。
またしてもロイドが邪魔に入る、それでもタートル族、連合軍共に闘志は衰えない、皆、満身創痍でも立ちあがる。
槍を剣を手に取り女性と子供達を守ろうと砂海獣に向かっていく、人間、タートル関係なく傷を負った者に肩を貸す、足を引きずりながら戦おうとする者まで皆、自分に出来る事をやる為に必死になっている。
そんな戦場を2度目のメイルシュトロームが襲おうとしている、それに気付く結城達、だが結城達とロイドの距離は遠い、今から向かっても発動迄には間に合わない。
ムバイは今、迷っていた、自分のプロテクワンズの攻撃魔法ならメイルシュトロームの発動を止められるかもしれない、
しかし、味方にも相当の犠牲が出る。
プロテクワンズの上級広域攻撃魔法 メテオ、空間上に無数の土の塊を出現させ攻撃範囲内に落とす土属性魔法、攻撃範囲内の者は敵、味方関係なく破壊される諸刃の刃、ムバイは一瞬、味方の方を見る、そして心が決まった、ムバイは放つ!
味方のタートル族の底力を信じて!
空全体を無数の土の塊が覆う、その塊が勢いをつけて降ってきた、この攻撃を防げる者は誰もいない、これではメイルシュトロームを防げても。
結城達は信じられない光景を目撃する、
タートル族の者が連合軍の者に覆い被さり守ろうとする姿、ムバイにはこれがわかっていたのか?
戦いを嫌い、平和を信じるタートル族、彼等の本質は守ろうとる心。
狼狽えるロイド、彼にタートル族が取った行動の意味はわからない、その隙を逃さずにウイスキーがロイドからアクエリオスを奪い返す、砂海獣はサガにより沈黙する。
戦いは終わった、いつのまにかロイドは姿を消している、結城達はこの後どうすればいいかわからない、間違いなくタートル族の一般人を殺しているのだから、
その時、一隻の船が港に着く、救助した人を安全な所まで運んだ船が戻ってきたのだ。
その船にはタートル族の女性、テリアが危険を承知で乗船してくれていた、テリアはプロテクワンズの所持者、ムバイの恋人で聡明な女性、タートル族と連合軍が戦いなる事を予想して止める為に一緒に来てくれたのだ。
テリアもタートル族が連合軍を守っているなんて、まさかこうなるとは予想外だったが、彼女が説明してくれることで、更に話しは上手くいく、後はサンドミラ領を通って極寒の大森林 エルフ領で風の剣を探す。
アクエリオスを取り返したウイスキー、そしてプロテクワンズのムバイを仲間に加えて結城達の連合軍は歩みは開始した。
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