愛してるから忘れます

はるた

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 あれは秋の頃だった。まだ暑さが残っていたけれど開け放した窓から部屋に入ってきた葉が紅葉していたから。

 あの日はいつものメンツで遊ぼうということで私たちは待ち合わせをしていた。

 私はいつもの通り、家が近い佐竹と一緒に待ち合わせ場所へと向かった。

 課題終わんねーと佐竹が嘆き、私がふぁいとと苦笑しながら。

 中身なんてなんにもない話で、高校生という青春真っ只中の貴重で、あっという間に過ぎ去っていく時間を私たちは無駄に消費する。

 今思うともっとできることあったのになぁとちょっぴりの後悔。

 だけど、宝物としていつまでも輝き続ける。

 それが私の青春であり、みんなもさして変わらないのでは無いかと思うのだ。

 そんな感じで無駄に青春を消費していると横を歩いていた佐竹が立ち止まり、ふいに後ろを振り返った。

 それはあまりにも突然で私は気付かずに、佐竹よりも3歩多く歩いてからようやく立ち止まった。

「佐竹?」

「……由佳」

「えっ?」

 佐竹は私の声が聞こえていないようだった。

 しかしそんなこと今はどうでもよく、由佳という佐竹の発した名前によって私の温度がサーっと下がっていく。

 目の前にいるのだろうか。由佳が。

 佐竹は「まって」とさっき歩いた道を駆け足で戻り始める。

 「佐竹!」

 行っちゃダメだ。

 私は佐竹を追う。けれど追いつけない。

 足が重い。道が沼になったかのように何かが私の足にずっしりと絡みつく。

 佐竹はその間に人混みに紛れてしまって姿が見えなくなった。

 見失った……。

 途端に足への抵抗がなくなり私は転んだ。膝が擦れて血が滲む。

 「佐竹……」私はよろよろと立ち上がり、少し考えてから電話した。

 相手は舞。待ち合わせをしている私の友達の1人だ。私は舞に佐竹が由佳を見て追っていってしまったと簡単に説明して、みんなにも探すのを手伝って欲しいと伝える。

 舞は嘘でしょと言ったけれど、すぐに分かったと返事をしてくれた。

 次に私は佐竹に電話をかけたが予想通り出なかった。

 私は舞たちと合流し、佐竹を探した。
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