1メートルの隣人

はるた

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 私のクラスの教室はA棟の3階にある。

 この前はB棟の4階からあの場所へ続く扉が開いていたから、今回も同じようにB棟まで行ってみた。

 もしかしたらA棟でも良いのかもしれないけれど、できる限り同じにしてみる。

 10分休みが終わるチャイムが鳴る。ジカツカの授業が始まる。

 私は屋上の扉をじっと見つめる。

 すると、南京錠がスウッと雪が解けるように消え、屋上の扉はゆっくりと開き、明るい光が差し込んだ。

「開いた……」

 私はトントンと軽やかに階段を上がり、扉をくぐる。

 私の目の前にはこの前と同じ、屋上のようで屋上じゃない「逃げ場」がそこにはあった。

 扉を見ると閉じてはいたが、消えてはいなかった。

 なんでだろうと少し疑問に思いつつも私はフェンスまで歩き、座った。

 今日はゆっくりここで過ごそう。

 私は持ってきた文庫本を読み始める。

 私は本が好きだ。

 本を開けば私の知らない世界に一瞬で入り込めて、私は私じゃない誰かになれる。

 一人で本ばかり読む私のことを人は変だとか可哀想だとか言うけれど、私からしてみればこんなに素敵な時間を知らないなんてもったいないと思う。

 人の幸せなんて人それぞれなのに自分の価値観を押し付ける人は嫌いだ。

 それでもみんながおかしな子と言うから、分からないままみんなと同じようになろうと努力したこともある。

 まぁ結局失敗に終わってしまってこの有様なんだけど。
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