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23 お父様に話す
「お父様……お忙しいのに突然おしかけてしまってごめんなさい」
翌日、私は大学にいる父に会いにきていた。
「いいんだよ。ちょうど今日の講義が延期になって、暇が出来たところだったんだ。一体、どうしたんだね?」
「実、は──」
私は喉がひりついて、上手く言葉が出なかった。
勇気を出さなきゃ。
私が言い淀んでいると、お父様が「そういえば」と話をふってきた。
「先日カルバ公爵から驚く話を聞いたんだよ。お前が王都の別荘を売りに出したので公爵が買ったらしくてな。買い手が多くて三倍の値段で競り落としたと。私は初耳だよ。ルイーゼ、どうして別荘を売ったんだ?」
「わ、私が買ったのではありませんの」
「は?お前が買わないで、誰が買ったのだ?」
「……ダミアンです。ダミアンがモニカが欲しがったからと、その別荘を……」
「何だと!?」
お父様が声を荒げた。
「あの物件は元値は1億リル以上の超高額物件だぞ?どうしてダミアンがモニカにそんな高額なものを買い与えるんだ!?私は聞いていないぞ?」
「そ、それは──っ」
私はぐっと押し黙った。
「実は、実は、──」
苦痛の表情で告白を始めた私を見て、お父様はふと眉根をひそめた。
「あの二人、は──」
言葉がなかなか出ず、私は歯を食いしばった。
「まさか」
何かを察し、お父様が私に歩み寄ってきた。
「まさか、あの二人は人に言えない仲なのか!?」
ぶわっと私の両目から涙が溢れ出した。私はたまらず顔を覆った。
「うう──」
くぐもった私の嗚咽が部屋に響いた。気づくと、お父様のあたたかい両腕が私の背を抱いた。
「信じられん!何ということだ……!ルイーゼがいながらあの男、とんだ不義理をしおって!しかも相手がモニカだとは!……ルイーゼ、それで今まで私に言えなかったんだね?」
こくん、と私は父に抱かれたままうなずいた。
「可哀想なことをした。私がもっと早く気づいてあげるべきだった……ブローチの件は、氷山の一角だったんだな?」
「ううう」
お父様はむせび泣く私の背中を何度もさすってくれた。
「大丈夫だ。私がモニカとダミアンに話をしよう」
やっぱり、お父様は私の味方だった。
私は心を占めていた大きな荷物を下ろしたような気持ちになった。
「お父様、少し待ってくださる?私、直接ダミアンと話し合ってみます」
お父様に話せて私は気持ちが前向きになった。
まずは夫に本心をぶつけてみよう。
ちゃんと自分の気持ちを伝えれば、あの人も改心してくれるかもしれない。
この時、私はわずかな希望を抱いてしまった。
「……わかった。ルイーゼの気が済むようにするといい。何か困ったら、いつでも私を頼るんだぞ」
「はい。ありがとう、お父様」
私はお父様にハグをして別れた。
その夜、私室で夫に本心をぶつけた私は、信じられない夫の言動を耳にすることになる──
翌日、私は大学にいる父に会いにきていた。
「いいんだよ。ちょうど今日の講義が延期になって、暇が出来たところだったんだ。一体、どうしたんだね?」
「実、は──」
私は喉がひりついて、上手く言葉が出なかった。
勇気を出さなきゃ。
私が言い淀んでいると、お父様が「そういえば」と話をふってきた。
「先日カルバ公爵から驚く話を聞いたんだよ。お前が王都の別荘を売りに出したので公爵が買ったらしくてな。買い手が多くて三倍の値段で競り落としたと。私は初耳だよ。ルイーゼ、どうして別荘を売ったんだ?」
「わ、私が買ったのではありませんの」
「は?お前が買わないで、誰が買ったのだ?」
「……ダミアンです。ダミアンがモニカが欲しがったからと、その別荘を……」
「何だと!?」
お父様が声を荒げた。
「あの物件は元値は1億リル以上の超高額物件だぞ?どうしてダミアンがモニカにそんな高額なものを買い与えるんだ!?私は聞いていないぞ?」
「そ、それは──っ」
私はぐっと押し黙った。
「実は、実は、──」
苦痛の表情で告白を始めた私を見て、お父様はふと眉根をひそめた。
「あの二人、は──」
言葉がなかなか出ず、私は歯を食いしばった。
「まさか」
何かを察し、お父様が私に歩み寄ってきた。
「まさか、あの二人は人に言えない仲なのか!?」
ぶわっと私の両目から涙が溢れ出した。私はたまらず顔を覆った。
「うう──」
くぐもった私の嗚咽が部屋に響いた。気づくと、お父様のあたたかい両腕が私の背を抱いた。
「信じられん!何ということだ……!ルイーゼがいながらあの男、とんだ不義理をしおって!しかも相手がモニカだとは!……ルイーゼ、それで今まで私に言えなかったんだね?」
こくん、と私は父に抱かれたままうなずいた。
「可哀想なことをした。私がもっと早く気づいてあげるべきだった……ブローチの件は、氷山の一角だったんだな?」
「ううう」
お父様はむせび泣く私の背中を何度もさすってくれた。
「大丈夫だ。私がモニカとダミアンに話をしよう」
やっぱり、お父様は私の味方だった。
私は心を占めていた大きな荷物を下ろしたような気持ちになった。
「お父様、少し待ってくださる?私、直接ダミアンと話し合ってみます」
お父様に話せて私は気持ちが前向きになった。
まずは夫に本心をぶつけてみよう。
ちゃんと自分の気持ちを伝えれば、あの人も改心してくれるかもしれない。
この時、私はわずかな希望を抱いてしまった。
「……わかった。ルイーゼの気が済むようにするといい。何か困ったら、いつでも私を頼るんだぞ」
「はい。ありがとう、お父様」
私はお父様にハグをして別れた。
その夜、私室で夫に本心をぶつけた私は、信じられない夫の言動を耳にすることになる──
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