24 / 26
Ep.2-19
一方、実はこの場で、別の陰謀が仕掛けられていたことにヴィヴィアンもアレクたちも気づいていなかった。
復位の儀に第一側妃として臨席しているデリカが侍従により運ばれてきた王妃の冠を見て、ほくそ笑んだ。
毒針をしこんだ冠とすり替えておいたわ。
今日がお前の最後の日よ、魔女め。
隣に立っている第二側妃ミアは、にやつくデリカを軽蔑したような目で見ている。
ビロードのクッションに置かれた冠が冷たい光を放った。
ヴィヴィアンがジェハスの前で膝を折る。
ジェハスが冠を受け取り、ヴィヴィアンの頭上に冠を掲げ、そのまま載せた。
ついにやった!!!
もだえ苦しんで死ぬ姿を想像していたデリカだったが、ヴィヴィアンはいっこうに倒れなかった。
「どうしてよ!毒はどうしたの!!」
ついデリカは大声で叫んだ。
「え?」
みながデリカを見る。
ミアの隣にいたアーシャが「どういうことですの?」と問う。
デリカは慌てて、両手で口を押さえている。
ジェハスがデリカを鬼の形相でにらむ。
「毒だと?まさか王妃暗殺を企んだのか!?」
「ミア、助けて頂戴!」
ミアは、あわあわして助けを求めたデリカの背中をどんと突き飛ばした。
「きゃ!」
床に転んで手をつくデリカ。
「何するの!?」
デリカの非難は取り合おうとせず、ミアはジェハスにこう訴えた。
「王妃様暗殺を私は阻止しました!この女が王妃様の冠に毒を仕込んでいたのを知り、元の王冠とすり替えておきましたの!」
褒めて欲しいとばかりに、ミアは聴衆にもアピールした。
唐突な暴露話に聴衆は混乱している。
「余計なことを──!」
グラントたちは想定外の出来事に、タイミングを計れずにいる。
「バカ女どもが!大事な復位の儀を邪魔しおって!」
ミアはなぜ自分までののしられるのか、理解できなかった。
「なぜ?私は王妃暗殺を未然に──」
「なぜ儀式の前にそのことを伝えなかった?おかげでこんな危険な女の同席を許してしまったではないか!お前も同罪だ、ミア!」
「そ、そんな──!」
ジェハスは褒めるどころか、ミアに罵声を浴びせた。
「お許しください!つい魔がさしたのです、どうか、どうか──!」
がちがち震えて命乞いするデリカと一緒に、ミアも連行されていった。
二人は自滅した。悪妃たちは王宮から追い出されることになった。
「なんだ?誰か連れて行かれたぞ?」
「側妃が何かしたのか?」
まだ霧が薄いヴェールのように広がっており、聴衆は起こっていることがよくわかっていない。
「ヴィヴィアン、すまなかったな。これではれて再び夫婦となった」
ジェハスはヴィヴィアンの手を取った。
霧が邪魔だわ。
ジェハスの血を聴衆に暴露したいのに、これでは何が起こっているかよく見えない。
霧をはらす必要があるわ。
ヴィヴィアンは表向きはジェハスに微笑みながら、心では仕掛けるタイミングを見計らっていた。
急がないと……
戴冠が終わったということは、このあとすぐにヴィヴィアンたちは退場してしまう!
広場の片隅で、焦る心を必死に落ち着かせながら、アレクは聴衆の外側から弓を構えた。
狙うのはヴィヴィアンの右腕にはめられた腕輪だ。さらには、直径2センチ程度の魔封じの黒石を砕かなければならない。
だが、霧が波のように動き、アレクの視界をさえぎる。
腕輪までの距離、約80メートル。
警備兵に気づかれないようにするにはある程度、離れた場所から射る必要があった。
失敗は許されない。チャンスは一度だけだ。
もう少し、もう少し、腕輪を高く上げてくれ、ヴィヴィアン。
アレクの額に冷や汗が流れた。
ヴィヴィアンがなかなか矢を射ないアレクを察し、ジェハスの肩に手をかけるふりをして、右手を高く上げた。
今だ!
アレクから放たれた矢が寸分のズレもなく軌道を描き、霧の海を抜けていく。
腕輪が迫る──
ッシュガギン!
見事、魔封じの黒石が砕けた。
「やった!!!」
ヴィヴィアンの体に再び魔力が満ちてきた。
「なんだ、今のは!?誰か矢を射たのか!!?」
ジェハスが完全に気付く前に!
ヴィヴィアンは素早く呪文を唱えた。
──風よ、霧を断て。
突然、広場に風が吹き始め、霧を遠くへ運んでいった。
「急に霧が晴れたぞ?」
「おい、あれが王妃様か!?」
「噂には聞いていたが、なんて美しさだ!」
聴衆はにわかに開けた視界にはっきりと姿を現したヴィヴィアンに、感嘆の声をもらした。
時は満ちた。
今、ジェハスの偽りの血を証明すれば、確実に彼を倒せる。
グラントと仲間の騎士たちが聴衆の間から一斉に飛び出した。
騎士たちが警備兵と切り結んでいる間、グラントが壇上に飛び乗った。
グラントを狙って数人の狙撃手が銃口を向けた。
ッシュバシュバッ!
アレクの矢が立て続けに狙撃手の眉間に突き刺さった。
「ジェハス!スーザンとロン男爵の仇だ!!!」
背後から切り掛かったグラントの剣が、ジェハスの脇腹に突き刺さった。
「きゃあああ!陛下が!」
霧がはれたことで、起こっていることが周知のこととなった。
逃げ出すものもいたが、多くの聴衆は突然はじまった暗殺劇に釘付けになっている。
ジェハスは苦痛の顔も見せず、グラントの剣を引き抜いた。
「なぜだ!?」
刺し傷からなぜか血が流れない。
これでは血を布に染み込ませることができない。
ジェハスは人並外れた筋力で傷を一時的にふさぎ、止血したのだ。
父グスタフは戦場で傷を負っても血さえ出ないと言われていた。グスタフの武神のような体をジェハスも受け継いでいた。
信じられない光景に、聴衆がどよめいている。
「怪物か!?」
「騎士を応援したいが、あんなやつに勝てるのか?」
アレクがジェハスの腕に矢を射たが、ジェハスは小さなトゲを抜くかのように矢を引っこ抜いて捨てた。
もう一度剣で突こうとするグラントをなぐりつけたジェハスは、グラントの頭をつかみ、高台の下へ投げ飛ばした。
味方の騎士たちも、応援に来た王立軍の兵士たちに次々と取り押さえられていく。
まずい、早くけりを付けないと!
今度は兵から銃を奪ったアレクがジェハスの肩を撃ち抜いた。
だがやはりジェハスの傷口からは血が出なかった。
「銃もだめなのか!」
ジェハスはアレクを見つけ、壇上に引きずり上げた。
「アレク!!」
ヴィヴィアンが駆け寄ろうとすると、ジェハスが兵から槍を受け取り、アレクの腕を槍で突き刺した。
「ぐあ!」
「アレク!」
「動くな、ヴィヴィアン。お前がもう迷わなくていいように、こいつの息の根を止めてやる」
ジェハスはアレクが逃げないように腹を踏みつけた。
計画は失敗だ。
せめてヴィヴィアンだけでも──!
「ヴィヴィアン、逃げろ!!」
アレクが叫ぶ。
ジェハスがアレクの胸めがけて槍を構えた瞬間。
ヴィヴィアンがナイフで自身の胸を突いた。
復位の儀に第一側妃として臨席しているデリカが侍従により運ばれてきた王妃の冠を見て、ほくそ笑んだ。
毒針をしこんだ冠とすり替えておいたわ。
今日がお前の最後の日よ、魔女め。
隣に立っている第二側妃ミアは、にやつくデリカを軽蔑したような目で見ている。
ビロードのクッションに置かれた冠が冷たい光を放った。
ヴィヴィアンがジェハスの前で膝を折る。
ジェハスが冠を受け取り、ヴィヴィアンの頭上に冠を掲げ、そのまま載せた。
ついにやった!!!
もだえ苦しんで死ぬ姿を想像していたデリカだったが、ヴィヴィアンはいっこうに倒れなかった。
「どうしてよ!毒はどうしたの!!」
ついデリカは大声で叫んだ。
「え?」
みながデリカを見る。
ミアの隣にいたアーシャが「どういうことですの?」と問う。
デリカは慌てて、両手で口を押さえている。
ジェハスがデリカを鬼の形相でにらむ。
「毒だと?まさか王妃暗殺を企んだのか!?」
「ミア、助けて頂戴!」
ミアは、あわあわして助けを求めたデリカの背中をどんと突き飛ばした。
「きゃ!」
床に転んで手をつくデリカ。
「何するの!?」
デリカの非難は取り合おうとせず、ミアはジェハスにこう訴えた。
「王妃様暗殺を私は阻止しました!この女が王妃様の冠に毒を仕込んでいたのを知り、元の王冠とすり替えておきましたの!」
褒めて欲しいとばかりに、ミアは聴衆にもアピールした。
唐突な暴露話に聴衆は混乱している。
「余計なことを──!」
グラントたちは想定外の出来事に、タイミングを計れずにいる。
「バカ女どもが!大事な復位の儀を邪魔しおって!」
ミアはなぜ自分までののしられるのか、理解できなかった。
「なぜ?私は王妃暗殺を未然に──」
「なぜ儀式の前にそのことを伝えなかった?おかげでこんな危険な女の同席を許してしまったではないか!お前も同罪だ、ミア!」
「そ、そんな──!」
ジェハスは褒めるどころか、ミアに罵声を浴びせた。
「お許しください!つい魔がさしたのです、どうか、どうか──!」
がちがち震えて命乞いするデリカと一緒に、ミアも連行されていった。
二人は自滅した。悪妃たちは王宮から追い出されることになった。
「なんだ?誰か連れて行かれたぞ?」
「側妃が何かしたのか?」
まだ霧が薄いヴェールのように広がっており、聴衆は起こっていることがよくわかっていない。
「ヴィヴィアン、すまなかったな。これではれて再び夫婦となった」
ジェハスはヴィヴィアンの手を取った。
霧が邪魔だわ。
ジェハスの血を聴衆に暴露したいのに、これでは何が起こっているかよく見えない。
霧をはらす必要があるわ。
ヴィヴィアンは表向きはジェハスに微笑みながら、心では仕掛けるタイミングを見計らっていた。
急がないと……
戴冠が終わったということは、このあとすぐにヴィヴィアンたちは退場してしまう!
広場の片隅で、焦る心を必死に落ち着かせながら、アレクは聴衆の外側から弓を構えた。
狙うのはヴィヴィアンの右腕にはめられた腕輪だ。さらには、直径2センチ程度の魔封じの黒石を砕かなければならない。
だが、霧が波のように動き、アレクの視界をさえぎる。
腕輪までの距離、約80メートル。
警備兵に気づかれないようにするにはある程度、離れた場所から射る必要があった。
失敗は許されない。チャンスは一度だけだ。
もう少し、もう少し、腕輪を高く上げてくれ、ヴィヴィアン。
アレクの額に冷や汗が流れた。
ヴィヴィアンがなかなか矢を射ないアレクを察し、ジェハスの肩に手をかけるふりをして、右手を高く上げた。
今だ!
アレクから放たれた矢が寸分のズレもなく軌道を描き、霧の海を抜けていく。
腕輪が迫る──
ッシュガギン!
見事、魔封じの黒石が砕けた。
「やった!!!」
ヴィヴィアンの体に再び魔力が満ちてきた。
「なんだ、今のは!?誰か矢を射たのか!!?」
ジェハスが完全に気付く前に!
ヴィヴィアンは素早く呪文を唱えた。
──風よ、霧を断て。
突然、広場に風が吹き始め、霧を遠くへ運んでいった。
「急に霧が晴れたぞ?」
「おい、あれが王妃様か!?」
「噂には聞いていたが、なんて美しさだ!」
聴衆はにわかに開けた視界にはっきりと姿を現したヴィヴィアンに、感嘆の声をもらした。
時は満ちた。
今、ジェハスの偽りの血を証明すれば、確実に彼を倒せる。
グラントと仲間の騎士たちが聴衆の間から一斉に飛び出した。
騎士たちが警備兵と切り結んでいる間、グラントが壇上に飛び乗った。
グラントを狙って数人の狙撃手が銃口を向けた。
ッシュバシュバッ!
アレクの矢が立て続けに狙撃手の眉間に突き刺さった。
「ジェハス!スーザンとロン男爵の仇だ!!!」
背後から切り掛かったグラントの剣が、ジェハスの脇腹に突き刺さった。
「きゃあああ!陛下が!」
霧がはれたことで、起こっていることが周知のこととなった。
逃げ出すものもいたが、多くの聴衆は突然はじまった暗殺劇に釘付けになっている。
ジェハスは苦痛の顔も見せず、グラントの剣を引き抜いた。
「なぜだ!?」
刺し傷からなぜか血が流れない。
これでは血を布に染み込ませることができない。
ジェハスは人並外れた筋力で傷を一時的にふさぎ、止血したのだ。
父グスタフは戦場で傷を負っても血さえ出ないと言われていた。グスタフの武神のような体をジェハスも受け継いでいた。
信じられない光景に、聴衆がどよめいている。
「怪物か!?」
「騎士を応援したいが、あんなやつに勝てるのか?」
アレクがジェハスの腕に矢を射たが、ジェハスは小さなトゲを抜くかのように矢を引っこ抜いて捨てた。
もう一度剣で突こうとするグラントをなぐりつけたジェハスは、グラントの頭をつかみ、高台の下へ投げ飛ばした。
味方の騎士たちも、応援に来た王立軍の兵士たちに次々と取り押さえられていく。
まずい、早くけりを付けないと!
今度は兵から銃を奪ったアレクがジェハスの肩を撃ち抜いた。
だがやはりジェハスの傷口からは血が出なかった。
「銃もだめなのか!」
ジェハスはアレクを見つけ、壇上に引きずり上げた。
「アレク!!」
ヴィヴィアンが駆け寄ろうとすると、ジェハスが兵から槍を受け取り、アレクの腕を槍で突き刺した。
「ぐあ!」
「アレク!」
「動くな、ヴィヴィアン。お前がもう迷わなくていいように、こいつの息の根を止めてやる」
ジェハスはアレクが逃げないように腹を踏みつけた。
計画は失敗だ。
せめてヴィヴィアンだけでも──!
「ヴィヴィアン、逃げろ!!」
アレクが叫ぶ。
ジェハスがアレクの胸めがけて槍を構えた瞬間。
ヴィヴィアンがナイフで自身の胸を突いた。
あなたにおすすめの小説
【完結】私を裏切った不倫夫に「どなたですか?」と微笑むまで 〜没落令嬢の復讐劇〜
恋せよ恋
恋愛
「早くあんな女と別れて、可愛い子と一緒になりたいよ」
不倫中の夫が笑う声を聞き、絶望の中で事故に遭うジェシカ。
結婚五年目に授かったお腹の子を失った彼女は、
「記憶を失ったフリ」で夫と地獄の婚家を捨てることを決意。
元男爵令嬢の薄幸ヒロインは、修道院で静かに時を過ごす。
独り身領主の三歳の男の子に懐かれ、なぜか領主まで登場!
無実の罪をなすりつけ、私を使い潰した報いを受けなさい。
記憶喪失を装った没落令嬢による、「ざまぁ」が幕を開ける!
※本作品には、馬車事故による流産の描写が含まれます。
苦手な方はご注意ください。主人公が絶対に幸せになる
物語ですので、安心してお読みいただければ幸いです。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。
四季
恋愛
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。
「奇遇ですね。私の婚約者と同じ名前だ」
もちもちほっぺ
恋愛
侯爵家の令嬢リリエット・クラウゼヴィッツは、伯爵家の嫡男クラウディオ・ヴェステンベルクと婚約する。しかし、クラウディオは婚約に反発し、彼女に冷淡な態度を取り続ける。
学園に入学しても、彼は周囲とはそつなく交流しながら、リリエットにだけは冷たいままだった。そんな折、クラウディオの妹セシルの誘いで茶会に参加し、そこで新たな交流を楽しむ。そして、ある子爵子息が立ち上げた商会の服をまとい、いつもとは違う姿で社交界に出席することになる。
その夜会でクラウディオは彼女を別人と勘違いし、初めて優しく接する。
手放したくない理由
もちもちほっぺ
恋愛
公爵令嬢エリスと王太子アドリアンの婚約は、互いに「務め」として受け入れたものだった。貴族として、国のために結ばれる。
しかし、王太子が何かと幼馴染のレイナを優先し、社交界でも「王太子妃にふさわしいのは彼女では?」と囁かれる中、エリスは淡々と「それならば、私は不要では?」と考える。そして、自ら婚約解消を申し出る。
話し合いの場で、王妃が「辛い思いをさせてしまってごめんなさいね」と声をかけるが、エリスは本当にまったく辛くなかったため、きょとんとする。その様子を見た周囲は困惑し、
「……王太子への愛は芽生えていなかったのですか?」
と問うが、エリスは「愛?」と首を傾げる。
同時に、婚約解消に動揺したアドリアンにも、側近たちが「殿下はレイナ嬢に恋をしていたのでは?」と問いかける。しかし、彼もまた「恋……?」と首を傾げる。
大人たちは、その光景を見て、教育の偏りを大いに後悔することになる。
ため息ひとつ――王宮に散る花びらのように
柴田はつみ
恋愛
「離縁を、お願いしたいのです」
笑顔で、震えずに、エレナはそう言った。
夫は言葉を失った。泣いてくれれば、怒ってくれれば、まだ受け止め方があった。しかしあの静けさは、エレナがもう十分に泣き終わった後の顔だと、ヴィクトルにはわかった。
幼なじみと結ばれた三年間。すれ違いは静かに始まり、深紅のドレスの令嬢によって加速した。ため息を飲み込み、完璧な微笑みを保ち続けた公爵夫人が、最後に選んだのは――。
王宮に散る花びらのような、夫婦の崩壊と再生の物語。
姉の方を所望していたと言った婚約者に、突然連れ帰られて気づいたら溺愛されています
もちもちほっぺ
恋愛
侯爵家の地下室に住み、姉の食べかけで飢えをしのぎ、婚約者には初対面で「老婆のようだ、姉の方がよかった」と言われた令嬢リリアーナ。
ある日その婚約者に問答無用で公爵邸に連れ帰られた。
庭の恵みを口にするたびに肌が輝き、髪が艶めき、体に力が満ちていく。首に巻いたお守りの秘密、十数年続く国の不作の真実、虐げられ続けた令嬢の出生の謎。
全てが明かされる時、地下室令嬢の逆転劇が始まる。
なお婚約者は今日も庭でグルメリポートを最後まで聞いている。
結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました
ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。
ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。
王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。
そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。
「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。