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4 代償が訪れる
オースト侯爵家との婚約を破談にしたアダムスの家にその代償が次々と訪れることになった。
アダムスが父と自宅に戻ってきたとき、妹のテレーゼが激しく泣いていた。
「テレーゼ、一体どうしたんだ!?」
心配して声をかけたアダムスをテレーゼは仇のようにぎっと睨んだ。3歳年下の妹をアダムスはとても可愛がっていたので、なぜ普段は穏やかで可愛い妹が自分にそんな視線を向けるのか理解できなかった。
「まさかテレーゼ」
父親の男爵だけが何かを察したようだった。
「そうよ!伯爵様との縁談が破談になったのよ!!」
「そんな!伯爵はどうしてそんなひどいことを」
考えが及ばないアダムスが伯爵を非難した。
「お兄様のせいよ!!お兄様がエバンジェリン様を裏切ったと王国中に話が広まって、その妹である私は伯爵様から捨てられたの……!」
そう叫んだ後テレーゼは嗚咽し続けた。
「テレーズ……可哀想に」
男爵がテレーゼを抱き締めなぐさめた。嘆き悲しむ妹の姿にアダムスは胸が痛んだ。伯爵がなぜそんなにオースト侯爵家を恐れているのかアダムスはまだ理解できていなかった。
「カレン様がお帰りになりました」
執事が慌てたように知らせてきた。ドタドタと乱暴な足音が近づいてくる。姉のカレンが部屋に入った途端、目を釣り上げてアダムスを睨んだ。
「ちょっとアダムス!!このバカ男!!!」
いきなり罵倒されアダムスはひるんだ。
「な、なんだよ姉さん。いきなり」
カレンはアダムスの胸ぐらをつかんで放り投げた。アダムスは床に投げ出された。女性の力とは思えない暴力ぶりだった。
「あんたのせいで離縁されたわ!!子どもとも一生会わせないって」
床に尻餅をついているアダムスを睨んだまま、カレンの目にみるみる涙がたまっていった。姉のカレンは子爵家に嫁いでいた。温厚な夫で夫婦仲もよく3人の男子を産み大事にされていた。
血走った目でカレンが叫んだ。
「オースト侯爵家をないがしろにしたからよ!!うちはもうおしまいよ!」
カレンが憔悴したようにへたりこんだ。男爵はテレーゼを抱きしめながらカレンの様子に頭を抱えた。
「破談に離縁……」
立て続けに身内に起こった事態にアダムスは蒼白になった。
「アダムス、それだけではないぞ。今日、お得意先からうちの農産物の取引を全て停止された」
アダムスの家は小さな領地で農産物を作り、それを売ることを生業にしていた。多くはないその売り上げでなんとか男爵家の品位を保っていた。
「全てですか!?でもほとぼりが冷めたらまた取引再開できるんですよね?」
楽観的なアダムスに男爵はこの世の終わりのようなため息を吐いた。
「二度と無理だろう。オースト家を裏切ったというレッテルを貼られてしまってはもう」
「そんな……」
オースト侯爵から処分を言い渡される前に、周りが男爵家から距離を取り始めていた。アダムスはようやく自分がしでかした事の重大さに気づき始めていた。
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「テレーゼ、一体どうしたんだ!?」
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「あんたのせいで離縁されたわ!!子どもとも一生会わせないって」
床に尻餅をついているアダムスを睨んだまま、カレンの目にみるみる涙がたまっていった。姉のカレンは子爵家に嫁いでいた。温厚な夫で夫婦仲もよく3人の男子を産み大事にされていた。
血走った目でカレンが叫んだ。
「オースト侯爵家をないがしろにしたからよ!!うちはもうおしまいよ!」
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「アダムス、それだけではないぞ。今日、お得意先からうちの農産物の取引を全て停止された」
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