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7 嫉妬
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大理石がふんだんに使われた品格ただよう王の間。豪勢なビロードの玉座にユークリッドが座っている。
その前に、華やかに着飾った数人の令嬢が並んでいる。
「ユークリッド陛下」
令嬢たちは一斉に優雅なカーテシーでユークリッドに向け挨拶をする。
「陛下におかれましては、ごきげんうるわしく」
黄色味の強いブロンドのデルタ・ライラ・ペールトンが強い視線を送ってくる。王妃候補筆頭の公爵令嬢だ。父親そっくりな気の強い目をしている。
「ああ。皆も息災で何よりだ。詩の朗読会をしているそうだな。今度聞かせてくれ」
令嬢たちはユークリッドに声をかけてもらえて色めき立った。レオは王としての振る舞いがだんだん板についてきたユークリッドにほっとした。
まだ危なっかしいところはあるが…それもまた守り甲斐があるというもの。
レオはユークリッドが誇らしかった。先王・先王妃両陛下が狩場の事故で亡くなった後も、悲しみを引きずらず、一国の主人として気丈に振る舞っていた。
だがそんなレオの期待に反して、ユークリッドの頭の中は違うことでいっぱいだったようだ。
「離れにいくぞ。渡したいものがあるんだ」
令嬢たちとの会合の後、さっそくユークリッドはローザリアの元へ足を向けた。
「陛下!あの娘より令嬢たちともっと時間をお過ごしください」
「遠慮する。予定通り会合に出席したのだからもういいだろう?」
「陛下!」
いつからこんなにわがままになった?
レオは、真っ直ぐに王道を進みつつあると思ったユークリッドが道を外している気がして苛立ちを覚えた。王太子だった頃からユークリッドはいつも自分を頼ってきてくれた。レオもそんなユークリッドを弟のように慈しんできた。
それなのに。
あの娘、邪魔かもしれんな。
レオはユークリッドの心を掴んだローザリアに対して悪感情を抱き始めていた。
その前に、華やかに着飾った数人の令嬢が並んでいる。
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令嬢たちは一斉に優雅なカーテシーでユークリッドに向け挨拶をする。
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黄色味の強いブロンドのデルタ・ライラ・ペールトンが強い視線を送ってくる。王妃候補筆頭の公爵令嬢だ。父親そっくりな気の強い目をしている。
「ああ。皆も息災で何よりだ。詩の朗読会をしているそうだな。今度聞かせてくれ」
令嬢たちはユークリッドに声をかけてもらえて色めき立った。レオは王としての振る舞いがだんだん板についてきたユークリッドにほっとした。
まだ危なっかしいところはあるが…それもまた守り甲斐があるというもの。
レオはユークリッドが誇らしかった。先王・先王妃両陛下が狩場の事故で亡くなった後も、悲しみを引きずらず、一国の主人として気丈に振る舞っていた。
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いつからこんなにわがままになった?
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それなのに。
あの娘、邪魔かもしれんな。
レオはユークリッドの心を掴んだローザリアに対して悪感情を抱き始めていた。
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