亡命聖女─アンデッドを祓える力は内緒だけど、隣の大陸の王陛下が溺愛してくる

nanahi

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4 懐疑

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「レオ、あの子のことは他の者には内密に」


ユークリッドは廊下に出て、控えていた護衛のレオに念を押した。レオは精悍な小麦色の肌の腹心の部下だ。


「承知しております。しかし一体何者でしょう。あれほど全身傷だらけで…よいのですか?正体不明の者を王宮に入れて。他国の罪人かもしれませんが」


レオは理知的な紺色の目をローザリアのいる部屋の方へ向けた。


「さくら色の髪に金色の目…確かに言葉が片言だし見たことのない人種だが、深い事情があるのだろう。傷が癒えるまでしばらく匿ってやろうと思う」

「…」

「不服そうだな?」


レオは少し眉をひそめたままユークリッドに不満げな視線を返した。ユークリッドはレオのそういう正直な所を気に入っていた。王となると周りの者が少しでも自分の利益になるよういい顔をしてすり寄ってくる。

だがレオは違った。5歳年上で幼い頃より兄のようにそばにいてくれるこの男は、昔と今と自分への態度も変わらない。


「陛下の御意向です。従いますよ」


しぶしぶレオは返事をしたが、これまで令嬢に興味を持ったこともないユークリッドがなぜこんなにローザリアと名乗る少女に親切にするのか、疑問が残ったままだった。


あの娘が陛下の害になるかどうか、見極めなければならんな。


レオは懐疑的な目で離れの方を一瞥し、大切な主人であるユークリッドの背中をしばし見つめた。





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