亡命聖女─アンデッドを祓える力は内緒だけど、隣の大陸の王陛下が溺愛してくる

nanahi

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66 ほころび

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だが、ローザリアとユークリッドの蜜月は長くは続かなかった。

レオはユークリッドに無断で隣のジェム大陸の各国に密書を送っていた。その内容は、バルクレー王を殺したアンデッドがいかに恐ろしいか、聖女ローザリアがいない国は滅ぶしか道がない、など恐怖をあおるものだった。

バルクレー死去の話はまたたく間にジェム大陸にとどろいた。しかもあれだけ武に優れたバルクレーがアンデッドに惨殺されたという噂が一人歩きし、ジェム大陸中の国々は恐怖にかられた。

自分たちが生き残るため躍起になってローザリア奪還に動き始めた。ジェム大陸の王国同士が手を組み、兵士や武器を乗せた連合艦隊がスフェーン大陸に向かった。


「このままでは大陸同士の戦争が始まってしまいます!」


緊急会議で貴族が声を荒げた。ルクセン王国の海に連合艦隊の影が現れたのだ。大勢の兵士が乗船している。これは平和裏に交渉する気などないというのは明白だった。


「万が一、聖女様を奪われでもすればアンデッドを抑えられない。何が何でも渡してはならない!」

「断固戦おうではないか!」

「しかし、我が国だけで太刀打ちできるのか!?」


会議は紛糾を極めている。ローザリアを争いの渦中に放り込み、ユークリッドと引き離す。これがレオの作戦だった。

緊迫した状況の中、レオの思惑通り、ジェム大陸の連合軍を迎え撃つ作戦が決裁された。こうしてルクセン王国は戦乱に引きずり込まれていった。





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