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nanahi

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42 独白 一条専務視点

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沙耶には困ったものだ。
心配したよ。
スマホがないと、沙耶の現地点を特定できないじゃないか。

あのほくろの探偵、沙耶が天岸グループの後継者になりそうだとわかったとたん、報酬の額をつりあげやがった。
がめついやつだ。

だがもうすぐ探偵も用済みだ。
なにせ、沙耶を落とすまであと一歩だからな。

なかなかに身持ちがかたい女だが、それもまたそそる。
投資の講演会で君に一目惚れをして以来、僕は君に一途なんだよ。

あの愚かな元カレもまんまとお払い箱にできたし。
沙耶は言わないでいいと言ったが、僕がこっそり通報しておいたんだよ。

元カレは今頃、僕のことを刑事に訴えてるだろうけど無駄だね。
探偵との話を盗み聞きされたの、僕が気づいてないとでも?

ハッキングで監視カメラの証拠映像は消去済みだ。
僕にできないことはない。

これまで沙耶の情報をメッセージで知らせてやったんだから、感謝して欲しいくらいだよ。
最後に元カレがまんまと警察に捕まった時は、笑いを堪えるのがやっとだったけどね。

あの妻のスマホカメラをハッキングして部屋を見たけど、信じられない光景だったよ。
汚部屋の元お嬢様を妻にしたなんて元カレは貧乏くじ引きすぎだろう?
笑いすぎて腹が痛いよ。

あの強欲な妻は金さえ渡していればどうとでも操れる。
僕のおかげでちょっとしたセレブ生活を満喫できたんじゃないのか?
そうやって元カレにくっついて引っ掻き回してくれないと困る。

だが、妻への資金提供はこれでおしまいだな。
あの金遣いの荒さだ。今頃、金を使い果たしてヒーヒー言ってる頃だろう。
つくづく笑えるな。

それと、西。
後輩ぶって沙耶に近づこうとしているね。

愛しい沙耶はお前には渡さないよ。
僕のことを嗅ぎ回って戦いを挑んでるみたいだけど、坊やじゃ僕の足元にも及ばないことを思い知るといいよ。




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