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パルメティの街
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ローブを着る少年。
忍装束の上に短いマントを羽織る女性。
露出の高い服で狼耳と尻尾をふりふりさせる獣狼族の少女。
三人が冒険者ギルドの建物に足を踏み入れた時、珍しさから一瞬だけ中にいた冒険者たちの目を引いた。
とはいえ、様々な種族や職業の者が集まる施設。いつまでもジロジロと見てくるような輩はいなかった。
「さて。まずはルカの冒険者登録を済ませましょう」
「手続きはアカネさんに任せていいですか?」
「お任せください! 受付嬢として過ごした経験を見事活かしてみせます」
意気込むアカネにルカを任せ、一時的に二人と別れたホイムは一人でギルドのカウンターへ向かう。
能力のほとんどを誤って取り上げられ、それ以上に切羽詰っているのは貯めに貯めた資金も着服されたことによる金欠である。
ホイム達は金を稼がねばならない。そしてギルドに所属していれば金を稼ぐ機会に困ることはない。
ホイムに残された回復術創造の能力を用いれば、ザーインの町で稼いだ時のようにできるはずである。
(流石にエッチで強化の祝福は使い道ないよなぁ……)
これに関してはそもそも相手はアカネとルカのみでしか使わない状況でもある。
「すみません」
ギルドカウンターの前に立ったホイムは爪先立ちで受付のお姉さんに声を掛ける。
ザーインの町でもそうであったが、子どもの身長には不親切な高さのカウンターであるとホイムは痛感していた。
「どうかしましたか?」
迷子の子どもを見るような視線。仕方のないことだと思いつつ、ホイムは自分のギルドカードを差し出した。
「あらっ」
ブロンズクラスのカードを見て受付嬢の目の色が変わった。やっとホイムを一人の冒険者と認識したようである。
「申し訳ありません。まさか……」
「いいです。慣れてますから」
実際は子供の姿でギルドに来るのは二度目なので慣れるほど通っているわけではないが、そう言っていたほうがスムーズに事が進むとの判断からの言葉である。
「それで、受けれるクエストがあればと思って」
「はい。では一度カードをお預かりします」
ホイムはブロンズのカードを受付嬢に手渡した。ザーインではなかったが、カードのチェックがあるようだ。
保井武のカードを改竄したものだが、街の出入りで問題なかったはずだからギルドチェックもスルーできるはずである。
「……」
魔力で動くカードリーダーにホイムのカードをかざす受付嬢。その表情を観察するホイムは内心ヒヤヒヤしていたが、問題もなくカードは戻ってきた。
「ではブロンズ級までが受けれるクエストの一覧をお渡しします」
続いて手渡された用紙には多くのクエストがまとめて掲載されていた。ザーインでは一つ一つのクエストを別個に載せた用紙しかなかったが、流石に大きな街になるとこういった些細な部分での違いが現れてくる。
「どうも。内容を連れと精査してきていいですか?」
「もちろん構いませんよ……ところで、連れと仰られましたが」
「はい?」
「チームを組んではいませんよね?」
その通りなのでホイムは頷いた。カードをスキャンして調べた時にその事も把握されていたのである。
「でしたら組まれてはどうでしょうか。報酬額は変わりませんが、クエストの達成が楽になりますし、お連れの方の評価も一緒に上がりますよ」
「えっと……考えておきます」
そう言ってホイムはそそくさとカウンターを離れた。
ブロンズクラスでありながらギルド利用に関しては素人同然のホイムにとって、チームを組むのがどういうことなのかイマイチ理解できずにいた。
なのでひとまず仲間と相談することにしようと考えた。
(クエストの内容も一緒に決めないとアレだしね……)
一人で勝手に決めるわけにもいかない。
いくつもあるロビーの長椅子の一つに腰を落ち着け、ルカの冒険者登録が終わるのを一人で待つ。
合流する前にクエスト一覧の用紙をじっくりと見て内容を把握しておこうとしたホイムは、前触れなく声をかけられた。
「坊や一人?」
顔を上げたホイムと目が合ったのは、妙齢の女性であった。
黒い帽子とローブという出で立ちから、すぐに魔導士であるとホイムは察した。
「はい……今ひとりですけど」
つい返答したところ、彼女は薄ら笑いを浮かべてホイムの隣に腰かけた。
「そう。お姉さんもね、今ひとりなの」
彼女が足を組むと、丈の短いローブの裾から張りのある太ももがチラチラと覗く。ついつい視線でそっちを追ってしまうのは男の子なら仕方のないことである。
「そうですか……」
「そうなの」
言葉を交わす度に組み替えられる脚にホイムの目は釘付けになっていく。
「もし良かったら、お姉さんと二人で冒険しない?」
名も知らぬ魔導士の細い指がホイムの頬をさわさわとまさぐってくる。
これが世にいう逆ナンか!
そうホイムが確信した時、急にその身が浮き上がった。
「失礼」
彼を後ろから抱え上げているのは、半端ない威圧感を放つ表情をしたアカネだった。
「この方は私の連れなので」
それを聞いた魔導士の女はかすかに口を尖らせ、
「何よコブ付きじゃない」
捨て台詞を吐いてさっさと離れていった。
「アカネさ……ヒッ」
ルカの方は済んだんですかと訊ねかけたが、鋭い眼光はホイムにも向けられていた。
忍装束の上に短いマントを羽織る女性。
露出の高い服で狼耳と尻尾をふりふりさせる獣狼族の少女。
三人が冒険者ギルドの建物に足を踏み入れた時、珍しさから一瞬だけ中にいた冒険者たちの目を引いた。
とはいえ、様々な種族や職業の者が集まる施設。いつまでもジロジロと見てくるような輩はいなかった。
「さて。まずはルカの冒険者登録を済ませましょう」
「手続きはアカネさんに任せていいですか?」
「お任せください! 受付嬢として過ごした経験を見事活かしてみせます」
意気込むアカネにルカを任せ、一時的に二人と別れたホイムは一人でギルドのカウンターへ向かう。
能力のほとんどを誤って取り上げられ、それ以上に切羽詰っているのは貯めに貯めた資金も着服されたことによる金欠である。
ホイム達は金を稼がねばならない。そしてギルドに所属していれば金を稼ぐ機会に困ることはない。
ホイムに残された回復術創造の能力を用いれば、ザーインの町で稼いだ時のようにできるはずである。
(流石にエッチで強化の祝福は使い道ないよなぁ……)
これに関してはそもそも相手はアカネとルカのみでしか使わない状況でもある。
「すみません」
ギルドカウンターの前に立ったホイムは爪先立ちで受付のお姉さんに声を掛ける。
ザーインの町でもそうであったが、子どもの身長には不親切な高さのカウンターであるとホイムは痛感していた。
「どうかしましたか?」
迷子の子どもを見るような視線。仕方のないことだと思いつつ、ホイムは自分のギルドカードを差し出した。
「あらっ」
ブロンズクラスのカードを見て受付嬢の目の色が変わった。やっとホイムを一人の冒険者と認識したようである。
「申し訳ありません。まさか……」
「いいです。慣れてますから」
実際は子供の姿でギルドに来るのは二度目なので慣れるほど通っているわけではないが、そう言っていたほうがスムーズに事が進むとの判断からの言葉である。
「それで、受けれるクエストがあればと思って」
「はい。では一度カードをお預かりします」
ホイムはブロンズのカードを受付嬢に手渡した。ザーインではなかったが、カードのチェックがあるようだ。
保井武のカードを改竄したものだが、街の出入りで問題なかったはずだからギルドチェックもスルーできるはずである。
「……」
魔力で動くカードリーダーにホイムのカードをかざす受付嬢。その表情を観察するホイムは内心ヒヤヒヤしていたが、問題もなくカードは戻ってきた。
「ではブロンズ級までが受けれるクエストの一覧をお渡しします」
続いて手渡された用紙には多くのクエストがまとめて掲載されていた。ザーインでは一つ一つのクエストを別個に載せた用紙しかなかったが、流石に大きな街になるとこういった些細な部分での違いが現れてくる。
「どうも。内容を連れと精査してきていいですか?」
「もちろん構いませんよ……ところで、連れと仰られましたが」
「はい?」
「チームを組んではいませんよね?」
その通りなのでホイムは頷いた。カードをスキャンして調べた時にその事も把握されていたのである。
「でしたら組まれてはどうでしょうか。報酬額は変わりませんが、クエストの達成が楽になりますし、お連れの方の評価も一緒に上がりますよ」
「えっと……考えておきます」
そう言ってホイムはそそくさとカウンターを離れた。
ブロンズクラスでありながらギルド利用に関しては素人同然のホイムにとって、チームを組むのがどういうことなのかイマイチ理解できずにいた。
なのでひとまず仲間と相談することにしようと考えた。
(クエストの内容も一緒に決めないとアレだしね……)
一人で勝手に決めるわけにもいかない。
いくつもあるロビーの長椅子の一つに腰を落ち着け、ルカの冒険者登録が終わるのを一人で待つ。
合流する前にクエスト一覧の用紙をじっくりと見て内容を把握しておこうとしたホイムは、前触れなく声をかけられた。
「坊や一人?」
顔を上げたホイムと目が合ったのは、妙齢の女性であった。
黒い帽子とローブという出で立ちから、すぐに魔導士であるとホイムは察した。
「はい……今ひとりですけど」
つい返答したところ、彼女は薄ら笑いを浮かべてホイムの隣に腰かけた。
「そう。お姉さんもね、今ひとりなの」
彼女が足を組むと、丈の短いローブの裾から張りのある太ももがチラチラと覗く。ついつい視線でそっちを追ってしまうのは男の子なら仕方のないことである。
「そうですか……」
「そうなの」
言葉を交わす度に組み替えられる脚にホイムの目は釘付けになっていく。
「もし良かったら、お姉さんと二人で冒険しない?」
名も知らぬ魔導士の細い指がホイムの頬をさわさわとまさぐってくる。
これが世にいう逆ナンか!
そうホイムが確信した時、急にその身が浮き上がった。
「失礼」
彼を後ろから抱え上げているのは、半端ない威圧感を放つ表情をしたアカネだった。
「この方は私の連れなので」
それを聞いた魔導士の女はかすかに口を尖らせ、
「何よコブ付きじゃない」
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