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第一章

2.出会い

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あぁ…眠いと思いつつ体を起こす。
周りを見るとどうやら何処かの室内にいるらしい。
そうすると少し目付きの鋭い者が
「おぉ起きたか、お前俺達が休憩してる時に出てきたかと思ったら、急に倒れるものだから新手の暗殺者かと思ったぜ、がっはっは!」
そう豪快に笑いながら喋ると、急に真剣な顔をして
「お前何処の国の者だ。後ついでに名前を聞かせろ。
お前が敵の国の者だとバレたら殺されるだろうな、
だからバレる前に逃がしてやる。さぁ言え!」
自分は答えようとするが、声の出し方を忘れて答えられない(さっきどうやって出したんだ…?)と思い慌てて
身振りで伝えようとするがそもそも表現の仕方がわからないので上下に手を振っている。
「がっはっは!何やってるんだ?」
男が笑い。顔を顰めると
「お前声がだせないのか…もしかして帝国はそこまでやってやがるのか!クソっ!女にまで手を出しやがって!」
自分が声の出し方を忘れているといつの間にか帝国が
やった事になっていた、この者は帝国を目の敵にしているらしい。
そんな事より聞き捨てならない発言があった。
自分は女と言う名前なのだろうか、
何故知っているのだろうかもしかしてさっきの木みたいに名前ではない種類の事なのか?
それを聞いてみたくて質問した。
「自分は女という名前なのか?それとも種類の事なのか?教えて来れ!あっ、声が出た」
と言うと驚いた顔をして
「なんだ?喋れるのか、後お前は女ではないのか?
確かに胸もないか。とりあえず聞きたい事が多すぎて
まとまらん!質問して行くが良いな?」
この後色々聞かれた。
「お前何処から来た?」
「世界樹という木で目が覚めてその前の事は覚えてません。」
「何?世界樹?あんな迷宮から来たのか、嘘ついてないか?王都にあの迷宮はあるんだぞ?
人に会わないわけあるか。」
不思議そうな顔をされた。
「自分は一人だったので勝手にその木に、名前をつけたのでべつに誰かに教えて貰ったわけではないです。」
その者が考えるような顔をしているので、
提案をする。
「あの、あなたに触れても良いでしょうか?
触れれば色々分かると思います。
何故かそんな感じが、するんです。」
その者が警戒しているような顔をして
「お前ナイフとか持ってないな?
まぁ筋肉なさそうだから流石に殺せないか?
一応袖をめくってから触れ、隠していたら怖い
後口も開けるな噛みつかれて歯に毒が仕込まれていたら危ないから触れている間お前の顔を見ているからな。
一応右手にナイフは、持たせてもらうぞ。」
大分警戒心が強いようだ、何かあるのだろうか?
いや、ただ死という概念になりたくないようだ。
自分は、ただ触れるだけで終わりなので大丈夫だ。
「では触れますね」
警戒されながら触れると、色々な情報が流れてくる。
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