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スカーレットの場合

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「おはようございます。」

アンジュが私を起こしに来てくれたが、私はもうひと眠りしようとした。

「起きてくださいませ。今日は第一王子の婚約者候補を決めるパーティーですよ。遅れてはなりません。」

『分かったわ。起きるわよ。』

私は眠いのを我慢して体を起こした。

「ドレスも綺麗な物を用意しました。」

ドレスを見るととても綺麗な美しい物だった。

『これを着るの?もう少し地味なのにしない?』

「婚約者候補を決めるためのパーティーで地味なドレスを着るのはまずいのでこれくらいのじゃ無いと目に留まりませんよ。」

アンジュに言われたが、私は興味は無かった。

どちらかと言うとローズマリアに会いたいの方が強かった。

パーティーの時間が近づいて来ていてアンジュに急がされて着替えた。

パーティー会場に着くと既に王子が来ていて挨拶をしていた。

その中で人目を引いた女の子が私の所にやって来た。

「スカーレット!」

『ローズマリア?会えて良かったわ。心細かったの。』

「私もよ。挨拶が終わったらまた話しましょ。」

ローズマリアは私に声を掛けて列から離れて行った。

列が進んで、私の番になった。

『スカーレット・ブランカと申します。』

カーテシーをして、列を離れた。

そしてローズマリアを探した。

私はローズマリアと一緒に居ると今回のパーティーの主役であるルシフェル王子が来た。

ルシフェル王子はそのままローズマリアを連れて行った。

「お嬢様、もうルシフェル殿下はローズマリア様と一緒に行ったので今日は帰りましょう。」

『ローズマリアは大丈夫かしら。』

心配ではあったが、会場に居てもする事が無いと思い会場を後にした。

家に帰り、ドレスを脱いで男物の服に着替えた。

「スカーレット!貴女はいつもそんな格好をして!!」

『お母様、私はこの格好の方が落ち着くんです。』

それだけ言って後ろでお母様が騒いでいたが無視して部屋に戻った。
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