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しおりを挟む漆黒の髪に、金色の瞳。
髪は耳にかかるほどの長さで、光が当たる度キラキラと輝きを放っていた。
アーモンド型の瞳は優しく細められ、その金色の瞳で私を映していた。
「…!?」
(何この美形…!?)
突然の状況にパニックになって慌てる。
そんな私を目の前の美形さんは一瞥すると、急にそのご尊顔が近づいてきた。
(え、え?何…?何しようっていうの!?)
盛大に頭の中で疑問符が浮かんだものの、状況解決には辿り着かなかった。
そんな間に、ついにご尊顔が至近距離に近づき、私のおでこに触れるだけのキスをした。
スローモーションのように流れる動作に暫し見惚れ、美形さんの艶々の髪の毛が顔に触れて漸く現実を取り戻した。
「…!」
(キス…!?初めてされた!!!)
「これで話せるはずだ」
そう言ってニコリと微笑んだ。
「…!?」
(喋ったよ…!!)
えぇぇ?どういう事ですか?
もう、目の前にこんな美形が居ることにも驚きなのに、その上にキスだなんて…!!うわぁ!鼻血が出ちゃうよ!!
「大丈夫か?」
と、そんな私の興奮を他所に、目の前の美形さんは心配顔で覗き込んできた。
因みに、キスされたばかりで顔がすっごく近いです。
(どうしよう、毛穴見られてたらどうしよう、一応化粧で隠してるけどバレたらどうしう)
「…大丈夫か?」
(あ、はい、大丈夫ですよ、貴方が顔を遠ざけてくれるならね)
「…?」
(あー、眼福だわー、人生の中でこんな美形に出逢えたなんて…私幸せ、うふ)
あー、これが夢なら覚めないで欲しいなぁ、と思いながらも胸の前で手を組み、いるかも分からない神に願いを込めて祈って、そして果てた。
うん、疲れちゃったんだもん、しょうがないよね。
私はそのまま慌てる美形さんを放置して、微睡む思考に溶けていったのだった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
短くてすみません。
お読みいただきありがとうございました!
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