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chapter 1 -beginning of the game- 04
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第一の町メジハ。
丸太を組み合わせたようなしっかりとした柵がその町を囲っている。
砂利道の先には柵のつなぎ目が見え、人が通れそうな隙間があり、檻のような格子が上げてある。
夜はあの格子を降ろして、外敵を町に入れないようにするのだろう。
関所に着くと、見張りと思しき男が近づいてきた。
俺らより少し身長もデカイ、ゴツい体格のいかついおっさんだ。
身の丈程の棒を持ったおっさんは、俺たちの前に来た。
「通行証はあるか?」
ぶっきらぼうに言う。
通行証なんか無いぞ。
そもそもスタート地点からここまで真っ直ぐ来たから、そんなもの知らないぞ…。
と思っていると、悠は手を出した。
するとステータス画面が表示される。
「OKだ。そっちのあんちゃんも見せてくれるか?」
番兵のおっさんがこっちに来る。
どうしたら良いもんか…と首をかいていると、
「なんだ、戦士のあんちゃんは初めてかい。こうして手を出してだな、ステータス画面を開いて、共有を宣言するんだ。」
と手をグイッと引いて、ガハハと笑い、大きな声で言った。
そうか、通行証って手形のことか。
身分が証明できれば良いんだな。
「初めてなら言っておくが、町に出入りするときには必ずこのステータスのチェックが入る。町の中で戦闘スキルを使って暴れたり、詐欺行為、その他の禁止行為をするとギルドにレポートされ、ステータス画面の罪状欄に犯罪歴の項目が追加されていく。これは町の住人に対しても同様だ。ま、普通にプレイしてたら大丈夫だ。」
番兵は丁寧に説明してくれた。
禁止行為を行ったプレイヤーと一般プレイヤーを隔離するための制度だな。
これは安心だ。
「何か質問はあるか?」
一つ疑問がある。
「町の外で起こった禁止行為はどうなるんだ?例えば、クエスト中のPK行為とかさ。」
「町の外においても禁止行為は取り締まられる。神も天罰を下されるだろう。」
「神?神がいるのか?」
首をかしげると、悠が耳打ちする。
「アルカディア運営のことだよ。」
ナルホド、GMね。
納得すると番兵が頷く。
「そういうことだな、ガハハ。また町を出るときに来ると良い。クエストのヒントなんかもここで聞くことが出来るぞ。」
「あぁ、また来るよ。」
親切な番兵だな。
見た目はいかついけど、中身は良い人だった。
「とりあえず、ギルドからだな。」
悠について行き、ギルドへ向かう。
メジハは第一の町だが、閑散とした様子でもなく、人々の営みの中で賑わっている。
「今朝届いたばかりの新鮮な魚だよ。」
「さあさあ、買った買った。取り出したるは魔法の玉。これを投げればなにかの魔法があなたを助けてくれる。」
「やあそこの戦士のお兄さん、ウチの武器を見ていきな。」
途中、商店を抜けたが、休日のアメ横のように活気付いていた。
こういう雰囲気は好きだ。
クエストで報酬を得たら、ここに来たいものだ。
「こういう、いわゆる町の人ってのはNPCなんだよな。」
「そうだろうな、でもAIにしてはリアル過ぎるな。運営側の人間がキャストとして演じてるのかもな。」
こういう細かい演出は、ありがたい。
つくづくこのゲームの没入感の高さに感動する。
行く先には、周りの民家よりも立派な建物が現れた。
ログハウスのような見た目だが、二階建ての大きな建物だ。
ギルドハウス。
冒険者への依頼を管理し、冒険者達を管理、派遣する事を生業とするギルド。
その建物付近には、プレイヤーらしきキャラクター達が集まっていた。
「おぉー、これがギルドか。」
「ノビーはクエストの受注前に、登録が必要だな。俺はここで適当なクエストを見てるよ。」
冒険者が集まっていたのは、どうやらギルドハウス前にあるクエストボードをチェックしていたらしい。
クエストボードには、プレイヤーが受注できる依頼が掲載されている。
素材の収集、モンスターの討伐、捜索、調査、護衛など、その種類も様々である。
「わかった、中で登録済ませてくる。」
俺はギルドハウスの中に進む。
西部劇に出てくる酒場のスイングドアのような扉を開けると、木の匂いが鼻を抜ける。
中は広々と感じる吹き抜けの三階建て。
厚めの赤い絨毯が敷かれている。
二階には食事ができそうなテーブルが、見える。
扉の正面にカウンターが見える。
おそらくアレが受付だろう。
「冒険者協会へようこそ。ご用件をお伺いします。」
受付の女性が出迎える。
「どうも。初めてなんですけど、登録はここで良いんですか?」
「はい、初めての方ですね。ではこちらで登録させていただきます。ステータスを確認させていただきますね。」
手を差し出す。
ステータスはこうやって出すんでしょう?
受付嬢が手を取り、ステータス画面を確認する。
「はい、確認させていただきました。では協会員である証となるギルドカードを発行させていただきます。このままお待ちください。」
正直、受付のお姉さんが手を握ってくれているので、いくらでも待っていられる。
受付嬢というのは、そういう役割なんだろうなぁ。
女性のプレイヤーのために、イケメンのボーイも受付にスタンバイしている。
「はい、お待たせいたしました。こちらのカードをお受け取りください。」
そんな事を考えていると、登録は終わったようだ。
顔がニヤけたりしていないか心配だ。
「このカードはステータス同様、呼び出す事で閲覧できる特殊なライセンスになります。受け取ると、すぐに消えてしまいますが、『ギルドカード』と発声する事で呼び出せます。」
「わかりました、ありがとうございます。」
「丁寧な方ですね。冒険者の皆様は丁寧な言葉遣いを使われなくても大丈夫ですよ。」
そうか、いつもの癖で敬語になってしまうが、ワイルドな戦士は普通はタメ口だろう。
しかし…。
「俺は初心者ですから、まだ敬語でいきますよ。」
受付嬢が「そうですか。」と笑った。
その口元がキュートだ!
「では、協会所属の教官から説明がありますので、二階へお上りください。また、クエストを受ける際にはこちらに来られると思いますので、お待ちしておりますね。」
「はい、ありがとうございます。ではまた、よろしくお願いします。」
そう言うと、カウンターを離れる。
俺は横の階段を登り、二階に向かう。
二階は食事ができるスペースになっていた。
大学の学食のような細く長い木机だけでなく、ラウンドテーブルもいくつかある。
テーブルについた冒険者達が食事をしている。
キッチンと思われる方からは、バターで玉ねぎを炒めているような香りと、ガチャガチャという調理の音がする。
「君がノビーだな。」
そこにはいかにも熟練の冒険者と言った風貌の男が立っていた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
名前 :ノビー(昇)
Lv :3
職業 :戦士
装備 :鉄の帽子
ガントレット
鉄の鎧
鉄の剣
スキル :薙ぎ払い
アイテム:???の指輪(未鑑定)
スタートポーション×30
青い雫×6
レッサーコボルトの毛×4
――――――――――――――――――――――――――――
名前 :ゆうゆう(悠)
Lv :6
職業 :魔法使い
装備 :とんがり帽(魔女)
布のローブ
木の杖
火の書01
癒しの書01
スキル :ファイア
ヒール
アイテム:スタートポーション×27
青い雫×5
壊れた弓
――――――――――――――――――――――――――――
丸太を組み合わせたようなしっかりとした柵がその町を囲っている。
砂利道の先には柵のつなぎ目が見え、人が通れそうな隙間があり、檻のような格子が上げてある。
夜はあの格子を降ろして、外敵を町に入れないようにするのだろう。
関所に着くと、見張りと思しき男が近づいてきた。
俺らより少し身長もデカイ、ゴツい体格のいかついおっさんだ。
身の丈程の棒を持ったおっさんは、俺たちの前に来た。
「通行証はあるか?」
ぶっきらぼうに言う。
通行証なんか無いぞ。
そもそもスタート地点からここまで真っ直ぐ来たから、そんなもの知らないぞ…。
と思っていると、悠は手を出した。
するとステータス画面が表示される。
「OKだ。そっちのあんちゃんも見せてくれるか?」
番兵のおっさんがこっちに来る。
どうしたら良いもんか…と首をかいていると、
「なんだ、戦士のあんちゃんは初めてかい。こうして手を出してだな、ステータス画面を開いて、共有を宣言するんだ。」
と手をグイッと引いて、ガハハと笑い、大きな声で言った。
そうか、通行証って手形のことか。
身分が証明できれば良いんだな。
「初めてなら言っておくが、町に出入りするときには必ずこのステータスのチェックが入る。町の中で戦闘スキルを使って暴れたり、詐欺行為、その他の禁止行為をするとギルドにレポートされ、ステータス画面の罪状欄に犯罪歴の項目が追加されていく。これは町の住人に対しても同様だ。ま、普通にプレイしてたら大丈夫だ。」
番兵は丁寧に説明してくれた。
禁止行為を行ったプレイヤーと一般プレイヤーを隔離するための制度だな。
これは安心だ。
「何か質問はあるか?」
一つ疑問がある。
「町の外で起こった禁止行為はどうなるんだ?例えば、クエスト中のPK行為とかさ。」
「町の外においても禁止行為は取り締まられる。神も天罰を下されるだろう。」
「神?神がいるのか?」
首をかしげると、悠が耳打ちする。
「アルカディア運営のことだよ。」
ナルホド、GMね。
納得すると番兵が頷く。
「そういうことだな、ガハハ。また町を出るときに来ると良い。クエストのヒントなんかもここで聞くことが出来るぞ。」
「あぁ、また来るよ。」
親切な番兵だな。
見た目はいかついけど、中身は良い人だった。
「とりあえず、ギルドからだな。」
悠について行き、ギルドへ向かう。
メジハは第一の町だが、閑散とした様子でもなく、人々の営みの中で賑わっている。
「今朝届いたばかりの新鮮な魚だよ。」
「さあさあ、買った買った。取り出したるは魔法の玉。これを投げればなにかの魔法があなたを助けてくれる。」
「やあそこの戦士のお兄さん、ウチの武器を見ていきな。」
途中、商店を抜けたが、休日のアメ横のように活気付いていた。
こういう雰囲気は好きだ。
クエストで報酬を得たら、ここに来たいものだ。
「こういう、いわゆる町の人ってのはNPCなんだよな。」
「そうだろうな、でもAIにしてはリアル過ぎるな。運営側の人間がキャストとして演じてるのかもな。」
こういう細かい演出は、ありがたい。
つくづくこのゲームの没入感の高さに感動する。
行く先には、周りの民家よりも立派な建物が現れた。
ログハウスのような見た目だが、二階建ての大きな建物だ。
ギルドハウス。
冒険者への依頼を管理し、冒険者達を管理、派遣する事を生業とするギルド。
その建物付近には、プレイヤーらしきキャラクター達が集まっていた。
「おぉー、これがギルドか。」
「ノビーはクエストの受注前に、登録が必要だな。俺はここで適当なクエストを見てるよ。」
冒険者が集まっていたのは、どうやらギルドハウス前にあるクエストボードをチェックしていたらしい。
クエストボードには、プレイヤーが受注できる依頼が掲載されている。
素材の収集、モンスターの討伐、捜索、調査、護衛など、その種類も様々である。
「わかった、中で登録済ませてくる。」
俺はギルドハウスの中に進む。
西部劇に出てくる酒場のスイングドアのような扉を開けると、木の匂いが鼻を抜ける。
中は広々と感じる吹き抜けの三階建て。
厚めの赤い絨毯が敷かれている。
二階には食事ができそうなテーブルが、見える。
扉の正面にカウンターが見える。
おそらくアレが受付だろう。
「冒険者協会へようこそ。ご用件をお伺いします。」
受付の女性が出迎える。
「どうも。初めてなんですけど、登録はここで良いんですか?」
「はい、初めての方ですね。ではこちらで登録させていただきます。ステータスを確認させていただきますね。」
手を差し出す。
ステータスはこうやって出すんでしょう?
受付嬢が手を取り、ステータス画面を確認する。
「はい、確認させていただきました。では協会員である証となるギルドカードを発行させていただきます。このままお待ちください。」
正直、受付のお姉さんが手を握ってくれているので、いくらでも待っていられる。
受付嬢というのは、そういう役割なんだろうなぁ。
女性のプレイヤーのために、イケメンのボーイも受付にスタンバイしている。
「はい、お待たせいたしました。こちらのカードをお受け取りください。」
そんな事を考えていると、登録は終わったようだ。
顔がニヤけたりしていないか心配だ。
「このカードはステータス同様、呼び出す事で閲覧できる特殊なライセンスになります。受け取ると、すぐに消えてしまいますが、『ギルドカード』と発声する事で呼び出せます。」
「わかりました、ありがとうございます。」
「丁寧な方ですね。冒険者の皆様は丁寧な言葉遣いを使われなくても大丈夫ですよ。」
そうか、いつもの癖で敬語になってしまうが、ワイルドな戦士は普通はタメ口だろう。
しかし…。
「俺は初心者ですから、まだ敬語でいきますよ。」
受付嬢が「そうですか。」と笑った。
その口元がキュートだ!
「では、協会所属の教官から説明がありますので、二階へお上りください。また、クエストを受ける際にはこちらに来られると思いますので、お待ちしておりますね。」
「はい、ありがとうございます。ではまた、よろしくお願いします。」
そう言うと、カウンターを離れる。
俺は横の階段を登り、二階に向かう。
二階は食事ができるスペースになっていた。
大学の学食のような細く長い木机だけでなく、ラウンドテーブルもいくつかある。
テーブルについた冒険者達が食事をしている。
キッチンと思われる方からは、バターで玉ねぎを炒めているような香りと、ガチャガチャという調理の音がする。
「君がノビーだな。」
そこにはいかにも熟練の冒険者と言った風貌の男が立っていた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
名前 :ノビー(昇)
Lv :3
職業 :戦士
装備 :鉄の帽子
ガントレット
鉄の鎧
鉄の剣
スキル :薙ぎ払い
アイテム:???の指輪(未鑑定)
スタートポーション×30
青い雫×6
レッサーコボルトの毛×4
――――――――――――――――――――――――――――
名前 :ゆうゆう(悠)
Lv :6
職業 :魔法使い
装備 :とんがり帽(魔女)
布のローブ
木の杖
火の書01
癒しの書01
スキル :ファイア
ヒール
アイテム:スタートポーション×27
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