魔王城での聖女生活~異世界に聖女として呼ばれましたが実は世界を守ってた魔王を聖女の力で助けます~

四乃

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第二部

力試しをしよう②

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「魔力を抑えると紅い目が元の紫になると以前言ったな。あれは説明が足りていなかった。本体の中で俺の魔力は邪神の瘴気と混ざっていてな。俺の魔力で作ったこの仮初の体も二つが混ざっていて目が紅ければ魔力と瘴気が多く、紫なら少ないということだ」
「瘴気検査機みたいなものかな? 紅い目は瘴気たっぷり、紫はちょっとだけ」
「そうだな。だがお前の聖女の力で瘴気だけ浄化され紫のままだ。この城にいると魔力が回復するのが早く、すぐ紅になるのだが」
「無意識に聖女の力を使っているのでしょうか」
「いや、おそらくいるだけで浄化がある程度できているのだろう」
「わたし脱臭炭みたい…」
「脱臭炭?」
「匂いとりだよ」 


「瘴気を悪臭のように」「その辺りに漂っているのは似たようなものだがな」と2人はなんともいえない顔をしている。

でも魔王城にいるだけで効果あるなら意識して浄化の力を使ったらどれだけの協力ができるのだろう。
ちょっとワクワクしてきた。


「試しに浄化の力使ってみたいな」
「まて、熱意があるのは喜ばしいが昨日のあれこれで疲れていないか?」


そういえば聖教会での騒動から一日も経っていなかった。実は足がちょっと筋肉痛だけれど昨日走り回ったせいか。


「大したことないから大丈夫」
「本当か?」


なにやら魔王に疑われているが心配してくれているのだろうからうれしくもある。


「いいですね。腕試し程度に小さいものから浄化していただければ負担は少ないでしょう。なにか見繕ってきましょう」


返事は待たずにツヴァイはさっさと立ち上がると執務室を出て行った。


「…ツヴァイって思い立ったらすぐ実行する感じの人?」
「時間やら金やらの無駄使いが嫌いで効率重視だな」
「アスカさんのツヴァイの評価合ってたな…」
「どんなだった?」
「"仲間と馴れ合わず効率を重視し感情は不要という考えのため意見の違いからよく仲間と揉めた"」
「よくわかってるじゃないか。ここでもたまに揉めている。大抵は他のやつが折れてツヴァイの意見が通る」
「…有能なんだろうけど今も上司の許可きかずに動いてるけどいいの?」
「俺の配下にまともや普通は期待するな」


なんだか個性豊かな面々なようで魔王城生活がちょっと心配になってきた。
一番まともそうなツヴァイでこれだ。
「ここでの暮らしに慣れろ」と言われたけれど、もしかしてこういうクセのある人間関係も含まれていたのだろうか。
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