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第二部
噂②
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そうか、何も事情を知らなければそう判断するのもいりえるか。でもこれだからといって対処って何かするべきなんだろうか。ウィルやわたしになにか問題が降りかかるのだろうか。
「これは僕が思うに、勇者ウィリアム君が死んだなら、現エルグラン王は王位が完全に手に入る。と喜び勇んでろくに確認しないまま早く発表したがっているんじゃないかな」
ああそうか、王位継承の問題が関わってくるのか。
死亡を発表されたならウィルどうするんだろ。
そしてヴラドはいいかげんウィルの姿を解いてほしい。じとっと見ているとニコッと笑い返された。察していないのか、察していてあえてそのままでいるのか掴めない。
「これは、勇者にとって打って出る時なのでは?」
「え? どうして?」
ツヴァイの意見が疑問で聞き返す。
「勇者死亡を発表し世間が悲嘆に暮れている時に、実は生きていたことがわかる。とても劇的な展開で人々は惹きつけられ盛り上がります。ベタでありがちな脚本ではありますが、ベタは人心を掴みます」
うん、ベタな展開ってわかっちゃいるけど盛り上がるよね。
「自らの生存を発表し人々を惹きつけたタイミングで、エルグラン王の非道をつまびらかにし世間を味方にするのです。そうすれば勇者を亡き者にしようとした悪き王と、正義がある勇者であり次期国王である王子。世論が味方し政権交代が一気に進むかもしれません。これが成功すれば、エルグラン王ウィリアムの誕生です」
「ウィルがエルグラン王に? …それいい!」
確かにそうなったらあの国は警戒する必要なくなるし、むしろ国王の権力で国ごと協力関係になれそう。そうしたらすごく心強いし頼りになるけど…
「でも、そんなにうまくいくかな。世間が信じるかな? 勇者暗殺計画なんて無茶苦茶な話だよ?」
「聖教会とロンバルディ王国がバックにつきますから真実味があると思います。エルグラン王から抗議されても勇者の味方となるでしょう」
確かに聖教会とロンバルディ王国がウィルを支持したら世間は信じそう。でもそれだけだと厳しかも。
「証拠を出せって言われたら? 証拠はわたしたちは掴めてない。ウィル暗殺の計画はわたしの証言しかないから弱いんじゃない?」
物的証拠がないから水かけ論になってしまって、決着がつかないんじゃないかな。
「他にも証人がいるだろう、牢屋に2人も」
「あっ」
そうか、あの2人は国王側の実行者だし証言があれば信憑性がある。ただ、自分に不利になることしゃべるとは思えない。
「真名を吐かせてあるのでなんでも言うことを聞くようになっていますから、簡単に証言してくれますよ。物的証拠になりそうなものも素直に差し出すでしょう」
それどうやって真名聞き出したかを聞いたらいけないやつでは…
「真名を書き出した書と共に勇者に送りつけてやれば有効活用するのではないか? リンカ、お前も一筆書いて添えろ。勇者がこちらの提案を信用するだろう」
魔王一派の黒い部分を垣間見た気がした。
わたしは死亡説の件からのいきさつを便箋にしたため、魔王に渡した。魔王の書とわたしの便箋を同封した手紙を封蝋して準備するそうだ。
その日の夜、牢屋の2人を手紙と一緒にロンバルディ王国にいるウィルに送りつけたらしい。わたしにとって嫌な相手に対面させたくないと同席は断られた。正直会いたくない連中だったから助かった。
でも就寝前の夜遅い時間に送りつけられてウィルにもロンバルディ王宮にも大変迷惑になったに違いない。次に手紙を書くときに謝っておこう。
「これは僕が思うに、勇者ウィリアム君が死んだなら、現エルグラン王は王位が完全に手に入る。と喜び勇んでろくに確認しないまま早く発表したがっているんじゃないかな」
ああそうか、王位継承の問題が関わってくるのか。
死亡を発表されたならウィルどうするんだろ。
そしてヴラドはいいかげんウィルの姿を解いてほしい。じとっと見ているとニコッと笑い返された。察していないのか、察していてあえてそのままでいるのか掴めない。
「これは、勇者にとって打って出る時なのでは?」
「え? どうして?」
ツヴァイの意見が疑問で聞き返す。
「勇者死亡を発表し世間が悲嘆に暮れている時に、実は生きていたことがわかる。とても劇的な展開で人々は惹きつけられ盛り上がります。ベタでありがちな脚本ではありますが、ベタは人心を掴みます」
うん、ベタな展開ってわかっちゃいるけど盛り上がるよね。
「自らの生存を発表し人々を惹きつけたタイミングで、エルグラン王の非道をつまびらかにし世間を味方にするのです。そうすれば勇者を亡き者にしようとした悪き王と、正義がある勇者であり次期国王である王子。世論が味方し政権交代が一気に進むかもしれません。これが成功すれば、エルグラン王ウィリアムの誕生です」
「ウィルがエルグラン王に? …それいい!」
確かにそうなったらあの国は警戒する必要なくなるし、むしろ国王の権力で国ごと協力関係になれそう。そうしたらすごく心強いし頼りになるけど…
「でも、そんなにうまくいくかな。世間が信じるかな? 勇者暗殺計画なんて無茶苦茶な話だよ?」
「聖教会とロンバルディ王国がバックにつきますから真実味があると思います。エルグラン王から抗議されても勇者の味方となるでしょう」
確かに聖教会とロンバルディ王国がウィルを支持したら世間は信じそう。でもそれだけだと厳しかも。
「証拠を出せって言われたら? 証拠はわたしたちは掴めてない。ウィル暗殺の計画はわたしの証言しかないから弱いんじゃない?」
物的証拠がないから水かけ論になってしまって、決着がつかないんじゃないかな。
「他にも証人がいるだろう、牢屋に2人も」
「あっ」
そうか、あの2人は国王側の実行者だし証言があれば信憑性がある。ただ、自分に不利になることしゃべるとは思えない。
「真名を吐かせてあるのでなんでも言うことを聞くようになっていますから、簡単に証言してくれますよ。物的証拠になりそうなものも素直に差し出すでしょう」
それどうやって真名聞き出したかを聞いたらいけないやつでは…
「真名を書き出した書と共に勇者に送りつけてやれば有効活用するのではないか? リンカ、お前も一筆書いて添えろ。勇者がこちらの提案を信用するだろう」
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