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第二部
あなたを信頼している①
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「気分転換にでもなればと連れてきたというのにこれでは本末転倒だな」
治癒術を終えた魔王はため息混じりにここに連れてきた理由を話した。
「気分転換?」
「お前にずっと城に篭る生活を強いていたのでな、外の空気に触れたいだろうとここへ連れ出したというわけだ。結果はこの有様、俺の落ち度だな」
「いや、あなたは悪くないでしょう? これはわたしが勝手にやったから自業自得で…」
「しかしそもそもはお前に日々瘴気の浄化をさせているためここでも手段を得られないか知覚しようとしたのが理由だろう」
「それはそうだけど…」
どうも聞いていると、魔王はわたしを城にばかりいさせる生活をさせている事を申し訳なく思っているようだ。
どうしたのだろう。
わたしが協力しているのを歓迎していたようなのに。
「…すまん、これは己の不甲斐なさへの苛つきだ」
「え?」
不甲斐ないところがあっただろうか?
まさかわたしが頭痛になったこと?
「お前はよく協力してくれている。元来無関係であり巻き込まれた立場だというのに精力的に瘴気を浄化してくれている。感謝している」
そう思っていたのか。
この世界の大多数の人たちは聖女は世界のために力を使うのが当たり前と考えている。
でも魔王はわたし側に立って気持ちを汲んでくれているようだ。それがとても嬉しい。
「だからその分、居心地よく過ごさせてやりたい。そう思い衣食住は当然として、息抜きにとここに連れて来たというのに、お前の予想以上の真面目さにまんまと出し抜かれてしまった。己の間抜けさを情けなく思う」
もしかして、落ち込んでいる?
あの、魔王が。魔法も剣も天才の、邪神を封じ込めた世界最強とも思える古の真の英雄が。
魔王は魔王でわたしが協力している代わりにあれこれと気を配っていたようだ。
なにせわたしは人間側からの理不尽な扱いに愛想を尽かして聖女業をたたんで、帰る宣言をしたこともある。気分を損ねさせたら協力関係が破綻するかもしれないとも考えたのだろう。
これはわたしの初対面の態度が問題だったなと反省した。もうちょっとやりようがあった。
しかしいつも尊大でどっしりと構えた態度だったから、大事にされているとは思っていたけれどわたしみたいな小娘一人にそれほど気を遣っているとは思っていなかった。
治癒術を終えた魔王はため息混じりにここに連れてきた理由を話した。
「気分転換?」
「お前にずっと城に篭る生活を強いていたのでな、外の空気に触れたいだろうとここへ連れ出したというわけだ。結果はこの有様、俺の落ち度だな」
「いや、あなたは悪くないでしょう? これはわたしが勝手にやったから自業自得で…」
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「それはそうだけど…」
どうも聞いていると、魔王はわたしを城にばかりいさせる生活をさせている事を申し訳なく思っているようだ。
どうしたのだろう。
わたしが協力しているのを歓迎していたようなのに。
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「え?」
不甲斐ないところがあっただろうか?
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そう思っていたのか。
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でも魔王はわたし側に立って気持ちを汲んでくれているようだ。それがとても嬉しい。
「だからその分、居心地よく過ごさせてやりたい。そう思い衣食住は当然として、息抜きにとここに連れて来たというのに、お前の予想以上の真面目さにまんまと出し抜かれてしまった。己の間抜けさを情けなく思う」
もしかして、落ち込んでいる?
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魔王は魔王でわたしが協力している代わりにあれこれと気を配っていたようだ。
なにせわたしは人間側からの理不尽な扱いに愛想を尽かして聖女業をたたんで、帰る宣言をしたこともある。気分を損ねさせたら協力関係が破綻するかもしれないとも考えたのだろう。
これはわたしの初対面の態度が問題だったなと反省した。もうちょっとやりようがあった。
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