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第二部
鉱山の隠し部屋①
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立ち込める砂埃を魔王が風の魔法で飛ばすと奥に空間があるのがわかった。日の光が入らないため中は薄暗い。
「あ…」
ゲーデ、ヴラドが気にせずずかずかと入っていく。いきなり入って大丈夫なのだろうか?
中はどうなっているのだろう?
彼らは危険はないと判断したから遠慮がないのか、危険だろうとどうってことないと踏んで遠慮がないのか。
後者だった場合、彼ら基準での''どうってことない"はわたしはまず危険だろう。
「大丈夫だ。来い、リンカ」
するとそんなわたしの不安を察したように魔王が声をかけてくる。
ほんと見た目は唯我独尊タイプなのに気配りできて面倒見がいい魔王様だ。
地に落ちた金属扉を避けながらわたしは魔王の背を追って中に入った。
魔王が灯りとして"ライト"の魔法を使い宙に浮かばせ視界が明るくなった。
そこは学校の教室一部屋程度の広さの空間ができていて、四角い部屋の壁に沿って戸棚が幾つも並んでいる。突き当たりの壁には大きな布地に丸をひし形で囲った邪神信仰者たちの紋章が描かれていた。
間違いなく彼らと関連した場所だ。
ただしこの部屋に人の気配はない。
そしてほこりとかび臭い。紋章入りの布地も黒ずみ劣化している。
ここは誰も訪れなくなって長いようだ。
「狂った神を崇めてなんになる」
魔王が紋章を見ながらこぼした。
狂う前の邪神こと創造神ゲオルギウスが世界中で信仰されていた時代を知る彼には、この紋章は過ぎ去った時代の残滓に見えるのだろう。そしてそれを信仰する、世界の変貌を受け入れなかった人々もまた。
「熱狂的、盲目的に信じてる人がいて、ほかに頭で分かっててもすがらないと生きられないって人もいるんじゃないかな。神様が狂ったことを受け入れられるほどみんながみんな強くなくて… よそ者のわたしに何がわかるって思うかも知れないけど」
「受け入れるには強さが必要、か。俺にはない発想だ」
「…あなたは強いに決まってるもんね」
「当然だ。そもそも神なんぞ信仰していなかったから衝撃を受けたりもせずありのまま現実を受け入れたが」
「なんか想像できる」
「あ…」
ゲーデ、ヴラドが気にせずずかずかと入っていく。いきなり入って大丈夫なのだろうか?
中はどうなっているのだろう?
彼らは危険はないと判断したから遠慮がないのか、危険だろうとどうってことないと踏んで遠慮がないのか。
後者だった場合、彼ら基準での''どうってことない"はわたしはまず危険だろう。
「大丈夫だ。来い、リンカ」
するとそんなわたしの不安を察したように魔王が声をかけてくる。
ほんと見た目は唯我独尊タイプなのに気配りできて面倒見がいい魔王様だ。
地に落ちた金属扉を避けながらわたしは魔王の背を追って中に入った。
魔王が灯りとして"ライト"の魔法を使い宙に浮かばせ視界が明るくなった。
そこは学校の教室一部屋程度の広さの空間ができていて、四角い部屋の壁に沿って戸棚が幾つも並んでいる。突き当たりの壁には大きな布地に丸をひし形で囲った邪神信仰者たちの紋章が描かれていた。
間違いなく彼らと関連した場所だ。
ただしこの部屋に人の気配はない。
そしてほこりとかび臭い。紋章入りの布地も黒ずみ劣化している。
ここは誰も訪れなくなって長いようだ。
「狂った神を崇めてなんになる」
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「受け入れるには強さが必要、か。俺にはない発想だ」
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「なんか想像できる」
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