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第2話 食事
初日はあらかじめ手配しておいた宿に泊まる。
魔王討伐パーティの面々は旅の途中ということで地味な服装にしているとはいえ、にじみ出る気品はやはり注目を浴びてしまう。
「おい、お前もこっちに来て一緒に食えよ」
隅の方のテーブルでひっそり食べようと思っていたのに、勇者様に声をかけられた。
「え、でも」
躊躇していると勇者様に手をひっぱられて座らされる。
「お前だって一緒に旅する仲間なんだから遠慮なんかすんなって」
「そうですわ。ほら、食事はみんなで楽しく食べた方が美味しいでしょう?」
聖女様の微笑みがまぶしい。
「そうそう、これから長い旅をともにするのだから、気を遣う必要などありませんよ」
みんなより年上の賢者様が穏やかに言う。
「…みんなの言うとおりだ」
魔術師様がぼそっと言った。
「わかりました。ご一緒させていただきます」
面倒なのでさっさとあきらめることにした。
ただ、宿自慢の食事はとても美味しかったけど、私以外の食事の所作があまりに見事で、つい音を立ててしまう自分がだんだん恥ずかしくなってきた。
やっぱり次からは別のテーブルにしてもらおうかな。
「どうした?元気がないな。何か食べられないものでもあったか?」
勇者様に声をかけられる。
「あ、あの、料理はとても美味しいです。ただ、私の食事の所作がひどいなって思って、ちょっと落ち込んだだけなので…」
正直に白状してうつむく。
「気にすることはありませんよ。我々は幼い頃から叩き込まれていますから所作がなかなか抜けませんが、こういう場ではもっと雑でもよいのかもしれませんね」
賢者様がそう言ってくださった。
「そうですわね。旅が進めば野営も増えてくることでしょうから、所作など気にしなくてもよいと思うのですが、もしどうしても気になるというのなら、これから気をつければよいだけのこと。私でよろしければお教えいたしますわ」
微笑む聖女様。
魔術師様は無言でただうなずいている。
「ほら、そういうことだから遠慮せずしっかり食べろ。たくさん食べないと大きくなれないぞ」
「失礼な!これでも成人してますっ!!」
よく子供と間違えられるくらい小柄なのを気にしてるのに頭にくるなぁ。
勇者様に反論してから口の中に肉を放り込んだ。
旅は順調に進んでいる。
冒険者ギルドの協力で宿の確保も問題なくできているし、今後の野営に向けての食材調達も順調だ。
まぁ、野営になれば狩りや採取で現地調達するけどね。
このパーティには聖女様と魔術師様がいるけれど、いざという時のためのポーション類も確保してある。
そしてもちろんしっかり帳簿もつけている。
遠征費用は王宮もちだけど、出所は税金なんだから無駄遣いはしたくない。
そのことは魔王討伐パーティの面々にも理解してもらっている。
もちろん私的な買い物で私費を使うのは干渉しないけどね。
ちなみに野生の動物や魔獣を退治することもあるので、不定期ではあるが収入もある。
冒険者ギルドが通達してくれたおかげで、割高で買取りしてもらえるのはありがたい。
魔王討伐パーティの面々はみんないい人で、貴族でありながら偉そうにすることもなく、ただの雑用係の私にも親切にしてくれる。
移動や休憩時にはいろんな雑談もするようになった。
賢者様はこの中で唯一の既婚者だが、政略結婚のため互いに関わることも少ないそうで、長期の不在を告げてもあっさりとしたものだったらしい。
これから関わる魔族や魔王領についてだけでなく、歴史や天文などいろんなことを教えてくれる。
「知識はいくらあっても邪魔にはなりませんからね。それにこうして誰かに話すのも楽しいのです」
賢者様はまるで歩く図書館だと思う。
王都で生まれ育って大聖堂での生活が長かった聖女様は、初めて見る田舎の景色がめずらしいらしく、移動中は終始興奮気味だ。
そしてちょっと困ったこともある。
「私、ずっと妹が欲しかったのですわ」
男の兄弟しかいなかったそうで、やたらと私をかまいたがるのだ。
私にはない柔らかくてとても大きな胸は、ぎゅっと抱きしめられると息が苦しくなるので、できればほどほどにしてほしい。
魔術師様は基本的に無口だけど、たまに魔法の使い方の助言をしてくれる。
「…魔力量があったらもっと教えてやれるのだが」
そう言いつつもより効率のよい使い方を教えてくれる。
私ももっと習得したいとは思うけど、一般的に貴族に比べて平民は魔力量が少ないからこればかりはしかたない。
魔王討伐パーティの面々は旅の途中ということで地味な服装にしているとはいえ、にじみ出る気品はやはり注目を浴びてしまう。
「おい、お前もこっちに来て一緒に食えよ」
隅の方のテーブルでひっそり食べようと思っていたのに、勇者様に声をかけられた。
「え、でも」
躊躇していると勇者様に手をひっぱられて座らされる。
「お前だって一緒に旅する仲間なんだから遠慮なんかすんなって」
「そうですわ。ほら、食事はみんなで楽しく食べた方が美味しいでしょう?」
聖女様の微笑みがまぶしい。
「そうそう、これから長い旅をともにするのだから、気を遣う必要などありませんよ」
みんなより年上の賢者様が穏やかに言う。
「…みんなの言うとおりだ」
魔術師様がぼそっと言った。
「わかりました。ご一緒させていただきます」
面倒なのでさっさとあきらめることにした。
ただ、宿自慢の食事はとても美味しかったけど、私以外の食事の所作があまりに見事で、つい音を立ててしまう自分がだんだん恥ずかしくなってきた。
やっぱり次からは別のテーブルにしてもらおうかな。
「どうした?元気がないな。何か食べられないものでもあったか?」
勇者様に声をかけられる。
「あ、あの、料理はとても美味しいです。ただ、私の食事の所作がひどいなって思って、ちょっと落ち込んだだけなので…」
正直に白状してうつむく。
「気にすることはありませんよ。我々は幼い頃から叩き込まれていますから所作がなかなか抜けませんが、こういう場ではもっと雑でもよいのかもしれませんね」
賢者様がそう言ってくださった。
「そうですわね。旅が進めば野営も増えてくることでしょうから、所作など気にしなくてもよいと思うのですが、もしどうしても気になるというのなら、これから気をつければよいだけのこと。私でよろしければお教えいたしますわ」
微笑む聖女様。
魔術師様は無言でただうなずいている。
「ほら、そういうことだから遠慮せずしっかり食べろ。たくさん食べないと大きくなれないぞ」
「失礼な!これでも成人してますっ!!」
よく子供と間違えられるくらい小柄なのを気にしてるのに頭にくるなぁ。
勇者様に反論してから口の中に肉を放り込んだ。
旅は順調に進んでいる。
冒険者ギルドの協力で宿の確保も問題なくできているし、今後の野営に向けての食材調達も順調だ。
まぁ、野営になれば狩りや採取で現地調達するけどね。
このパーティには聖女様と魔術師様がいるけれど、いざという時のためのポーション類も確保してある。
そしてもちろんしっかり帳簿もつけている。
遠征費用は王宮もちだけど、出所は税金なんだから無駄遣いはしたくない。
そのことは魔王討伐パーティの面々にも理解してもらっている。
もちろん私的な買い物で私費を使うのは干渉しないけどね。
ちなみに野生の動物や魔獣を退治することもあるので、不定期ではあるが収入もある。
冒険者ギルドが通達してくれたおかげで、割高で買取りしてもらえるのはありがたい。
魔王討伐パーティの面々はみんないい人で、貴族でありながら偉そうにすることもなく、ただの雑用係の私にも親切にしてくれる。
移動や休憩時にはいろんな雑談もするようになった。
賢者様はこの中で唯一の既婚者だが、政略結婚のため互いに関わることも少ないそうで、長期の不在を告げてもあっさりとしたものだったらしい。
これから関わる魔族や魔王領についてだけでなく、歴史や天文などいろんなことを教えてくれる。
「知識はいくらあっても邪魔にはなりませんからね。それにこうして誰かに話すのも楽しいのです」
賢者様はまるで歩く図書館だと思う。
王都で生まれ育って大聖堂での生活が長かった聖女様は、初めて見る田舎の景色がめずらしいらしく、移動中は終始興奮気味だ。
そしてちょっと困ったこともある。
「私、ずっと妹が欲しかったのですわ」
男の兄弟しかいなかったそうで、やたらと私をかまいたがるのだ。
私にはない柔らかくてとても大きな胸は、ぎゅっと抱きしめられると息が苦しくなるので、できればほどほどにしてほしい。
魔術師様は基本的に無口だけど、たまに魔法の使い方の助言をしてくれる。
「…魔力量があったらもっと教えてやれるのだが」
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私ももっと習得したいとは思うけど、一般的に貴族に比べて平民は魔力量が少ないからこればかりはしかたない。
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