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最終話 相棒
あの、勇者様?
「ギルドマスターにはお前の行き先を把握しておくよう頼んでおいたんだが、見つけたらつい我慢ができなくなった」
笑顔がまぶしいです。すごく顔が近いです。
それにこれはいわゆるお姫様抱っこというものでは?
あと、みんな正装なのに私だけ旅装のままなんですけど?
混乱しつつもふと馬車の中に目をやると、賢者様の指には遠征時に一度も身に着けていなかった結婚指輪が光っていた。
私の視線に気付いた賢者様が答える。
「帰ったら妻に号泣されましてね。政略結婚ということで互いに意地を張ってきましたが、長年連れ添っているのだから、この機会に素直になろうということになりまして」
苦笑いだけど幸せそうだ。
そして聖女様と魔術師様は、いつのまにか指をからめてしっかりと手を握っていた。
これはいわゆる恋人繋ぎというものでは?
「魔王討伐のすぐ後で、どちらからともなく、ね?」
笑顔の聖女様がそう言うと、魔術師様は無表情のままうなずく。でもちょっと顔が赤い。
…あれ?
帰路の休憩時に魔術師様が釣りに行くと、聖女様も水辺で瞑想してくるっていなくなってたけど、もしかしてあれは逢引きだった?
そして帰路の馬車で賢者様が御者台の私の隣によく座るようになったのは、もしかして馬車の中で2人の時間を作るためだった?
うわぁ、全然気付かなかった。私って鈍すぎ?
「おいおい、こっちも見てくれないか」
お姫様抱っこされたままなので、ただですら近い勇者様の顔がさらに接近する。
「ひゃい!」
近すぎて心臓によくないと思う。
「お前がいてくれたからこそ、臆することなく魔王と対峙することが出来た。お前とともに帰る、それが俺の心の支えだった」
勇者様のよく通る声が響くと、見物客のざわつきが消える。
「お前の笑顔と美味い食事を誰にも渡したくない。だから俺の人生の相棒になってくれないか?」
人生の相棒って、やっぱりそういう意味だよね?
でも、やっぱり無理があると思う。
「あ、あの、でも爵位を賜って貴族になったんですよね?魔王を倒した英雄で、貴族でもある勇者様と私じゃつりあわないです」
「ああ、そんなの面倒だから断った。代わりに俺の生家の爵位が上がる。俺はただの冒険者に戻るから心配するな」
賢者様を見ると笑顔でうなずいている。どうやら本当らしい。
「で、でも、魔王討伐パーティの皆さんにはもう近付かないって宰相様と約束しちゃったのに…」
ニヤッと笑う勇者様。
「それはお前からってことだろ?俺から近付く分には何の問題もないじゃないか」
え、それでいいの?
「魔王は退治したけど、未攻略のダンジョンは山ほどあるし、魔の森の魔獣で困ってるところも多い。俺はこれからも人々のためになることをしていきたい。人を思いやれるお前とならきっとうまくやっていける、そう思うんだ」
勇者様にじっと見つめられる。
「もう一度言うぞ。これからは俺の人生の相棒になってくれないか?」
「…はい」
こくんとうなずく。
「ありがとう!」
いきなり唇を奪われた。
沿道の見物客や冒険者ギルドの連中からの拍手や冷やかしで一気に恥ずかしくなり、思わず勇者様の胸に顔をうずめた。
「ギルドマスター!こいつは先にもらっていくからまた後でな!」
ギルドマスターとサブマスターは笑顔で手を振っていた。
私の新たな旅はこれから始まる。
「ギルドマスターにはお前の行き先を把握しておくよう頼んでおいたんだが、見つけたらつい我慢ができなくなった」
笑顔がまぶしいです。すごく顔が近いです。
それにこれはいわゆるお姫様抱っこというものでは?
あと、みんな正装なのに私だけ旅装のままなんですけど?
混乱しつつもふと馬車の中に目をやると、賢者様の指には遠征時に一度も身に着けていなかった結婚指輪が光っていた。
私の視線に気付いた賢者様が答える。
「帰ったら妻に号泣されましてね。政略結婚ということで互いに意地を張ってきましたが、長年連れ添っているのだから、この機会に素直になろうということになりまして」
苦笑いだけど幸せそうだ。
そして聖女様と魔術師様は、いつのまにか指をからめてしっかりと手を握っていた。
これはいわゆる恋人繋ぎというものでは?
「魔王討伐のすぐ後で、どちらからともなく、ね?」
笑顔の聖女様がそう言うと、魔術師様は無表情のままうなずく。でもちょっと顔が赤い。
…あれ?
帰路の休憩時に魔術師様が釣りに行くと、聖女様も水辺で瞑想してくるっていなくなってたけど、もしかしてあれは逢引きだった?
そして帰路の馬車で賢者様が御者台の私の隣によく座るようになったのは、もしかして馬車の中で2人の時間を作るためだった?
うわぁ、全然気付かなかった。私って鈍すぎ?
「おいおい、こっちも見てくれないか」
お姫様抱っこされたままなので、ただですら近い勇者様の顔がさらに接近する。
「ひゃい!」
近すぎて心臓によくないと思う。
「お前がいてくれたからこそ、臆することなく魔王と対峙することが出来た。お前とともに帰る、それが俺の心の支えだった」
勇者様のよく通る声が響くと、見物客のざわつきが消える。
「お前の笑顔と美味い食事を誰にも渡したくない。だから俺の人生の相棒になってくれないか?」
人生の相棒って、やっぱりそういう意味だよね?
でも、やっぱり無理があると思う。
「あ、あの、でも爵位を賜って貴族になったんですよね?魔王を倒した英雄で、貴族でもある勇者様と私じゃつりあわないです」
「ああ、そんなの面倒だから断った。代わりに俺の生家の爵位が上がる。俺はただの冒険者に戻るから心配するな」
賢者様を見ると笑顔でうなずいている。どうやら本当らしい。
「で、でも、魔王討伐パーティの皆さんにはもう近付かないって宰相様と約束しちゃったのに…」
ニヤッと笑う勇者様。
「それはお前からってことだろ?俺から近付く分には何の問題もないじゃないか」
え、それでいいの?
「魔王は退治したけど、未攻略のダンジョンは山ほどあるし、魔の森の魔獣で困ってるところも多い。俺はこれからも人々のためになることをしていきたい。人を思いやれるお前とならきっとうまくやっていける、そう思うんだ」
勇者様にじっと見つめられる。
「もう一度言うぞ。これからは俺の人生の相棒になってくれないか?」
「…はい」
こくんとうなずく。
「ありがとう!」
いきなり唇を奪われた。
沿道の見物客や冒険者ギルドの連中からの拍手や冷やかしで一気に恥ずかしくなり、思わず勇者様の胸に顔をうずめた。
「ギルドマスター!こいつは先にもらっていくからまた後でな!」
ギルドマスターとサブマスターは笑顔で手を振っていた。
私の新たな旅はこれから始まる。
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