僕の彼女は誰かの推し

キベ

文字の大きさ
1 / 1

彼女と僕

しおりを挟む
僕はブサイクではないけどイケメンなわけでもない。

自分で言うのもなんだが、しいて言うならフツメンだろう。

仕事は普通の中小企業に勤務している。

給料は高くはないが安くもなく、そこそこな額頂いている。

その上に同僚も良い人が多く、普通に仕事も楽しいし最高の職場だ。





そんな僕の彼女は周りから見ても、僕から見てもめちゃくちゃ可愛い。

その上スタイルも良いし性格だって良いときた。

僕の主観も入っているが、言うなれば完璧美少女だろう。

正直なところ何故僕と付き合ってくれたのかはわからない。

彼女の事を知り合いや友達に紹介すると、だいたいお前騙されてるよと言われる。

普通にそれは言い過ぎだと思う。

けれど悲しいことに、それくらい僕と彼女は周りから見ても不釣り合いなのだ。





普段はお互いの家でゲームをしたり、通話をしたりしている。

最近はこのご時世なので、オンラインで会うことが多い。

最近の技術は進化をしていて、ビデオ通話で声だけでもなく顔も見る事できるので、さほど寂しさは感じてなかった。

だけどやっぱり、寂しいと言う気持ちもある。

でも彼女にも予定もあるだろうし迷惑にもなるだろうから、自分から会いたいと言うのは少し躊躇していた。

彼女と会う時は、外で会うか僕の家でしか会わない。

僕的には彼女の家も行ってみたい。

きっといつか行けるだろうと気長に待っている。





最近は彼女も僕も多忙でしばらく会うことができていないので、とても会いたい。

けれど、会いたいと連絡するのは少し気が引ける。

忙しいのに連絡してくるなよとか思われたらどうしようと思ってしまう。

そんなことをいちいち考えて、うだうだしている僕はきっとめんどくさい性格なんだろう。

そんなめんどくさい性格の僕と付き合ってくれている、完璧で可愛い彼女には感謝しかない。

だからこそ僕はもっと彼女に色々やってあげたいし、直してほしいところがあるなら直したいのだ。





ここは勇気を出して連絡をしてみよう。

きっと返事はくれるはずだ。

「ねぇ、もし良かったらなんだけど今日会えないかな?」

もし返信が来なかったらどうしよう。

送ってyotubeを見ながら暇をつぶしていた。





「ティロン」

通知音と共にメッセージが来た。

「うん、もちろん良いよ。」

良かった、久しぶりに彼女に会える。

そう思うとニヤニヤが止まらない。

「それは良かった!じゃあ待ち合わせはどこにしようか?」

やっぱり待ち合わせはいつもの公園かなぁ。

それとも駅前の銅像だろうか。

待ち合わせの場所を決めるだけなのにニヤニヤしている。

きっとこの顔を見られたら気持ち悪いと思われるだろう。

「実は今日夜まで予定があるから夜からでも良い?」

なんて返信をしようか頭を悩ませていると。

「だから今日は、私の家にしない?

一回も来た事なかったよね?」

返信をする前に続けざまに送られてくる。

正直嬉しすぎる。

彼女の家に行けるなんて。

どんな家なのか想像しただけでワクワクが止まらない。

「もちろん良いに決まってるよ!」

ここでダメなんて言うやつがいるわけない。

「それは良かった。じゃあ後で、時間と住所送っとくね。」





楽しみ過ぎてベットにダイブして枕をぎゅっと抱きしめた。

嬉しい。

嬉し、過ぎる。

そうと決まれば早速準備をしよう。

彼女の隣にいても恥ずかしくないようにせめて身なりくらい、きちんとしようと決めている。

時計を見て時間を確認すると、まだ4時だった。

慌てずゆっくり準備をすれば恐らく十分間に合う時間だろう。

すこぶる気持ちを落ち着かせ、とりあえずシャワーを浴びることにした。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり

鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。 でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

処理中です...