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第1章 ダンジョンマート金沢店 オープン準備編

【001】サポートマスコットの選択

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「さて、ウィーン様、中に入った後は、こちらのエレベータより、まずは最上階に移動…します。」
「チン」

「着きましたね、突き当りが経営者用の制御室並びに控室となります。教育訓練でもお話しましたように、内装のレイアウトがされていない、吹き抜けのビルを購入しております。

内装に関しては、制御室においてあります、こちらの装置にこのソウルキー(魂のカギ)を差し込んで起動してください。

このままですと、ウィーン様以外の方でも、ダンジョンを制御できることになります。こちらでも網膜認証、指紋認証、ソウル認証を登録して頂きます。」

この3種は人間、我々物の怪に至るまで、まったく同じものは現時点で確認出来ておりません。泥棒やよからぬ輩が、一つの認証を突破することは稀にありますが、これまでかつて3つとも突破されたケースはありません。

これで登録が完了しました。ダンジョンオーナーの経営が本格的に開始となります。

「エリックさんありとうございます。仕事も出来ていなかった私が経営者なんて嘘のような気がします。これからダンジョンマート金沢支店を繁盛させて、人間のお客さんを沢山誘客できるようにします。ご指導お願いします。」

「起動の後は、早速、サポートタイプのモンスターを選定しましょう。こちらは、3タイプのモンスターから選ぶことができます。 変更は出来ませんので、慎重にお選び下さい。

 1.人狼
  性別:男
  性格:オーナーに従順
   言われたことを正確に誠実に行います。
   多くのダンジョン経営者がこちら
   を選びます。
   吸血鬼の方との相性はとてもよいです。

 2.猫耳娘
  性別:女 
  性格:お姉さんタイプで色々と体調や
   ダンジョン管理の経営に気を遣います。
   ですが、少しおっちょこちょいで、
   たまにミスが発生します。
   イレギュラーを起こして、自分には
   考え付かないことをします。
   アイデアが欲しいタイプはこちらの
   方を選びます。
  
   犬族と猫族との関係より、一般的には
   オーナー様との関係は良くないと判断
   します。

 3.サラマンダー
 性別:未定
 性格:頑張り屋さんです。
  ただし、言葉を話すことが出来ませ
  んので、動物とのコミュニケーション
  が取れる方が望ましいです。
  ちなみに一緒にいるととても癒されます。
  たまに火を口から吐くのがとても
  可愛らしいですよ。

  他のサポートタイプより、第6感が
  優れています。
  こちらを選ぶ型は非常に少ないですね。

と3タイプあります。ウィーン様はどちらになさいますか?」

うう~~ん。
迷うな。エリックさんの話だと、人狼タイプが良いとういうことだが、狼男と似てるから、あまり選ぶ気にならないんだよね。城に居た時も話は通じるけど、僕のお願いは聞いてくれなかったし。。。苦手意識はあるからパスかな。

となると猫耳娘か、サラマンダーなんだよね。マスコットタイプは確かに可愛くて、欲しいけど、僕は初めてのダンジョン経営になるから、あまり優著に冒険は出来ないな。

となると、最後に残ったのは猫耳娘か。犬族とはたしかにあまり関係はよくはないけど、こと僕に限ってはそれも少ないんだよね。眷属の狼男と関係がよくないせいか、森にいくときは、ユキヒョウやカラネコたちが寄ってきて、首をこすりつけてくれるもんね。

それに、僕が気付いてないことを注意してくれたり、気付かせてくれるのはありがたいんだ。ミスをされるのは困るけど、物の怪でミスしないものはほとんんどいないしね。

そちらのキチンと説明してくれる、ユニコーンのエリックさんだって、たまに時間に遅れてくるから。

失敗は誰にでもある。
それを挽回して元に戻せばいいだけだ。

定常な作業にミスマッチな作業が生まれることで刺激が生まれ、より良いものが出来ることもある。僕の長年読んできたビジネス書の中に、そういうことは沢山書いてあった。失敗は成功の基だ。あれっ成功の母だったかな。

「よし、決めました。気遣いができて、おっちょこちょいな猫耳娘にします。」

「本当にそれでよろしいですか?後で変更する場合は、ダンジョンを初期化しないと出来なくなりますよ。」

「ええっ、大丈夫です。猫耳娘なら女性の視点でみられると思いますの。男の僕とは異なる意見が聞けるので選択しました」

「わかりました。では猫耳娘にします。」

猫耳娘を選択し、クリックして、再確認のコマンドをOKを押した。

すると。何もない、空間から猫耳娘が現れた。お姉さんタイプといいながらも、財人男性である僕の胸のあたりまでしか、身長がない。姉というより妹タイプの方が近い感じがする。

「ご主人よろしくにゃ~。これからよろしくなるにゃ~。あちきの名前を決めてくれにゃ~。」

ネコの名前を入力する「ミリィ」と。

「了解にゃ。あちきの名前は、ミリィだにゃ~」

「ではこれで、初期設定を完了します。ここのダンジョンは階層が多いですので、まずは1階を初心用として、レイアウトしましょう。お試しでオープンした方が宜しいでしょう。」

僕のダンジョン設計が今始まった。
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