吸血鬼が始めるダンジョン経営 ~アトラクション化で効率的に魂採取~ 【累計9.6万pt】

近衛 愛

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第12章 人間と物の怪の懇親会

【109】EXDELによる業務効率化の指導2

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「はぁー、となると結局は手作業であの複雑な作業をしなければならないのですか。」

「どんな作業をされているかは分かりませんが、自動で本来している処理を手で打ってあげる必要がありますね。」

「自動化は簡単にするためにしているはずなのに、イレギュラーになると、操作が増えて複雑になってしまうとは、本末転倒ですかね。」

「いえいえ、天魔さん。多分そういう側面も導入する時にあったと思いますけど、元々は月末にある締め作業の負荷軽減やミスの軽減なとが目的だった筈ですよ。実際にシステム導入により負荷は半分近く、手書きでするよりも減っている筈です。」

「確かに。締日から、給与の支払い日時までに期限が限られてますので、その時間が3日間当初かかっていた作業が、半分になるなら事務員の負担は相当減りますね。その期間でしか出来ない仕事は、他の閑散日への振替が出来ないですから。」

「そうです。それにプログラムでやる分マスター作ってやるので、直接数値を弄って変更する直接作業ではなく、入力日のデータをみて、修正し、全体に反映させる間接作業になるので、分かりやすいかと言えば、わかりにくくなりますね。」

「これがソフトを導入したり、システムを入れた場合のメリット、デメリットな訳ですね。簡単な作業は誰でも出来るようになるが、その反面複雑な操作対応が分かるソフトの専任者が必要になるということですか。」

「ええ、その通りですね。そして、この関数、VBAの関数とプログラムの盛り盛りファイルで運用して行く場合は、問い合わせと今後の変更修正対応をどうしていくかも考えないといけませんね。」

「ああ、なるほど、複雑な手順は結局マニュアルを書いても
苦手な人は読まないし、それに複雑なイレギュラーになるとそもそも書いてないからということですね。」

「そうなんです。で、結局ソフト作成者に問い合わせや変更、修正依頼が殺到し、作った人の本来の業務が回らなくなるというストーリーです。」

「あー、それだと作成者は大変ですね。良かれと思って作ったものが、色んな人の手に渡ることによって、本来の業務が出来なくなるなんて。それにしても、ウィーンさんなんだか実感がこもってますね。どこかでそんなことがあったんですか?確かニートをしていたのでは?」

「えっ、あれだけお仕事できるのにウィーンさんはニートだったんですか?信じられません。」

「あーまー、実家がブラッドワインの製造販売をしてますから、その時に事務・経理関連の仕事をしてたんですよ。で、まー、そういう流れになってきて、最後の方は問い合わせや変更対応ばかりでしたね。まー、それも、結局家族からお前は仕事が出来ないダメなヤツだって、言われて勘当されましたので、今ここにいる訳ですけどね。はははっ」

「「・・・・」」

  なるほど、その過去が原因で色々と反応がおかしかったんですね。いやはや、これほど出来る人にしてもらっていて、仕事をしていないとは、ご家族の方はどういう流れで言ったのでしょうかね。まー、その変な対応は徐々に私の方で直していきましょう。

 天魔さんがチラッと雪那さんと小咲ちゃんの方を見ると、雪那さんもタイピングの練習を止めて、話を聞いていたのかコクンと頷いたし、小咲ちゃんもウンウンと頷く。

 僕はそれらに気づかず遠い所を見ていた。あー、つい話の流れで重い話をしてしまった。なるべくみんなには気を使わさない様に上司として、オーナーとして毅然とした形で対応して行くつもりだったのに。

「でも、そういう実感のある話を聞くと、今回作るこの業務改善用のファイルも同様なことが起きる訳ですか?」

「ええ、同じことが起きると思いますよ。自分の部署で、自分が使う範囲で行うのであれば何の問題も出ないのですが、他の人が使う、会社が使う、他の支店も使うのだと同じケースが発生すると思います。それも使う人数が増えれば増えるほど、対応する人間に負担が流れてきます。」

「「・・・・」」

「いやいや、二人ともそんな顔をしないで下さいよ。私のファイルを認めてもらえて、使ってもらえるなら大変ありがたいことなんですから。だから、天魔さんのいる大阪支店では使ってもらえればと思います。」

「ほっ、ウィーンさん。改善して行くこと自体は悪いことではないんですよね。」

 小咲ちゃんが心配そうな顔をして聞いてくる。
それはそうかもしれない。自分の作ったものの影響がそれほどまで広がるとは思ってないからだ。

「ええ、負担を軽減するのが目的ですからね。むしろ役に立つ文良い事でしょう。使う側の人間がその事まで配慮出来ればといった形でしょうか。今回のファイルも他の支店への配布は禁止とします。使用条件を定めましょう。」

「えっ、配布禁止にするんですか?そうなると、後から知った他の支店の担当者が不満を口にするのではないですか?そんな便利なものがあるなら教えて欲しいし、コピーするだけなら、送って欲しいとも。事実私も、ヨシさんにそう言ってファイル送ってますし……。」

「ええ、分かっていますよ。だから使用条件をつけるんですよ。変更や修正がある際は、各支店で対応すること。出来ない場合は、いつも通り手作業で行うこと。または、最寄りの外注にお願いして、修正してもらう事。自分で勉強して、やってもらう事ですね。」

「それはまた、当たり前の様でいて、酷く難しい問題ではないでしょうか?」
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