【完結】織姫と彦星が織りなす学園の七不思議

近衛 愛

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最終話 光の先に見つかったもの

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来るときと同じく、虹がお守りに収束し、終わったら、周囲の光を取り込みだした。

僕達は、お互いに手を握りあった。右手は直接ナナちゃんの手と、左手はナナちゃんの持っているお守りの手を握って。

「ナナちゃん」
「トシ君」

二人はお互いが決して離れないように強く握りあった。ここで手を離してしまえば、今度はもうどちらかが現代に戻ってこれなくなり、離れ離れになってしまうことがわかっていたから。

そして、お守りに集まった光の玉は徐々に大きくなり、臨界点に達した時、周囲に前と同じ白い光を放った。

ここまではOKだ。なんとかなった、あとは本当に現代に戻れるかどうかだった。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

白い光が収まり周囲を見回すと、そこには見慣れた学校があった、少し古ぼけた校舎。一昨日に頑張って飾り付けをした竹。そして、目の前には弓道衣を着たナナちゃんがいた。

よかった。ほんとよかった。現代に戻ってこれてよかった。まだ正確に出発した時と同じ時刻かどうかはわからないが、ホースから水が出ているところをみると、僕達が旅立ったころの時間のようだ。

当たりは、太陽が沈みかけているため、赤い光が校舎にさしていた。

「ナナちゃん僕達戻ってきたんだ。現代に!!」

「ええぇ、やったわね。トシ君。私達タイムスリップして過去に行って、戻ってきたのよ」

うん、少し僕とずれてはいるがそれもまた、彼女らしかった。

僕達は強く握りあった手をお互いに離して距離をとった。

「それにしても凄かったわね。まさか、このお守りに入っている黒い石でタイムトラベルするとは思わなかったわ。」

とナナちゃんは、お守りから次元石を取り出して、改めて眺めていた。

「それに七夕の日の彦星様と織姫様と短冊にも驚いたけどね。」

「もう一度やったら、出来ると思う?」

「次はまた、違うところに飛ぶかもしれないよ。そしてまた戻ってこれるかもわからない」

「でも、トシ君。私達は二人とも本当にタイムトラベルしたと思う?」

「少なくとも僕はしたと思っている。それにナナちゃんも同じ現象を体験しているからそれを話してるんだろう。

まさか、二人とも同じ白昼夢を見るなんて考えられないよ。あれ?いや違うか、タイムトラベルの方が口頭無形か。」

「そっ、そうだわ。トシ君私達記念写真を撮ったわ。」

とナナちゃんは急いでポケットからスマホを取り出して、さっきとったはずの写真を表示した。

「ほら、これみて間違いなくあの時とった写真よ。日付もちゃんと1995年の7月7日になっているわ」

「なら、僕達は間違いなくタイムトラベルをしたんだね。」

「そういうことよ。トシ君。でもこの写真一枚だけじゃ、流石に世界に公表は出来ないわね。」

「うん、高校生が偽造写真を作って、ねつ造したって思われるのがおちだよ。僕たちは過去のものを何一つ持ってきてないんだから。

次元石を科学分析してもらえばなにかわかるかもしれないけど・・・・」


「いや、それはしないわ。これはお父さんとお母さんが付き合ったきっかけで、私を産んでくれた大切な石だもの。それに。。。。」

と言葉を止めて、ナナちゃんは僕を見てきた。

「トシ君とタイムトラベルをした貴重な思い出の品だからね。そんな他の人に渡すなんてことは出来ないよ。はいっ。」

と言って、ナナちゃんが僕に次元石を差し出してきた。

「それと、あのね、トシ君、私、お父さんとお母さんを見て思ったんだけど。。。。。」

まずい、この流れはちょっとまずい、なにがまずいって、女の人から言っていることがまずいんだよ。

「ナナちゃんありがとう。これは僕がもらうよ。」

「ええ、上げるわ。それと。。。。」

「ナナちゃん。ちょっと待ってそれ以上は言わないで。」

ナナちゃんがちょっと悲しい顔をしている。

さぁ~天宮寿也、勇気を出せ、今出さなかったら一生後悔するぞ。

ふぅーっと一息ついて

僕は片膝をついて、もらった次元石をナナちゃんの方に差し出した。

「ナナちゃん。いえ、時渡那奈美さん。」

「はいっ」

「僕と付き合ってもらえませんか?タイムトラベルをして、ナナちゃんが消えてしまうかも知れないって思ったときに、幼馴染であるナナちゃんが僕にとって、すごく大切な人だって気づいたんだ。

それで、現代に戻った時にナナちゃんが無事でいてくれてよかったと本当に思った。

そして、おじさんや、おばさんみたいな関係になりたいって思った。最後の一押しは、ナナちゃんがくれた次元石だよ。だから、どうか頼りないけど、僕と付き合って下さい。

ナナちゃんがもう勝手にどこかへ消えてしまうなんてことは耐えられそうにない、これからもずっとナナちゃんの傍にいさせてください。」

もう、カッコイイセリフとか、ロマンチックなシチュエーションとか、夜景の見える夜空でとかそんなことは出来なかった。ただ今この瞬間でないとダメな気がしたんだ。

「ええ、トシ君、喜んで」

そういって、次元石を受け取り僕の手を引っ張って立ち上がらせてくれた。

「でも、トシ君。過去でも、現代でも、未来でもこれからずっと一緒にいれくれなきゃダメだよ。」

といって、目を閉じて、つま先立ちをして、唇を近づけてきた。
僕も、雰囲気につられて、そのまま目を閉じた。

二人は唇を重ね合わせた。
手にもった次元石が夕日の光を浴びて赤く輝いていた。

~~~~~~~END~~~~~~~~
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