16 / 16
最終話 光の先に見つかったもの
しおりを挟む
来るときと同じく、虹がお守りに収束し、終わったら、周囲の光を取り込みだした。
僕達は、お互いに手を握りあった。右手は直接ナナちゃんの手と、左手はナナちゃんの持っているお守りの手を握って。
「ナナちゃん」
「トシ君」
二人はお互いが決して離れないように強く握りあった。ここで手を離してしまえば、今度はもうどちらかが現代に戻ってこれなくなり、離れ離れになってしまうことがわかっていたから。
そして、お守りに集まった光の玉は徐々に大きくなり、臨界点に達した時、周囲に前と同じ白い光を放った。
ここまではOKだ。なんとかなった、あとは本当に現代に戻れるかどうかだった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
白い光が収まり周囲を見回すと、そこには見慣れた学校があった、少し古ぼけた校舎。一昨日に頑張って飾り付けをした竹。そして、目の前には弓道衣を着たナナちゃんがいた。
よかった。ほんとよかった。現代に戻ってこれてよかった。まだ正確に出発した時と同じ時刻かどうかはわからないが、ホースから水が出ているところをみると、僕達が旅立ったころの時間のようだ。
当たりは、太陽が沈みかけているため、赤い光が校舎にさしていた。
「ナナちゃん僕達戻ってきたんだ。現代に!!」
「ええぇ、やったわね。トシ君。私達タイムスリップして過去に行って、戻ってきたのよ」
うん、少し僕とずれてはいるがそれもまた、彼女らしかった。
僕達は強く握りあった手をお互いに離して距離をとった。
「それにしても凄かったわね。まさか、このお守りに入っている黒い石でタイムトラベルするとは思わなかったわ。」
とナナちゃんは、お守りから次元石を取り出して、改めて眺めていた。
「それに七夕の日の彦星様と織姫様と短冊にも驚いたけどね。」
「もう一度やったら、出来ると思う?」
「次はまた、違うところに飛ぶかもしれないよ。そしてまた戻ってこれるかもわからない」
「でも、トシ君。私達は二人とも本当にタイムトラベルしたと思う?」
「少なくとも僕はしたと思っている。それにナナちゃんも同じ現象を体験しているからそれを話してるんだろう。
まさか、二人とも同じ白昼夢を見るなんて考えられないよ。あれ?いや違うか、タイムトラベルの方が口頭無形か。」
「そっ、そうだわ。トシ君私達記念写真を撮ったわ。」
とナナちゃんは急いでポケットからスマホを取り出して、さっきとったはずの写真を表示した。
「ほら、これみて間違いなくあの時とった写真よ。日付もちゃんと1995年の7月7日になっているわ」
「なら、僕達は間違いなくタイムトラベルをしたんだね。」
「そういうことよ。トシ君。でもこの写真一枚だけじゃ、流石に世界に公表は出来ないわね。」
「うん、高校生が偽造写真を作って、ねつ造したって思われるのがおちだよ。僕たちは過去のものを何一つ持ってきてないんだから。
次元石を科学分析してもらえばなにかわかるかもしれないけど・・・・」
「いや、それはしないわ。これはお父さんとお母さんが付き合ったきっかけで、私を産んでくれた大切な石だもの。それに。。。。」
と言葉を止めて、ナナちゃんは僕を見てきた。
「トシ君とタイムトラベルをした貴重な思い出の品だからね。そんな他の人に渡すなんてことは出来ないよ。はいっ。」
と言って、ナナちゃんが僕に次元石を差し出してきた。
「それと、あのね、トシ君、私、お父さんとお母さんを見て思ったんだけど。。。。。」
まずい、この流れはちょっとまずい、なにがまずいって、女の人から言っていることがまずいんだよ。
「ナナちゃんありがとう。これは僕がもらうよ。」
「ええ、上げるわ。それと。。。。」
「ナナちゃん。ちょっと待ってそれ以上は言わないで。」
ナナちゃんがちょっと悲しい顔をしている。
さぁ~天宮寿也、勇気を出せ、今出さなかったら一生後悔するぞ。
ふぅーっと一息ついて
僕は片膝をついて、もらった次元石をナナちゃんの方に差し出した。
「ナナちゃん。いえ、時渡那奈美さん。」
「はいっ」
「僕と付き合ってもらえませんか?タイムトラベルをして、ナナちゃんが消えてしまうかも知れないって思ったときに、幼馴染であるナナちゃんが僕にとって、すごく大切な人だって気づいたんだ。
それで、現代に戻った時にナナちゃんが無事でいてくれてよかったと本当に思った。
そして、おじさんや、おばさんみたいな関係になりたいって思った。最後の一押しは、ナナちゃんがくれた次元石だよ。だから、どうか頼りないけど、僕と付き合って下さい。
ナナちゃんがもう勝手にどこかへ消えてしまうなんてことは耐えられそうにない、これからもずっとナナちゃんの傍にいさせてください。」
もう、カッコイイセリフとか、ロマンチックなシチュエーションとか、夜景の見える夜空でとかそんなことは出来なかった。ただ今この瞬間でないとダメな気がしたんだ。
「ええ、トシ君、喜んで」
そういって、次元石を受け取り僕の手を引っ張って立ち上がらせてくれた。
「でも、トシ君。過去でも、現代でも、未来でもこれからずっと一緒にいれくれなきゃダメだよ。」
といって、目を閉じて、つま先立ちをして、唇を近づけてきた。
僕も、雰囲気につられて、そのまま目を閉じた。
二人は唇を重ね合わせた。
手にもった次元石が夕日の光を浴びて赤く輝いていた。
~~~~~~~END~~~~~~~~
僕達は、お互いに手を握りあった。右手は直接ナナちゃんの手と、左手はナナちゃんの持っているお守りの手を握って。
「ナナちゃん」
「トシ君」
二人はお互いが決して離れないように強く握りあった。ここで手を離してしまえば、今度はもうどちらかが現代に戻ってこれなくなり、離れ離れになってしまうことがわかっていたから。
そして、お守りに集まった光の玉は徐々に大きくなり、臨界点に達した時、周囲に前と同じ白い光を放った。
ここまではOKだ。なんとかなった、あとは本当に現代に戻れるかどうかだった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
白い光が収まり周囲を見回すと、そこには見慣れた学校があった、少し古ぼけた校舎。一昨日に頑張って飾り付けをした竹。そして、目の前には弓道衣を着たナナちゃんがいた。
よかった。ほんとよかった。現代に戻ってこれてよかった。まだ正確に出発した時と同じ時刻かどうかはわからないが、ホースから水が出ているところをみると、僕達が旅立ったころの時間のようだ。
当たりは、太陽が沈みかけているため、赤い光が校舎にさしていた。
「ナナちゃん僕達戻ってきたんだ。現代に!!」
「ええぇ、やったわね。トシ君。私達タイムスリップして過去に行って、戻ってきたのよ」
うん、少し僕とずれてはいるがそれもまた、彼女らしかった。
僕達は強く握りあった手をお互いに離して距離をとった。
「それにしても凄かったわね。まさか、このお守りに入っている黒い石でタイムトラベルするとは思わなかったわ。」
とナナちゃんは、お守りから次元石を取り出して、改めて眺めていた。
「それに七夕の日の彦星様と織姫様と短冊にも驚いたけどね。」
「もう一度やったら、出来ると思う?」
「次はまた、違うところに飛ぶかもしれないよ。そしてまた戻ってこれるかもわからない」
「でも、トシ君。私達は二人とも本当にタイムトラベルしたと思う?」
「少なくとも僕はしたと思っている。それにナナちゃんも同じ現象を体験しているからそれを話してるんだろう。
まさか、二人とも同じ白昼夢を見るなんて考えられないよ。あれ?いや違うか、タイムトラベルの方が口頭無形か。」
「そっ、そうだわ。トシ君私達記念写真を撮ったわ。」
とナナちゃんは急いでポケットからスマホを取り出して、さっきとったはずの写真を表示した。
「ほら、これみて間違いなくあの時とった写真よ。日付もちゃんと1995年の7月7日になっているわ」
「なら、僕達は間違いなくタイムトラベルをしたんだね。」
「そういうことよ。トシ君。でもこの写真一枚だけじゃ、流石に世界に公表は出来ないわね。」
「うん、高校生が偽造写真を作って、ねつ造したって思われるのがおちだよ。僕たちは過去のものを何一つ持ってきてないんだから。
次元石を科学分析してもらえばなにかわかるかもしれないけど・・・・」
「いや、それはしないわ。これはお父さんとお母さんが付き合ったきっかけで、私を産んでくれた大切な石だもの。それに。。。。」
と言葉を止めて、ナナちゃんは僕を見てきた。
「トシ君とタイムトラベルをした貴重な思い出の品だからね。そんな他の人に渡すなんてことは出来ないよ。はいっ。」
と言って、ナナちゃんが僕に次元石を差し出してきた。
「それと、あのね、トシ君、私、お父さんとお母さんを見て思ったんだけど。。。。。」
まずい、この流れはちょっとまずい、なにがまずいって、女の人から言っていることがまずいんだよ。
「ナナちゃんありがとう。これは僕がもらうよ。」
「ええ、上げるわ。それと。。。。」
「ナナちゃん。ちょっと待ってそれ以上は言わないで。」
ナナちゃんがちょっと悲しい顔をしている。
さぁ~天宮寿也、勇気を出せ、今出さなかったら一生後悔するぞ。
ふぅーっと一息ついて
僕は片膝をついて、もらった次元石をナナちゃんの方に差し出した。
「ナナちゃん。いえ、時渡那奈美さん。」
「はいっ」
「僕と付き合ってもらえませんか?タイムトラベルをして、ナナちゃんが消えてしまうかも知れないって思ったときに、幼馴染であるナナちゃんが僕にとって、すごく大切な人だって気づいたんだ。
それで、現代に戻った時にナナちゃんが無事でいてくれてよかったと本当に思った。
そして、おじさんや、おばさんみたいな関係になりたいって思った。最後の一押しは、ナナちゃんがくれた次元石だよ。だから、どうか頼りないけど、僕と付き合って下さい。
ナナちゃんがもう勝手にどこかへ消えてしまうなんてことは耐えられそうにない、これからもずっとナナちゃんの傍にいさせてください。」
もう、カッコイイセリフとか、ロマンチックなシチュエーションとか、夜景の見える夜空でとかそんなことは出来なかった。ただ今この瞬間でないとダメな気がしたんだ。
「ええ、トシ君、喜んで」
そういって、次元石を受け取り僕の手を引っ張って立ち上がらせてくれた。
「でも、トシ君。過去でも、現代でも、未来でもこれからずっと一緒にいれくれなきゃダメだよ。」
といって、目を閉じて、つま先立ちをして、唇を近づけてきた。
僕も、雰囲気につられて、そのまま目を閉じた。
二人は唇を重ね合わせた。
手にもった次元石が夕日の光を浴びて赤く輝いていた。
~~~~~~~END~~~~~~~~
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~
橋本洋一
歴史・時代
この世が乱れ、国同士が戦う、戦国乱世。
記憶を失くした優しいだけの少年、雲之介(くものすけ)と元今川家の陪々臣(ばいばいしん)で浪人の木下藤吉郎が出会い、二人は尾張の大うつけ、織田信長の元へと足を運ぶ。織田家に仕官した雲之介はやがて内政の才を発揮し、二人の主君にとって無くてはならぬ存在へとなる。
これは、優しさを武器に二人の主君を天下人へと導いた少年の物語
※架空戦記です。史実で死ぬはずの人物が生存したり、歴史が早く進む可能性があります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる