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船上の様子
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バッドエンドかハッピーエンドか以前に、さすがに溺れている人を見殺しにするのは抵抗がある。
さすがにこんなところで死なれるのは嫌!
急いで王子様を抱えて、岸の方へ泳いでいった。
上半身が人間、下半身が魚の、この体のなんと便利なこと!
車椅子で生活していた前世に比べると、はるかに動きやすい。
神様ありがとう!
それと王子様、しっかりして!
あなたが死んだら話が成立しないわ!!
「みんながみんなハッピーエンド」を目指して、私はひたすら岸へ泳いだ。
海辺には思ったより早く着いたし、海面に顔を出した頃には、天気もすっかり安定していた。
まだぐったりしている王子様の首筋に触れると、かすかな鼓動が指に伝わった。
良かった!生きてるのね!!
そうとわかったら、王子様を砂浜まで運ばなきゃ
生きてるのは良かったけど、問題が起きた。
砂浜に王子様の体を引っ張り上げようとしたら、腕がもげそうなほど重かった。
そりゃそうよね。
脱力してる成人男性の体なんて、めちゃくちゃ重いに決まってる。
王子様は体格がいいから、尚のこと重い。
おまけに今の私はエラ呼吸だから陸上ではすぐにゼーハーいうし。
おかげで、海中に戻っては陸に上がり、海中に戻っては陸に上がりを繰り返しながら、なんとか王子様の体を砂浜の安全なところまで引っ張りあげることができた。
こんな重労働を課せられた上に声を奪われて、結局は結ばれることもしないなんて。
人魚姫、ホント不憫すぎる。
さて、あとは女性が通りかかるのを待つだけだ。
筋書き通りなら、王子様はその女性と結婚するはず。
それでみんながハッピーエンドだ。
間違っても女性が気づかず素通りなどしないよう、目立つところに王子様の体を置いていたが、念のため海辺の大岩の影から見張っておくことにした。
女性が王子様に気づかなかったり、間違って漁師の男なんかが助けたりしては意味がないのだから。
もっとも、それは完全な杞憂に終わったのだけど。
大岩の影に隠れて見張ってから1分と経たないうちに、それらしき女性がやって来た。
女性は王子様を見つけるなり、顔を青ざめさせた。
「ねえ、あなた、大丈夫?大変!男の人が倒れているわ!誰か来て!助けて!」
女性が倒れている王子様に駆け寄り、容態を確かめると、周囲に助けを求めた。
女性の叫び声を聞いた人々が次々に集まってくる。
この様子なら、王子様は無事に保護されるわね。
これで安心だわ。
王子様はあの人と結婚して、私は海底で家族と毎日楽しく過ごす。
めでたしめでたし。
すっかり安心した私は、海底に戻っていった。
さすがにこんなところで死なれるのは嫌!
急いで王子様を抱えて、岸の方へ泳いでいった。
上半身が人間、下半身が魚の、この体のなんと便利なこと!
車椅子で生活していた前世に比べると、はるかに動きやすい。
神様ありがとう!
それと王子様、しっかりして!
あなたが死んだら話が成立しないわ!!
「みんながみんなハッピーエンド」を目指して、私はひたすら岸へ泳いだ。
海辺には思ったより早く着いたし、海面に顔を出した頃には、天気もすっかり安定していた。
まだぐったりしている王子様の首筋に触れると、かすかな鼓動が指に伝わった。
良かった!生きてるのね!!
そうとわかったら、王子様を砂浜まで運ばなきゃ
生きてるのは良かったけど、問題が起きた。
砂浜に王子様の体を引っ張り上げようとしたら、腕がもげそうなほど重かった。
そりゃそうよね。
脱力してる成人男性の体なんて、めちゃくちゃ重いに決まってる。
王子様は体格がいいから、尚のこと重い。
おまけに今の私はエラ呼吸だから陸上ではすぐにゼーハーいうし。
おかげで、海中に戻っては陸に上がり、海中に戻っては陸に上がりを繰り返しながら、なんとか王子様の体を砂浜の安全なところまで引っ張りあげることができた。
こんな重労働を課せられた上に声を奪われて、結局は結ばれることもしないなんて。
人魚姫、ホント不憫すぎる。
さて、あとは女性が通りかかるのを待つだけだ。
筋書き通りなら、王子様はその女性と結婚するはず。
それでみんながハッピーエンドだ。
間違っても女性が気づかず素通りなどしないよう、目立つところに王子様の体を置いていたが、念のため海辺の大岩の影から見張っておくことにした。
女性が王子様に気づかなかったり、間違って漁師の男なんかが助けたりしては意味がないのだから。
もっとも、それは完全な杞憂に終わったのだけど。
大岩の影に隠れて見張ってから1分と経たないうちに、それらしき女性がやって来た。
女性は王子様を見つけるなり、顔を青ざめさせた。
「ねえ、あなた、大丈夫?大変!男の人が倒れているわ!誰か来て!助けて!」
女性が倒れている王子様に駆け寄り、容態を確かめると、周囲に助けを求めた。
女性の叫び声を聞いた人々が次々に集まってくる。
この様子なら、王子様は無事に保護されるわね。
これで安心だわ。
王子様はあの人と結婚して、私は海底で家族と毎日楽しく過ごす。
めでたしめでたし。
すっかり安心した私は、海底に戻っていった。
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