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かっきー1st写真集 編
独り占め
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「私ね、かっきーを独り占めしたかったんだと思う…」
どうして一人で楽屋を飛び出していったのか、ちゃんと説明したいと思った。
醜くても、汚くても、かっきーには私の本当の気持ちを聞いてもらいたい。
「かっきーの写真集が出るって知った時、本当に嬉しかったし、今もそれは変わらないよ?でもね…」
(そう…これが私の気持ち…)
さくら「かっきーが遠くに行っちゃうみたいで、怖かったんだと思う…私も見たことないかっきーの表情が、いろんな人の目にとまるんだなって思ったら…かっきーがどこかに行っちゃうみたいで…」
かっきーは私の手を握りながら、ちゃんと話を聞いてくれていた。
遥香「私はここにいるよ…?ちゃんと、さくちゃんの側にいるから…さくちゃんを抱きしめて、さくちゃんに抱きしめてもらえるところにいるから…」
「うん……ごめんね…かっきーの、せっかくの写真集なのに…私、自分のことばっかりで……余裕なくなっちゃって…ごめんね…」
「ううん…私は、嬉しいよ…?さくちゃんがそう思ってくれて…嬉しい。だって、先輩たちの写真集ではそういう気持ちにならなかったってことでしょ?」
「うん…かっきーだけ…」
「だから、さくちゃんにとって特別な存在でいられるっていうのが、嬉しい」
「かっきー…」
私たちは、もう一度抱きしめ合った。
「ありがとう…こんな私でも、まだ好きでいてくれる…?」
「当たり前じゃん…さくちゃん、大好き…」
「私も…大好き」
・・・・・・・・・・・
しばらくそのまま抱き合ったあと。
「さくちゃん、そろそろみんなのところに戻れそう?」
「うん…もうちょっとしたら次の収録もあるし…みんなに心配かけてるかもしれないし」
「よしっ…じゃあ、いこっか」
私はかっきーに手を引かれて、ソファから立ち上がってドアへ向かった。
かっきーがドアノブに手をかけて、廊下に出る。
ーーーと思ったら。
かっきーはそのまま動きを止めて、何かを考えているみたいだった。
いや、考えているというか、悩んでるというか。
葛藤してるっていうのかな。
そんな感じ。
数秒後、かっきーは何かを決心したように顔を上げると、ドアをそっと開けた。
顔を出して廊下の様子を確かめると、またそっとドアを閉める。
「かっきー…?」
かっきーが私をほうを向いた。
そこからはあっという間だった。
私はかっきーにグイッと抱き寄せられ、そのまま唇を奪われた。
「…んぅっ…?!」
いきなりキスされたこと。
そして、誰かに見つかるかもしれない状況だったこと。
この2つだけで、私は心臓が跳ね上がるみたいに驚いた。
でも、それだけでは終わらなかった。
それは、これまでかっきーと交わしてきたキスとは全くの別物だった。
唇とは違う、別の柔らかいものが私の唇に触れた。
(え…これ、って……)
それは少し緊張しているようなぎこちない動きで、私の唇をなぞっていく。
やがて唇を越えて、中へ入ってきた。
こういう"深い"キスがあることは、知識として持っていた。
ただ、自分がこんなキスをされることになるなんて、考えていなかった。
さらに、かっきーの唇が私の上唇と下唇を挟み込むように動いてくる。
かっきーが、唇と舌で私を求めている…
それがハッキリと分かるような、激しいキスだった。
唇と口内への刺激だけでもこれまでとは比べ物にならないのに、さらにいつもとは違うことがあった。
ちゅ…ぴちゅ…ちゅぷ…
(や……なんか、音が…)
私とかっきーの唇から、聞いたことのないような音がする。
なんだか、すごくいけないことをしているような音。
私は体が熱くなっていくのを感じていた。
(…なにこれ…なんか、すごい……でも、こんなところ、誰かに見つかったら…)
私は、ギブアップするようにかっきーの肩をポンポンポンッと素早く叩く。
意図が伝わったのか、かっきーは名残惜しそうに唇を離した。
「ぷはっ……はぁ…はぁ…はぁ……ごめん…なんか……みんなのところに戻るって思ったら、私が、さくちゃんを独り占めしたくなっちゃって……我慢、できなくなっちゃった…」
「はぁ…はぁ……かっきー…すごい……激しくするんだもん……びっくりした……」
「ご、ごめんね……なんか…夢中でしちゃった……えっと、今度こそ、みんなのところ、戻ろっか…?」
かっきーが、恥ずかしそうにドアの方を向く。
ついさっきあんなに激しいキスをしてきたのに、照れて気まずそうにしている。
私は、そんなかっきーのギャップにたまらなくなって。
頭で考える前に、私はかっきーの制服の袖を後ろからつかんでいた。
「かっきー……今みたいなキスされたら…私だって、変な気持ちになっちゃうよ……」
「さくちゃん…」
・・・・・・・・・・・・
ちゅ…ちゅぷ…ぴちゅっ……
キスが上手いとか下手とか。
そんなことは分からないし、今はどうでもよかった。
とにかく、私もかっきーを求めていること。
それがかっきーに伝わってほしいと思って、私のほうからも激しく唇を重ねた。
かっきーもそれに応えるように、より一層激しく返してくれて…
結局私たちは、マネージャーさんからの電話が鳴るまで、薄暗い控え室で全てを忘れてお互いの唇を求め合っていた…
~続く~
どうして一人で楽屋を飛び出していったのか、ちゃんと説明したいと思った。
醜くても、汚くても、かっきーには私の本当の気持ちを聞いてもらいたい。
「かっきーの写真集が出るって知った時、本当に嬉しかったし、今もそれは変わらないよ?でもね…」
(そう…これが私の気持ち…)
さくら「かっきーが遠くに行っちゃうみたいで、怖かったんだと思う…私も見たことないかっきーの表情が、いろんな人の目にとまるんだなって思ったら…かっきーがどこかに行っちゃうみたいで…」
かっきーは私の手を握りながら、ちゃんと話を聞いてくれていた。
遥香「私はここにいるよ…?ちゃんと、さくちゃんの側にいるから…さくちゃんを抱きしめて、さくちゃんに抱きしめてもらえるところにいるから…」
「うん……ごめんね…かっきーの、せっかくの写真集なのに…私、自分のことばっかりで……余裕なくなっちゃって…ごめんね…」
「ううん…私は、嬉しいよ…?さくちゃんがそう思ってくれて…嬉しい。だって、先輩たちの写真集ではそういう気持ちにならなかったってことでしょ?」
「うん…かっきーだけ…」
「だから、さくちゃんにとって特別な存在でいられるっていうのが、嬉しい」
「かっきー…」
私たちは、もう一度抱きしめ合った。
「ありがとう…こんな私でも、まだ好きでいてくれる…?」
「当たり前じゃん…さくちゃん、大好き…」
「私も…大好き」
・・・・・・・・・・・
しばらくそのまま抱き合ったあと。
「さくちゃん、そろそろみんなのところに戻れそう?」
「うん…もうちょっとしたら次の収録もあるし…みんなに心配かけてるかもしれないし」
「よしっ…じゃあ、いこっか」
私はかっきーに手を引かれて、ソファから立ち上がってドアへ向かった。
かっきーがドアノブに手をかけて、廊下に出る。
ーーーと思ったら。
かっきーはそのまま動きを止めて、何かを考えているみたいだった。
いや、考えているというか、悩んでるというか。
葛藤してるっていうのかな。
そんな感じ。
数秒後、かっきーは何かを決心したように顔を上げると、ドアをそっと開けた。
顔を出して廊下の様子を確かめると、またそっとドアを閉める。
「かっきー…?」
かっきーが私をほうを向いた。
そこからはあっという間だった。
私はかっきーにグイッと抱き寄せられ、そのまま唇を奪われた。
「…んぅっ…?!」
いきなりキスされたこと。
そして、誰かに見つかるかもしれない状況だったこと。
この2つだけで、私は心臓が跳ね上がるみたいに驚いた。
でも、それだけでは終わらなかった。
それは、これまでかっきーと交わしてきたキスとは全くの別物だった。
唇とは違う、別の柔らかいものが私の唇に触れた。
(え…これ、って……)
それは少し緊張しているようなぎこちない動きで、私の唇をなぞっていく。
やがて唇を越えて、中へ入ってきた。
こういう"深い"キスがあることは、知識として持っていた。
ただ、自分がこんなキスをされることになるなんて、考えていなかった。
さらに、かっきーの唇が私の上唇と下唇を挟み込むように動いてくる。
かっきーが、唇と舌で私を求めている…
それがハッキリと分かるような、激しいキスだった。
唇と口内への刺激だけでもこれまでとは比べ物にならないのに、さらにいつもとは違うことがあった。
ちゅ…ぴちゅ…ちゅぷ…
(や……なんか、音が…)
私とかっきーの唇から、聞いたことのないような音がする。
なんだか、すごくいけないことをしているような音。
私は体が熱くなっていくのを感じていた。
(…なにこれ…なんか、すごい……でも、こんなところ、誰かに見つかったら…)
私は、ギブアップするようにかっきーの肩をポンポンポンッと素早く叩く。
意図が伝わったのか、かっきーは名残惜しそうに唇を離した。
「ぷはっ……はぁ…はぁ…はぁ……ごめん…なんか……みんなのところに戻るって思ったら、私が、さくちゃんを独り占めしたくなっちゃって……我慢、できなくなっちゃった…」
「はぁ…はぁ……かっきー…すごい……激しくするんだもん……びっくりした……」
「ご、ごめんね……なんか…夢中でしちゃった……えっと、今度こそ、みんなのところ、戻ろっか…?」
かっきーが、恥ずかしそうにドアの方を向く。
ついさっきあんなに激しいキスをしてきたのに、照れて気まずそうにしている。
私は、そんなかっきーのギャップにたまらなくなって。
頭で考える前に、私はかっきーの制服の袖を後ろからつかんでいた。
「かっきー……今みたいなキスされたら…私だって、変な気持ちになっちゃうよ……」
「さくちゃん…」
・・・・・・・・・・・・
ちゅ…ちゅぷ…ぴちゅっ……
キスが上手いとか下手とか。
そんなことは分からないし、今はどうでもよかった。
とにかく、私もかっきーを求めていること。
それがかっきーに伝わってほしいと思って、私のほうからも激しく唇を重ねた。
かっきーもそれに応えるように、より一層激しく返してくれて…
結局私たちは、マネージャーさんからの電話が鳴るまで、薄暗い控え室で全てを忘れてお互いの唇を求め合っていた…
~続く~
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