44 / 72
かっきー2回目のセンター 編
さくちゃんの手料理 お風呂編
しおりを挟む「ほらかっきー、こっちだよ」
「う~ん……さくちゃん、どこ行くの~…?」
「寝る前にシャワー浴びてキレイにしないと、でしょ?ほら、もうちょっとだから…」
2人でたくさん、たっっっっくさん愛し合ったあと。
かっきーは力尽きてそのまま眠ってしまいそうだった。
私と違ってロッククライミングをした疲れがあったんだから、しょうがない。
でも、このまま眠るのはさすがに不衛生だし、私も汗を流したかった。
かっきーにシャワーを浴びるよう勧めたけど、すでに半分夢の中にいる彼女には話が通じなかった。
仕方なく、かっきーの手を引いて浴室へ連れていこうと思ったのだ。
扉を開けて、そのまま浴室用のイスにかっきーを座らせる。
(ちょっと恥ずかしいけど、裸のままでよかった……寝ぼけたかっきーの服を脱がすのは大変そうだもんなぁ…)
「じゃあかっきー、ちゃんとシャワーで汗流すんだよ?リビングで待ってるからね」
「う~ん…さくちゃ~ん……シャンプーしてほしい~…」
「えー??」
「美容師さんみたいに、洗ってほしいなぁ~…」
寝ぼけてるせいもあって、かっきーが完全に甘えん坊モードだ…
(まぁ…いいか……今日は誕生日だし…)
「もぉ~…じゃあ、髪だけだよ?身体は自分で洗ってね?」
「わーい、美容師さくちゃんだー♥️」
シャワーでかっきーの長い髪を流して、シャンプーを泡立てる。
「かっきー、かゆいところ無い?」
「ないよ~。えへへ、さくちゃん、ほんとに美容師さんみたい」
「ほんとー?人の髪洗うことなんてないから、これでいいのか分かんないけど…」
「大丈夫、さくちゃんの指、すっごく気持ちいいよ…?」
(………やだ……なんか、そんな言い方されちゃうと……)
「………かっきー…指が、気持ちいいとか言われると……なんていうか、その……」
「ん~?なぁに~?」
どうやら、狙って言ったわけではなくて天然だったらしい。
「もぉー、、なんでもないよ!」
一人だけいけない妄想をしちゃったみたいで恥ずかしくなったので、髪を洗う指に力を入れてワシャワシャと洗ってごまかす。
それからトリートメントとリンスもして、かっきーの髪を洗い終えた。
「よしっ…これでいいかな」
「えー?身体は洗ってくれないのー?」
「だーめ。身体は自分で洗うって約束でしょー?それにかっきー、もうだいぶ目覚めてきたでしょ?!」
「ふふふ…バレたか~……じゃあさくちゃん、外で待っててね」
浴室の扉を閉めて、ふぅっと深呼吸する。
(かっきーの身体を洗うなんてダメだよ……そんなことしたら、私のほうがどうにかなっちゃいそう…)
私は、ホッとしたような、ちょっとだけ寂しいような、言葉にならない感情のまま悶々としていた。
~さくちゃんの手料理 おしまい~
35
あなたにおすすめの小説
さくらと遥香(ショートストーリー)
youmery
恋愛
「さくらと遥香」46時間TV編で両想いになり、周りには内緒で付き合い始めたさくちゃんとかっきー。
その後のメインストーリーとはあまり関係してこない、単発で読めるショートストーリー集です。
※さくちゃん目線です。
※さくちゃんとかっきーは周りに内緒で付き合っています。メンバーにも事務所にも秘密にしています。
※メインストーリーの長編「さくらと遥香」を未読でも楽しめますが、46時間TV編だけでも読んでからお読みいただくことをおすすめします。
※ショートストーリーはpixivでもほぼ同内容で公開中です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
