5 / 14
第5話 サプライズアルバムと雪合戦
しおりを挟む
アメリカ研修から戻ってから、雅也たちにとっていつもの日常が戻ってきていた。帰国して1ヶ月近くが過ぎ、クリスマスを1週間前に控えた12月中旬。珍しく大雪になったこの日は、電車のダイヤも大幅に乱れていた。通常2時間かけて通学していた雅也ですら、この日に限って学校到着までに4時間も費やしていた。この日、雅也にとっては必ず遂行しなければいけないミッションがあり、どうしても学校へ行かなければならなかった。
それは、この日のために極秘で用意した、海外研修のアルバム配布である。アメリカで友人たちが撮影したそれぞれの写真は、LINEグループのアルバムで共有されていたのだが、デジタルが当たり前になっている時代なだけに、雅也はかねがねアプリのアルバム共有に過ぎないもので満足ができないタチであった。もしスマホが壊れたり、データが飛んだら写真は見えなくなってしまうから、何かしらの形に残せないか、というのが雅也の考えであった。
雅也は専門のソフトと学校の印刷機を使用して、写真加工や編集、デザインをしながらアルバム制作に励んでいた。自分や浩平を含み、アメリカで連日連夜を共に過ごした11人分のアルバムができたのは、大雪になったこの日の数日前だった。この11人全員が、それぞれ何かしらの授業があって学校に来ているのは、年内の授業では今日が最後。普段授業をサボるようなメンバーではないことは分かっており、今日を逃してはなるまいと、もはや雅也の学校へ行く目的が変わっていた。
授業後、雪が積もった屋上に雅也は浩平を含めた10人の学生を呼び寄せた。
「どうしたんだよ、みんなを集めるなんて」
浩平が怪訝そうに尋ねると、雅也はサンタクロースのイラストが印刷された小さな袋を見せつけた。
「じゃじゃーん! 俺からの一週間早いクリスマスプレゼントです!」
サプライズ大成功の雅也は、アルバムを配布した。飛び跳ねるように喜んでくれたり、ハグをしてくれた友人もいた。アルバムを見てテンションが上がる一同は、その残像のようにそのまま雪合戦に突入。アルバムを抱えながら、容赦なく雪を投げつけ合う。雅也にとっては、最高の年末イベントとなった。
それは、この日のために極秘で用意した、海外研修のアルバム配布である。アメリカで友人たちが撮影したそれぞれの写真は、LINEグループのアルバムで共有されていたのだが、デジタルが当たり前になっている時代なだけに、雅也はかねがねアプリのアルバム共有に過ぎないもので満足ができないタチであった。もしスマホが壊れたり、データが飛んだら写真は見えなくなってしまうから、何かしらの形に残せないか、というのが雅也の考えであった。
雅也は専門のソフトと学校の印刷機を使用して、写真加工や編集、デザインをしながらアルバム制作に励んでいた。自分や浩平を含み、アメリカで連日連夜を共に過ごした11人分のアルバムができたのは、大雪になったこの日の数日前だった。この11人全員が、それぞれ何かしらの授業があって学校に来ているのは、年内の授業では今日が最後。普段授業をサボるようなメンバーではないことは分かっており、今日を逃してはなるまいと、もはや雅也の学校へ行く目的が変わっていた。
授業後、雪が積もった屋上に雅也は浩平を含めた10人の学生を呼び寄せた。
「どうしたんだよ、みんなを集めるなんて」
浩平が怪訝そうに尋ねると、雅也はサンタクロースのイラストが印刷された小さな袋を見せつけた。
「じゃじゃーん! 俺からの一週間早いクリスマスプレゼントです!」
サプライズ大成功の雅也は、アルバムを配布した。飛び跳ねるように喜んでくれたり、ハグをしてくれた友人もいた。アルバムを見てテンションが上がる一同は、その残像のようにそのまま雪合戦に突入。アルバムを抱えながら、容赦なく雪を投げつけ合う。雅也にとっては、最高の年末イベントとなった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる