9 / 14
第9話 見送られて
しおりを挟む
3年生になり、周囲の友人たちが内定をもらい始めていた中、雅也は年末になると、千葉県在住の映画プロデューサーに会う機会を得た。何日も前から、雅也はプロデューサーに渡すための資料作り追われていた。
運良く講師の都合で授業が休講になったため、せっかくの機会だからと雅也は4日間の関東滞在を決めた。雅也の母方の従兄の大学院生が東京に住んでいたことと、雅也と浩平と親交のある友人の一人がインターンで神奈川に住んでいたため、宿泊代を抑えることができた。
4日分の荷物をスーツケースに入れた雅也は、いつも通り学校に登校した。
「どうしたんだよ、その荷物?」
学校の廊下で驚いたように浩平が言った。
「今晩から東京。そのまま夜行バスに乗るから、荷物全部持ってきた」
「そっか。ついに今日からか」
「うん」
「良い仕事、決まると良いな」
夜行バスが出発する大きな駅は、普段浩平が乗り換えで使っている駅だったので、その日雅也は浩平と共に駅まで向かった。駅に向かうまでの道で、浩平がスーツケースを運んでくれた。学校から駅までの約30分、12月の冷たい風を受けながら、雅也は浩平と駅まで歩いた。
「そういえば、こっちの駅まで一緒に帰るの初めてかもしれないね」
「ああ、言われてみればそうだな」
他愛もない話をすると、やがて2人は駅に到着した。
「スーツケース運んでくれて、ありがとう」
「いってらっしゃい、頑張ってこい」
浩平に背中を押された雅也は、夜行バスに乗り込んだ。
1本逃すと30分後の電車まで待たなければいけない地元とは違い、3分や5分後に次の電車がやってくる。それにホームの数も10本以上。スーツケース片手にキョロキョロしている絵に描いたような田舎者だったが、雅也は千葉まで赴き、プロデューサーとの話し合いの末、脚本としてのデビューが決まった。
運良く講師の都合で授業が休講になったため、せっかくの機会だからと雅也は4日間の関東滞在を決めた。雅也の母方の従兄の大学院生が東京に住んでいたことと、雅也と浩平と親交のある友人の一人がインターンで神奈川に住んでいたため、宿泊代を抑えることができた。
4日分の荷物をスーツケースに入れた雅也は、いつも通り学校に登校した。
「どうしたんだよ、その荷物?」
学校の廊下で驚いたように浩平が言った。
「今晩から東京。そのまま夜行バスに乗るから、荷物全部持ってきた」
「そっか。ついに今日からか」
「うん」
「良い仕事、決まると良いな」
夜行バスが出発する大きな駅は、普段浩平が乗り換えで使っている駅だったので、その日雅也は浩平と共に駅まで向かった。駅に向かうまでの道で、浩平がスーツケースを運んでくれた。学校から駅までの約30分、12月の冷たい風を受けながら、雅也は浩平と駅まで歩いた。
「そういえば、こっちの駅まで一緒に帰るの初めてかもしれないね」
「ああ、言われてみればそうだな」
他愛もない話をすると、やがて2人は駅に到着した。
「スーツケース運んでくれて、ありがとう」
「いってらっしゃい、頑張ってこい」
浩平に背中を押された雅也は、夜行バスに乗り込んだ。
1本逃すと30分後の電車まで待たなければいけない地元とは違い、3分や5分後に次の電車がやってくる。それにホームの数も10本以上。スーツケース片手にキョロキョロしている絵に描いたような田舎者だったが、雅也は千葉まで赴き、プロデューサーとの話し合いの末、脚本としてのデビューが決まった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる