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第11話 今だから聞けること
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「じゃあ、またな」
と、浩平が駅の階段を上っていき、雅也や親交のあった友人たちも、それぞれ涙を流しながら電車に乗り込んでいった。専門学校の卒業式の後は3次会まで盛り上がり、気が付いたら次の朝になっていた。あれだけ楽しかった学生生活が終わってしまったという現実を受け入れいながらも、新年度はあっという間にやってきて、雅也はフリーの脚本家としての活動をスタートさせ、浩平は映像制作会社に就職して、地元のテレビ局に出向という形でADとして勤め始めた。
それぞれに新しい生活が始まり、浩平とはゴールデンウイークやお盆などで開催される飲み会で顔を合わす程度になり、かつて毎日のように顔を合わせていた頃とは違い次第に連絡を取る機会が減っていった。
2019年の秋、専門学校卒業から2年半の歳月が経っていた。仕事の予定で雅也の地元近くの街にいると言うので、久しぶりに会おうと浩平から連絡が来た。雅也が浩平と2人で会うのは、卒業進級制作展の数日後に2人でカラオケと食事をして以来だった。
喫茶店で落ち合って、近況をお互いに話すうち、雅也はずっと気になっていたこと、今だから聞けることを浩平に尋ねた。
「ねえ、あの時、どうして俺に声をかけたの?」
雅也の脳裏に、専門学校に入学して間もない頃、学校の廊下で「お疲れ」と浩平に声をかけられたあの瞬間が浮かんだ
「何となく、声かけやすかったからかな」
苦笑して答える浩平に、雅也は思わずキョトンとした。そんな理由で声をかけられていたのかと。
しかし縁とは不思議なもので、あの時浩平が声をかけてなかったら、今頃こんな親友関係を築けなかっただろう。
そういえば卒業してからの2年半、雅也から浩平にアクションを起こしたことはなかった。学生時代を振り返っても、いつでも声をかけるのは浩平からだった。何故もっと、自分から行動を起こさなかったのだろうと、雅也は後悔していた。
と、浩平が駅の階段を上っていき、雅也や親交のあった友人たちも、それぞれ涙を流しながら電車に乗り込んでいった。専門学校の卒業式の後は3次会まで盛り上がり、気が付いたら次の朝になっていた。あれだけ楽しかった学生生活が終わってしまったという現実を受け入れいながらも、新年度はあっという間にやってきて、雅也はフリーの脚本家としての活動をスタートさせ、浩平は映像制作会社に就職して、地元のテレビ局に出向という形でADとして勤め始めた。
それぞれに新しい生活が始まり、浩平とはゴールデンウイークやお盆などで開催される飲み会で顔を合わす程度になり、かつて毎日のように顔を合わせていた頃とは違い次第に連絡を取る機会が減っていった。
2019年の秋、専門学校卒業から2年半の歳月が経っていた。仕事の予定で雅也の地元近くの街にいると言うので、久しぶりに会おうと浩平から連絡が来た。雅也が浩平と2人で会うのは、卒業進級制作展の数日後に2人でカラオケと食事をして以来だった。
喫茶店で落ち合って、近況をお互いに話すうち、雅也はずっと気になっていたこと、今だから聞けることを浩平に尋ねた。
「ねえ、あの時、どうして俺に声をかけたの?」
雅也の脳裏に、専門学校に入学して間もない頃、学校の廊下で「お疲れ」と浩平に声をかけられたあの瞬間が浮かんだ
「何となく、声かけやすかったからかな」
苦笑して答える浩平に、雅也は思わずキョトンとした。そんな理由で声をかけられていたのかと。
しかし縁とは不思議なもので、あの時浩平が声をかけてなかったら、今頃こんな親友関係を築けなかっただろう。
そういえば卒業してからの2年半、雅也から浩平にアクションを起こしたことはなかった。学生時代を振り返っても、いつでも声をかけるのは浩平からだった。何故もっと、自分から行動を起こさなかったのだろうと、雅也は後悔していた。
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