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騎士くんと武者くん④

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狼偉が僕の顔をジッと見つめている。

僕も狼偉のことを見つめ返す。
僕は狼偉の顔が大好きだ。
顔だけじゃないけど、でも、狼偉の顔が大好きだ。

子供のころ、夢中で見たアニメで、戦いで何度も何度も倒されながら立ち上がる、赤い鎧を身に纏った若武者。

サムライ…なんとかっていったっけ…。

バチンと音がして、僕のペニスが腹を打った。

狼偉の奇麗に結われた髪は、湯気と汗と欲で、解かれて散々に乱れている。
凛々しくて、端正な顔も、汗でびっしょりと濡れている。
僕に睾丸nutsを嬲られて悔しそうな顔をしていた時も…。

僕が、一目で恋に落ちてしまった狼偉の顔は、こんな時も、僕を魅了し興奮させる。

乱れた髪も、女性らしさなんて微塵も感じさせない。
汗びっしょりの顔も…狼偉の男としての色気が溢れんばかりだ。
いつもは見せない欲に塗れた顔は…堪らない。

全部、狼偉の色気となって、僕の頭の中を犯していく。

バチンと音がして、僕の思考は途切れる。

僕は、唸り声を低くあげる。

勝てない。
何度挑んでも勝てない。
こんな経験初めてだ。

でも…。

狼偉の顔を見つめると…。

ばちんと音がする。

競り合う時間は、長くなっているのに…。
3秒、5秒、7秒、10秒って、僕のタイムは、確実に伸びているのに。

狼偉だって、僕のペニスが腹を打った後、すぐにバチンと音を立てて腹を打つのに。
組み合っても、組み合っても、この競り合いは僕の思う通りにならない。

ばちんっ!

僕の唸り声が……さらに低くなる。

僕のペニスが腹を打つたびに、狼偉は、摘まんでいる乳首に少し力を入れてアピールしてくる。
狼偉の舌先が僕を煽る。

悔しい 悔しい。
でも狼偉大好き。
僕に見せてくれる。
僕だけに見せてくれる。
その顔がとてもとてもとても…ぼくを壊す。

じゃらりと音がし、僕の首輪がひっぱられる。
競り負け続けた悔しさが相まってイラッとしながら、狼偉を睨みつける。
イラッとしてるハズなのに、僕の頭の中は、また狼偉で溢れてぐちゃぐちゃになりはじめる。

好きッすきっ、ムカつくけど…好きっすきだよ狼偉。

狼偉の腕が僕の首を抱き込む。
完全に狼偉のペースだ。
僕も狼偉の首を抱き込む。

悔しい!悔しい!
負けたくない!負けたくない!

ても…

なんでこんなにこうふんするんだろう。

狼偉が僕のペニスをぎゅっと握りこんできた。
僕も狼偉を握り返す。

今だけ…
今だけだから。
狼偉がイニシアチブを僕から獲るのは…いまだけだから。

「れおん…。

 おれもおまえも…。

 コーゆーの…すッげ~っすキだよナ♪」

狼偉の低い声が、僕の耳元から、頭の中へとゆっくりと犯すようにはいってくる。
あ~ろい…狼偉…ろいが、こわれてる。
ろいのこの声、ヨクにマミれてコわれてる。

そして…

あ”っっぁつっっ お”っっっ!

悶絶する。
全身を貫いてくるエくすたシーに、僕の足のつま先は、ずっと愛用している青いしゅーずの中でアバれまくる。

だって…

これ…
これっ…
ろいの……
ロ偉のっ!
ふっきん!!!

ぼくの…オトコの…オスのしんぼるが、ろいのふっきんにおかさ…お”っお”っ

「がっチがちっ♪

 こっからこ~ゆーフーにヤっから。

 まいったしたかったらちゃ~んとゆ~んだぞ♪」

ずりゅぅぅぅっ!!!

お”っお”っお”っお”っ!

ぼくのグラ…ぐら…き…きとうの根っこから、ぼくのぺにすが生えてるねっこのオクまでっ。
しめつけ…しめつけて…。

からだがびくびくとふるえる。
ぼくは、あなるの中に沈んでいるでぃるどをぎゅっとしめつける。
つまさきがっかかとがっ、しっかり絡まって、ぜんぜんうごかないシューズのなかで暴れにあばれる。

狼偉に、ねっこをがっちりつかまれたボクのぺにすが、あばれるっあばれるっあばれるっ!
でも狼イは、ぼくのぺにすを、おもいどおりにさせてくれない。

お”っお”っお”っお”っ!

「ハハっ すッげーガっちがチ♪
 おまえのガマンじる♪オレのふっきんでシボリトッテやっカら?」

ろいの?
ふっきんで?
ぼくのカうぱ…ガマんじる?
しぼりとる?
しぼりとる??
ぼくの?
ぼくの?
オレの???

「たノし…」

ちがうっ!

「オ”っお”オ”おっっっ!!!!」

ろいのっ!
がまんじるをっ!
しぼりっ!
とるのはっ!
ぼくのっ!
おれのっ!
ふっきんっ!ふっきんっ!

ろいがエくすたシーの波に襲われ、悶絶する低い唸り声がぼくの頭のなかをこわして堕としていく。

ぼくも狼偉のぺにすをちからとぎゅっとこめた腹筋で、ずりっずりっずりっって摩り下ろして…。

ろいのエロく溶けた瞳をにらみつける!!

ずりゅぅぅぅっ!!!

ろいのたま…きんたまを押しのけて、狼偉のふくらみの中までつづく奥のおくまで、ずりオロシて、にぎりしめる。

オ”っお”オ”おっっっ!!!!

ろいがさらに悶絶する。
ろいのシューズが、からまったまま、ゆっさゆっさと揺れる。
ろいのあなるのなかがぎゅっとしまるのが、ぼくに伝わる。

ろいのぜんぶがぼく…おれを…ぼくを…こわす。

狼偉。
すごい。ろい。ふっきん。
ふっきん すゴい。
ろい ふっきん スゴい。
すごっすごイっ!
ろ偉 ふっきん。
すきっ!
だいすきっ!だいスき!
狼イ。フっきん。

でも!

ぼく ボク おれ ぼク オレのほうガぼクのほウがつヨい!

僕と狼偉は、お互いにペニスを腹筋でなぶりあう。
用意はいいか?と腹筋でなぶりあいながら、
瞳で
絡め合う舌先で
つたえあう。

コトバはいらない。

これから襲ってくる、さらにつよいエクスタシーの衝撃への貪るような期待に、身体中の筋肉が張り詰め、ぺにすはガチガチに血管を浮かせて猛り狂う。

れでぃっ ごーっ

ずりゅぅぅぅぅっっっ!!!
握力のかぎりをつくして握りしめたまま根本までズリおろしあう。

そして

じゃらじゃらと鎖があばれる。
互いのあばれるペニスをぎゅっと根本でにぎりしめ、好きにさせない。
どちらが効いたかなんて、たがいにすぐにわかる。

お”ぐぅっ! ろいっ いまっ すごく効いてル♪ ねぇぎぶ?ぎぶ?ねぇっぎぶっ?

オ”ぉっ! れおんっ おまえ、すっげぇがまん汁♪ だしてぇか?まいったすっか?

お”おっ お”っ いまのはボクのほうが勝った♪くやしい?ろい くやしい?くやしい?ぎぶする?

あ”っお”っあ”っ 3れんちゃんで、おれが勝ってる♪れおん?くやしいか?なみだでてんぞ♪ぎぶすんの!てめーだろ?ぎぶか?ギブか♪

ガクガクとからだをふるわせながら、
耳元で…。
額をぶつけるような勢いで舌を絡ませ合いながら…。

より利かせたほうが、低い声であおってなぶる…。

あ”~っあ”~っ ぎぶ?ふっざっけっなっ!あ”~っっ しつけー!ぎぶなんてしねーっ!

オ”おっ!お”ぉぉぉっ!!あ”っっ しない!汁なんてでてない!まいったなんて!しない!しない! あ”っア”っ!

ア”っお”っ ふざけ おれのほ お”っあ”~~お”ぉおっ あ”っあ~あっ!

ア”ッア”ッア”ッア”ッ!たくさん!よがってるのはろい!ろいだから!くやしくない!ろいよりぜんぜん!ぜんぜんくやしくない!なみだ でてない!でてるのはろい!ギブ?しない!するか!のーっ のぉぉっ!お”ぉっお”お”お”っ

10は覚えてる。
次の10もおぼえてる。
つぎの10から10の間…。

たぶん 僕たちの歳のかずで、

これでもかというくらい低い唸り声を叩きつけあいながら…
馬が、思いっきり前脚をあげて、甲高くいななくように…
全身の筋肉をふるわせあって…
うるさいほどの鈍く湿った鎖の音に包まれて…
僕と狼偉は弾けた。
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